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第16話

 

 何日か経って、夏休みが近づいてきたころに、

「期末テスト」というものがある

 これで赤点など取れば夏休みの楽しみは無くなる

 そして、その夏休みを有意義に過ごすかを決める期末テストが3日後に迫っていた

 だから、今ファミレスで翔、葵を先生に俺と優美が勉強中だ


「だから、ここはそうやってやるんじゃなくて、ここを・・・」

「あーそっかそっか」


 俺は葵に教わっている、そして結構順調だ

 しかし、翔に教わっている優美は違う

 

「翔〜わからない〜」

「優美・・・わかろうとしてる?」

 

 必死に勉強を教えようと悪戦苦闘している翔・・・

 俺より赤点に近いのに怠ける優美・・・

 この2人がかなり御似合いカップルなのはわかるが、どうやって知り合い、そして付き合ったのかは知らない

 

「なぁ葵 あの2人ってどうやって付き合ったの?」

「ん?知らなかったっけ?」

「うん」

「確か、翔のファンクラブの会員だったんだよ 優美って」

「ファンクラブ・・・すげぇなぁ 翔・・・」

 

 葵の話の内容はこうだった

 

 成績優秀、運動ができる、おまけに顔はカッコいいとほぼ完ぺきだった翔は、高校に入ったときから注目の的だった

 そして、あまりの人気に翔の勉学の邪魔になると考えた、当時の生徒会長がそれを規制しようとファンクラブを創立

 その生徒会長を筆頭に学校の8割の女子生徒が入っていた

 優美はその中の1人で、最初はあまり翔に興味がなかったらしい

 友達が入っているから自分も入る、よくあるパターンだ

 そして、何カ月か経って、ある噂が立つ

「葵と翔は付き合っている」

 という噂

 まぁ昔からの友達だし、一緒にいることが多かったし、美男美女だ。そういう噂が立つのも無理じゃない。

 その噂に困っていた葵が優美に助けを求め、間に入って違うってことを証明したらしい(俺の予想だが、この頃に葵は目立ってしまい、今のような学校のアイドルとなった) 

 この頃から、翔は優美に惚れたらしい

 そして葵は、優美と仲がよかったから、仲介役になり、1年の冬休みに翔が告白し今に至る

 

「ふぅ〜ん それにしてもファンクラブって・・・」

「だよね〜 びっくりだよ 今もあるらしいよ」

「へぇ〜 でも葵もあるよね ファンクラブ」

「えっ!そうなの!」

 

 確かに葵のファンクラブはある

 登校時間内に葵と一緒に行った数日後に、ファンクラブの会長らしき人が俺のところに来た。

 ただの友達です、と言うとどっかに行ったが・・・・

 

「すごいなぁ・・・翔」

「だよね〜なんか別次元の人だよ」

「いや、お前も十分すごいけどな・・・・」

「えっ?ほらっ勉強するよ」

「了解」

 

 翔と優美の付き合った経緯はわかった

 でも翔が告白したなんて思ってなかったためちょっとびっくりした

 

 

 

 

 

 期末テスト最終日

 ここまで、教えてもらった甲斐があって順調だ

 数学、現代国語、古文などなどは、葵に教えてもらったところがバッチリ出ていてもう楽勝

 久々にテストが楽しいと思えるぐらい解けた

 

 でも俺の苦手な英語

 話せるけどスペルが読めないからまったくわからない

 こればっかりは葵に教わっても解けなかった

 

 俺の予想では赤点ぎりぎりだろう

 

 

 あと、今受けている家庭科のテストにも苦戦している

 普通の問題自体は、こんなの勉強せずともできる簡単な問題

 

 でも最後の問題で俺は苦戦しているのだ

 その問題の内容は、『現在の麻生内閣について どう思うか。あなたの考えを100文字以上書け』だった

 

 もちろん家庭科には全く関係ない。

 問題以前になんで関係ないこんな政治的なことについての問題を出したのかが、気になって書けない俺がいるのだ

 

「残り5分です 名前確認して」

 

 前で先生が言ったが、まったく思いつかない

 でも、書かないと点数がもらえないので適当に書く

 

「はい 終了 おつかれさま 後ろの人は前にテスト用紙送ってください」

 

 ぎりぎり100字以上書いたが、内容は最悪だ

 赤点はないと思うけど・・・

 

 

 テストが終わって脱力しているところに葵が来た


「輝 また勝負しよっか」

「絶対嫌だ」

「私 今回自信ないんだ だからいい勝負になると思うの」

 

 たぶん葵はまったく悪気は無いんだろう

 

「勝てない戦はしない主義なの 俺は」

「ふ〜ん 欲しいものあったのに・・・」

「お前 勝つ気満々じゃねーか・・・・」

 

 

 次の日に返ってきた葵のテストを見ると、いつも通り超優等生な点数を取っていた

 だが、それを超える翔だ

 またまた翔は学年1位 葵は自信がないとか言いながら学年3位

 優美は・・・・まぁ可哀そうだし言わないでおこう・・・

 

 そして俺は心配だった英語は赤点ぎりぎりだったが、それ以外は70点を超えるぐらい良い点数

 

 これで俺たちは無事に夏休みを迎えることができたのだった

 

 


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