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第11話

 昨日言っていたように、俺は8時20分にコンビニの前で待っていた

 来るかわかんないけど、なんとなく来るような気がしたから

 すると、向こうのほうから人影が見え、こっちを確認すると走ってきた

 

「はぁはぁ・・・まさか本当にいるなんて・・」

「言ったじゃん。待ってるってさ。ほら早く行かないと本当に遅刻するよ」

 

 いつもと違う時間帯に出て、普通の時間帯のたった10分早いだけで、いつも学生がいっぱい歩いている道は俺と葵と他には2〜3人と時々自転車で走っていく学生がいるぐらいだ

 

「この時間帯ってすごい人少ないんだね」

「うん だから好き この時間帯」

「へぇ〜今も相変わらず目立つことは苦手なんだ。昔は俺か翔の後ろにばっかりいたもんな〜 あと怖がりなところも変わってないよな 葵って」

 笑いながら言うと葵が怒ったのか、睨んできて

「ふんっ!輝は相変わらずバカだもんね!授業中とかよく寝てるし!」

「バカって・・お前俺の本当の知力を知っているのか?」

「それじゃあ、そろそろテストがあるから勝負しようよ。英会話じゃ負けるけど筆記は上だもんね!もし全教科総得点で私に勝ったら、なんでもしてあげるよ!」

「テストか・・・いいよ まぁ俺が負けることは無いと思うけど、もし負けたら何か欲しいもの買ってやるよ」

 

 そういうことで俺は葵とテストの点数の勝負をすることにした

 葵は小4のときまで、俺と同じぐらいの成績だったし、容姿以外あまり変わったところがないから頑張れば勝てるだろうと俺は思った

 

 それでも不安を無くすため俺は授業をちゃんと聞き、テストに向けて頑張ろうとした

 その日のHRで先生が

 

「そろそろテストがあるが、気を抜くな〜 これ悪くしたら俺の評価が落ちるからな。がんばってくれ!」

 

 と言っていた

 先生の言っていることはよくわからなかったが、俺にとって葵との勝負で負けられない戦いでもあるので転入試験のとき並みに頑張ってやった

 

 

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 何日か経ってテスト初日、勝負の日が訪れた

「約束どおり、私が勝ったら欲しいもの買ってもらうからね!」

 葵が登校しているときに、言ってきた

「何勝つ気でいるの?俺本気でやってきたんだし負けないって」

 俺もそれなりに勉強してきて、点数の取る自信はある

 

 

 そして、テストが始まり、教室内が静かになり、シャーペンでテスト用紙に書く音だけが響いていた

 

 俺はテスト勉強をやってきたから、ほとんどの問題は書けた

 そして、2日・3日目とも同じような調子で問題を解いていけた

 

 テスト最終日の最後のテストが終わり、やっと勉強地獄から抜け出せた

 

「ふぅ・・・」

 

 ほとんどのテストは問題も解けたので安心して家まで帰っていると葵が話しかけてきた

 

「勝負の結果は来週ぐらいに発表だね」

「おう 結構自信あるよ 葵には何してもらおうか・・・」

「ふぅ〜ん んじゃ私は何買ってもらおうか、考えておくね」

「何勝った気になってんの 怖がりな葵さん?」

「な、ふん! 言ってなよ! 何買ってもらおうかな〜」

 

 俺と葵は帰り道をそんな話をしながら帰った

 すると、前のほうに別のクラスの女の子が立っていた

 そして、俺らを見つけるとこっちに来て

 

「あの〜北谷君ちょっと話があるんだけど・・・」

「はい?なんでしょ?」

 

 彼女は何やら顔を赤くしながら俺に話しかけてきた。

 葵は少し俺の後ろに下がって

 

「それじゃ私、先に帰るね ばいばい〜」

「えっ、あ、うん。じゃ」

 

 と言って走って帰って行った

 

 そして、顔は見たことあるけど、名前が解らない女の子は、俺にこう言った

 

「あの中村さんとは付き合ってるんですか?」

「え? いや付き合ってないよ 仲良いだけ」

 そう言うと女の子は安心したのか、深呼吸した

「あの北谷君 私と付き合ってくれませんか?」

「え?」

 

 俺は女の子が何を言っているか一瞬理解ができなかった

 

「いや・・・えーっとその付き合うって・・・俺と?」

「はい」

 

 顔を真っ赤にして、こっちをまっすぐに見ている

 

「え、えっと・・・・その・・・」

 

 ここから俺には記憶がない

 何を言ったのか、どうやって断ったのか、まったく覚えていない

 とりあえず俺は焦っていた。

 

 そして気がつくと告白してきた女の子は泣いていて

 

「ごめんなさい・・・話を聞いてくれてありがとう・・・」

 

 と言って走って行ったのは覚えていた

 

 

 


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