表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

91/105

居場所探し

 渡は焦っていた。

 魔力の残り香が消える前に、何としても何処に飛んだかを調べなければならないからだ。


「座標……座標は何処だ。紬に付けたマーキングは……」


 世界間を超えてのサーチだ。当然、消耗する魔力も激しいものが有る。なので、渡に残されている魔力残量からして、調査出来る時間と言うのは限られているという話になる。


「ちっ……此処まで魔力を追うのが大変だとはな」


 ぶつぶつと文句を言っても仕方の無い話ではあるが、文句を言わずにはいられない。

 何時もの冷静な渡は何処へ? と言いたくなるような渡の態度。もし紬が見たら呆れただろうか? それとも、珍しいと笑っただろうか。

 しかし渡には全く余裕が無いようで、冒険者時代でも無かったと言っても良いほど、魔力を無駄に消費しながら調査をしている……それゆえにタイムリミット自体も一気に短くなっているのだが、渡がそれに気が付く事は無い。


「違う! これは、違う世界と違う世界が繋がったラインだ……ってか、異世界間渡航多すぎだろう!?」


 調査して行くにつれ、割と異世界を渡っている者が多いと発覚。ただ、地球からや地球へというもの以外にも多く、もし今渡の状況が紬を探すと言ったモノで無ければ、その探求心に火をつけていただろう。


 しかし、今の渡にはそんなものに目を向ける余裕が無い。


「えっと……遭ったこれだ! くっそ、捻じれて曲がって混ざって離れてって、なんだこの魔力の異常地帯は!」


 どうやら世界間を渡る為にある通り道は、飛んでも無いほど魔力の渋滞を起こしている様だ。


「こんな状態で、よく世界を渡る事が出来たな! 普通に考えて漂流してしまうんじゃないか? って、紬にもその可能性が!」


 漂流していたとすれば、探しに行くのも更に大変になると考え、渡は紬の行く先を必死に追いかけた。

 魔力の海とも言えるその空間にある紬とのラインを、ドローン映像を見ながら追うかの様に。


 そして、数時間の後……渡は実に良い笑顔で一言。


「みぃつけた」


 渡は笑う。見つけられた喜びで、紬が漂流して居なかった事により救出が楽になるという事で……そして。


「へぇ……ふぅん……此処なのか。あぁ、よく知ってる場所じゃないか」


 奇しくも、紬を召喚した国が有る世界は、渡が神隠しで飛ばされた世界と同じ世界にある場所。


「これなら対処が楽だな。彼方の世界での魔力使用は慣れたものだしな」


 クク……と、実に狂暴とも言える様な笑みを渡は浮かべながら、紬救出の作戦を思考し始めた。

 が、渡は一つとんでもない事を思い出してしまった。


「やばい、まだ異世界間ゲート完成してなかったな」


 地球上のショートワープゲートは完成していたが、異世界を渡る為のゲートはそのショートワープよりも巨大な物が必要だ。

 そして、その素材にミスリルやオリハルコンが大量に必要であり……。


「弟君には悪いが、前に残しておいてくれと頼まれた物を鋳つぶすとするか……」


 どうやら、武の願いは此処に潰えてしまう様だ。

 しかし、それは紬の救出の為なので武も納得はしてくれるだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 行き来出来るなら、そのうち希少品も買い集められるから気にしない気にしない。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ