第18話
夏休みもあと4日
俺は暑さに負けて部屋でゴロゴロしてたときに翔からメールが来た
―明後日に海に行くから準備よろしく―とだけ書いたメール
たぶん優美が言い出したんだろうな・・・
行かないって言っても強制的に行かされる
それにこの暑さから逃げるには海もいいと思い、すこし明後日が楽しみになった
快晴!まさに海日和!
雲ひとつない空で太陽がヒシヒシと痛いぐらい日差しを浴びせられて、俺は今、海を漂ってます
優美たちに誘われて隣のそのまた隣町の海に来ている
夏休み終盤ってことで人はそこまで多くない
優美と翔と葵たちと駅で待ち合わせて、朝早くにこっちに来ていた
こっちに着いたのは、10時ぐらいかな?
最初に水着に着替えて、みんなで泳いだりしてたんだけど俺は疲れたから浮き輪に乗って現在の海の流れに身を任せた状態になっている
どのぐらい流されていたのがわからないが浜辺のほうを見ると人がものすごく小さくなっている。もう豆粒並みに
少し焦って戻ろうとしたけど浮き輪が邪魔で泳ぐことができず、浜辺のほうに行けなかった
「あぁ〜 やばいなぁ・・・浮き輪捨てないといけないのかなぁ・・・」
そんな独り言を言っている間にも沖のほうに流されていく
しょうがないから俺は浮き輪を見捨てて、浜辺に向かって泳ぎ始めた
「じゃあな・・・相棒・・・」
という言葉を残して・・・
「はぁはぁはぁ・・・ゲロ吐きそう・・・」
海をなめてた。浮き輪なしでも十分波の影響はあった
全速力で浜辺に向かって泳いでいて、息継ぎしようとしたときに波が来たりして海の水も結構飲んでたりする
なんとか息も整って荷物を置いているパラソルの下に戻る
「あっ おかえり〜」
「結構流されてたな」
パラソルの下には翔と優美がイチャついていた
「お前ら見てたんなら助けろや」
「訓練かなぁって思ってたよ あはは」
「あはは じゃないって・・・」
翔は楽しそうに言ってくる。もちろん俺が必死だったこともわかっていて見てたんだろう
「そういや 葵どこいったの?一緒じゃなかった?」
パラソルの下には翔と優美二人しかいない
俺が浮き輪で流され始めたときには3人で遊んでいた
すると優美がニコっと笑いながら言ってきた
「あのね〜 途中ではぐれちゃったの 輝探してきて」
「あのな〜・・・ハァ・・・」
「そんなことしてても輝は探しに行くもんね だって輝ツンデレだし」
「べ、別にあんたのために探すんじゃないんだからね!」
「キモい さっさと探しにいけ」
「ひどっ・・・」
ツンデレっていうからノッてあげたのに優美は真剣な顔で言ってきた
頑張ったのに・・・
優美にキモいと言われてから、しばらく浜辺を歩いて葵を探しているとナンパされている葵を見つけた
「ねぇ?君一人? 俺たちと一緒に遊ばない?」
「うわっかわいい!この子 遊ぼうよ」
近くに行くとそんな声が聞こえる
ナンパされている葵は怖がってうつむいたまんまだ
この後どんな風になるか見てみるのも面白いけど、葵が怖がってるのを見るとできなかった
「葵〜探したぞ〜」
葵に近づきながら言うと、葵はキョロキョロと周りを見て俺を見つけると走って飛びついてきた
「輝っ!」
「っとと!あぶなっ」
走って飛びついてきた分の衝撃で倒れそうになったが、なんとか踏ん張った
「チッ なんだよ 男連れかよ・・・次行こうぜ」
ナンパ男は俺のほうを見て舌打ちして他のターゲットを探すためにどっかに行った
元気な人たちだ・・・
「葵 大丈夫か?」
俺の腕の中でさっきから少し震えている葵に話しかける
「怖かったのか?」
小さくうなづいた
「そっか ごめんな 一人にして」
また小さくうなづいた
「あの〜・・・そろそろここから離れたいんだけど・・・・」
さっきから葵に抱きつかれている体勢なので周りからいろんな意味が込められた目で見られている。嫉妬とか嫉妬とか・・・
とりあえず、抱きついている葵を離して手を差し出す
「ほらっ 翔んとこ行こ」
「うん」
「あ〜やっと戻ってきた」
「お前ら葵一人にするな ナンパされてビビってた」
「ありゃそうだったの ごめんね葵」
翔たちのところに戻ると翔は昼の買い出しに行ったらしく優美が一人だった
翔が戻ってくるまでしばらく休憩する
その間葵と優美はなんやら二人で話していたみたいだが、女の子の話に聞き耳を立てるのもアレだから海をぼーっと見ていた
「暑かった〜 買ってきたよ〜」
翔がコンビニ袋を持って帰ってきた
「おつかれ お金どうしたんだ?」
「ん?輝の財布持っていったし大丈夫だった ほら」
翔は俺の財布を投げてきた
俺はその中身を見ると5000円札が崩され2000円まで減っている
「翔!お前どんだけ買ったんだよ 使いすぎだろ」
「気にしちゃダメだよ 輝 さぁ食おう」
翔と優美は買ってきたものを食べる
葵は食べていいのか、わからないって感じでこっちを見ている
俺はため息をつきながらも、うなずいて翔(俺の金)が買ってきてくれたものを食べ始めた
昼ごはんを食べ終わると翔と優美と葵は再び遊びに行った
俺は体力が無いためパラソルの下で翔たちの行動を見る
しばらく見ていると、小さい子とビーチバレーを始めた
笑い声が聞こえたり、海の波の音が聞こえたりして眠気を誘う
パラソルの下でウトウトしていると、葵がこっちに戻ってきた
「どうしたの?」
「疲れた・・・輝は参加しないの?」
「んー疲れてるしいいや」
「そか」
葵は俺の横に座って翔たちを見ている
「輝 夏休みの宿題終わった?」
「うっ・・・・」
「えっ!終わってないの?今日入れてあと4日だよ」
「あはははは〜 大丈夫だって 夏休みの宿題なんて2日で終わるよ」
「・・・・・」
「え?なんで黙るの?」
葵は俺を見て、ポカーンとした顔でこっちを見てきていた
「もしかして輝・・・今まで宿題見てない?」
「ああ だって毎年宿題なんて最後の2日で終わらせれたし」
「・・・頑張ってね 宿題」
「おぅよ んじゃ俺ちょっと寝るな おやすみ」
俺は仰向けに寝転んで顔を本で隠して寝た
体が重い・・・
目を開けると俺は石の下敷きになっていた
動こうとすると、さらに重くなる
それでも必死に抜け出そうとするが、まったく出られない
「うぅ・・・・重い!!!!」
「わっ!起きた!」
夢から覚めると腹の上にいろんな荷物が乗っていた
「あはははは 輝うなされてたね〜」
「お前らのせいだろ バカップル」
俺がうなされている間ずっと笑っていたのだろう・・・こいつらバカップルは・・・
「ほらっ もう夕方だよ 帰ろう輝」
横で葵が笑いながらも自分の荷物を持って立った
「了解 ほら お前らバカップルも自分の持て」
「はいはい〜」
帰りの電車内で宿題の話になり、俺が夏休みの宿題をまだ一回も手をつけていないと言うと翔と優美はさっきの葵同様 ポカーンとした顔をしていた
「ま、まぁ頑張ってよ・・・」
「うん・・・頑張って・・・あっちなみに私たちデートだから手伝えないしね」
という言葉を残して、各自の家に帰って行った
そして俺は家に帰って恐ろしい出来事に遭うことを、この時は知らなかった
いつもは何話か先に書いて書き終わっている分を一日ごとに投稿してるんですが、これは今日急に書きたくなって、それも続き風にしたためちょっと今後の話が・・・って後悔してたりしてます(笑)
ですが、頑張りますのでよろしくです