第13話
今日は遅刻するぐらいの時間に出た
もちろん、理由は寝坊だ
どうせ走っても遅刻だからゆっくり歩く
そして学校に着き、教室の中に入ると教室の中にいる生徒、先生がこっちを見ていた
「北谷 なんで遅刻したか答えろ」
「寝坊しました」
「はぁ・・・だったらせめて走ってきました!って感じを出せ・・・次やったら昼まで空気椅子させるからな。座れ」
「はい」
先生に注意されている俺の姿を見て、教室内は笑いが起きていた
「それじゃ今日はテストの結果を返す日だ。ドキドキしているやつ、すでに絶望している奴いるだろうが、まぁどうせ今日は昼までなんだ。昼からパッと遊べ。そしてテストのことなんて忘れろ!夏休み前の期末テストが本番だからな。じゃな〜」
先生は笑いながら教室を出て言った
「なぁ翔・・・あの先生ってホントに先生だよな?」
「あぁ・・でも言うセリフが先生じゃないね。まぁそれがいいんだけど」
人気のある先生であるのは確かなんだが、考え方が先生ぽくない。だから人気があるのかもしれない・・・と1人納得していた
まず、最初に返ってくるテストは現代国語。
「北谷くん〜」
呼ばれて、テスト用紙を取って点数を見ると「79点」だった
葵とは全部返ってきてから見せ合う予定なので、そのまま席に戻る
そのあともいろいろ返ってきた
古文「75点」、世界史「88点」、化学「68点」、英語「75点」、数学「95点」だった
そして、今回最も自信がある「日本史」はなんと「99点」だった
俺自身、99点は嬉しかったが、漢字の書き間違いで1点減らされているほうが悔しかった
「翔〜お前何点だった〜」
「んーいつも通りかな〜」
俺は翔の机の上に置いているテスト用紙を見ると
現代国語「97点」、古文「95点」、世界史「94点」、化学「95点」、英語「95点」、数学「100点」、日本史「100点」
「あ、え・・・な、なんじゃーこりゃ・・・」
何度見ても変わらない高得点。それも100点が2つも・・・・
現代国語と古文と世界史以外はすべてクラストップの点数だった
「お、お前頭の中どうなってんだ・・・・・」
「毎日勉強しっかりしてたら取れるよ こんな点数ぐらい」
「こんな点数って・・・お前天才か?・・・」
俺は天才は身近にいないと思っていたが、まさか隣の席の、しかも親友にいたとは・・・・
翔に勝負を仕掛けなくて本当によかったと思った
「輝〜テストの結果どうだった?」
葵がこっちにテストを持ってきた
「翔には及ばないけど、それなりだよ。」
「勝負覚えてるよね 総合点数で、私が勝ったら欲しいもの買ってもらう」
「俺が勝ったら、なんでもしてもらうからな 葵」
「輝 お前そんなことしてたのか・・・」
翔はため息をついて、呆れていた
「じゃいっせーので、で総合点数を言おう」
「おっけ〜」
「「いっせーのでっ!」」
「579」
「660」
・・・・は?
「やった!勝った! 何買ってもらおうかなぁ〜」
「ちょ、ちょっとまて!なんだ、その翔レベルの点数!ちょっと見せろ」
葵からテストを取って、見てみると
現代国語「99点」、古文「98点」、世界史「100点」、化学「88点」、英語「90点」、数学「93点」、日本史「92点」
「・・・・・・な、なんで・・・」
「ふっふふー これで認めたかな?輝くん 私のほうが上だと」
葵は腰に手を置いて威張った感じで俺に言った
「輝 勝負仕掛ける相手間違ってるよ 葵この学年で2位の成績の持ち主だよ?」
「嫌だな 翔にそれ言われるの いつも1位のくせに」
「なっ・・・なんで俺の近くに学年1位、2位がいるんだよ・・・」
「さぁ何買ってもらおうかなぁ」
「こんなの嘘だ―」
俺は現実逃避をしようと、教室から飛び出ようとした
が、先生にぶつかった
「おい 北谷どこにいくんだ。席につけ。えーっとテスト全部返ってきたな。ごくろうさま。瀬川、中村よく頑張った また学年1位と2位だ。みんな見習えよ。ってことで今日はこれで終わり さよなら!」
そう言って先生は教室を出ていった
教室の中は「やっぱりすごいね〜あの2人は」、「今回も翔が1位かぁ」など当たり前のような雰囲気が出ていた
「ほらっ輝 早く行こ 欲しいものあるんだから」
「いーやーだー・・・・」
葵は俺を引きずりながら、教室を出ると教室から笑い声が聞こえた。