表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

89/105

無駄じゃないから

つむちゃんのターン。

 紬は現状について考えていた。


 A・今時分が居る場所は?

 Q・地下牢。


 A・何故このような場所に?

 Q・理不尽な理由で。


「うん、まぁ普通に考えたら詰んでいるよ」


 しかし、割と紬は余裕と言った雰囲気だ。




 そもそもの発端は、紬が元々教室へと忘れ物を取りに行った処から。

 そして、教室にはクラスメイトが三名ほど残っていたのだが……まぁさほど気にする事も無く、さっと忘れ物を回収して出るつもりでいた。


 だが、運命と言うのはソレを許してくれなかったらしい。


 教室内で摩訶不思議と言える現象が起き、眩しい! と思い目を瞑ってしまう。

 そして、その眩しさが収まったと思う頃に目を開いてみれば……其処は全く知らない場所だった。


 その時に紬は思った(あぁ、ラノベ見たいな状況ってあり得るんだ……あ、でもよく考えたら渡の存在がラノベじゃないか)と。

 普通なら慌てたり正気を失ったりするような状況だろう。だが、紬は渡の件が有ったので割と冷静になる事が出来、周囲を確認する余裕すらあった。


 そして例によって例の如くお決まりと言える定型文。


 王様らしき人が、「勇者よ助けて欲しい!」から始まり「魔王を倒さねば帰る事は出来ぬ」と言う言葉。

 紬は(あーあるあるだなぁ……で、大抵このパターンって国も悪い方なんだっけ)と、なんとも落ち着いた様子。


 しかし、一緒に飛ばされてきたクラスメイトA~C達は違う様で……。


「勇者だって! 異世界チートktkr!」

「よっしゃー! 俺が主役だろう!」

「ちょっと、二人とも少しは落ち着きなさいよ」


 と、随分乗り気な様子。そして、この時点で紬は既に様子がおかしいと判断した。


 確かにラノベなどでは、物語をサクサクと進める為にもある程度物事を端折る。

 異世界に転移して来た〝地球の常識〟が有る学生が、ゲームの世界だ! チートだ! と、思考停止で喜ぶだろうか? いや、現実的に考えてソレは無いはずだ……と、紬は分析。

 そして、これってもしかして思考を鈍らされているのでは? という考えに至り……なるべく怪しくない行動をとろうとしたのだが。




「ま、それを考えた事すら僕のミスだったって事かなぁ」

「何をごちゃごちゃ言っている」

「ん? また来たのかい? 僕は考えを変えるつもりは無いよ」

「ふん! 助けなど来ないと言うのに無駄な努力を……お前はさっさと我らに頭を垂れて軍門に下る……いや、殿下の愛人にでもなれば良いのだ」

「お断りだね。こんな誘拐犯の巣窟とか反吐がでるよ」

「……その強がりがいつまで持つかな」


 紬は強気だ。それもそのはずで、何故なら渡が助けに来てくれると信じているから。

 そして、その準備をして来た過程を側でずっと見て来たのだ……間違いなく渡はこの世界に来て、紬を連れ地球へと戻れる。

 その確信が、紬の心が折れない軸となっている。


 そして、そんな紬に対して、紬を説得と言う名の心を折る作業に来た兵士は面白くなさそうな顔をした。

 本来であれば拷問なりなんなりするのだが……紬もまた勇者召喚によって現れた人物であり、今は下手な真似が出来ない。何故なら上の人間に止められているから。

 止め手られている理由は簡単だ。他の召喚された者に悪影響を与えかねない為。


「そっちこそいい加減諦めたら? どうせすぐ助けが来るんだから」


 一体何処からその様な自信が来るのか、兵士は不思議に思うが……考えても思いつかない為に、子供の無駄な虚勢だと判断。

 碌にその内容を聞く事無く、彼は紬の前から去って行った。


「さて、渡早く来てよ? 僕は十年待てたけど、この状況だと十年も待つ前に殺されかねないから」


 不安になりそうな言葉をつぶやく紬だが、その表情はなんらマイナスの感情を含む事無く、笑みすら浮かばせていた。

信頼が重すぎる(´゜д゜`)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ