ロケット的な何か
リビングにて休息の時間。
それは、鏡宮家において渡が帰還してから設けられた皆で集まり、駄弁りながらまったりと過ごす時間だ。
当然だが、その際にはテレビなりゲームなりも同時に楽しんでいる。
そして、弟の武がテレビに映し出されているアニメを見て、ふととある事が気になった様だ。
「なぁ兄さん……こう、魔法で〝ロケットナックル〟って再現出来る?」
そんな発言と共に、テレビにはとあるロボットが拳を飛ばして敵を撃破しているシーン。
当然質問された渡もテレビに目線が行き……あぁ、と何やら納得し実際に出来るのだろうか? と想像してみるのだが……。
「武よ……そもそも、人間が腕を飛ばしたらグロテスクでは無いか?」
「あ……」
腕を飛ばして攻撃するのだ。当然人間がそれを行えば、肉が! 骨が! 血管が! 流血がぁぁぁぁ! と、飛んでも無い映像になる事に間違いはない。
「いやいや!? 別に腕を直接飛ばさなくてもほらこう……腕に付ける装備とかは?」
「む、ガントレットか……」
渡はイメージする。
ガントレットを装着し、グッと拳を握りしめながら前へ腕を突き出し……と、その時点で無理が有る事に気が付いた。
「武無理だ。握りこぶしを作れば当然だが、ガントレットを飛ばすとき指が邪魔をして飛ばせない。自分で拳を作ってみろ」
「あ……」
にぎにぎと手を動かしながら武もその状況を想像した。どう考えても、飛ぶ前に握り込まれて手がガントレットを放そうとしない。
「な、なら貫手ならどうかな」
「ふむ、こうか!」
シュッ! と、渡は指を真っ直ぐに伸ばして突き出す。
これならば、確かに装着したガントレットを飛ばせるかもしれない……しれないのだが。
「しかしこれだと装着するガントレットが緩み違う弊害が出そうだな」
ある程度遊びの空間は必要だろう。だが遊びが有りすぎるのもまた問題。そして、スムーズにガントレットを飛ばそうと思えば、かなり緩くガントレットを装着せねばならなくなる訳で。
「防御力に不安が残る」
「そ、そっかぁ……なんか残念だなぁ」
技として飛ばそうとしていない時でも、勢い余ってスポーンと抜けてしまっては装備する意味が無い。まぁ、一時的に相手の虚を突く事は出来るかもしれないが……。とは言え、そんな事が何度も通用するはずも無い。
「ま、人がやる分には無理だろうな」
そう言いながらも、渡は脳内に違うイメージを作り出していた。
人が出来ないならゴーレムでやれば良いじゃない! と。とは言えそれを武には言わない。理由は単純、何時かゴーレムを作り出して直接見せて驚かせてやろうと考えていたりする。
思わず笑みを浮かべる渡だが、その表情を武にみられ「何笑ってるの?」と突っ込まれるのだが。
それにしてもこの兄弟。随分と仲が良くなったものである。
因みに、この会話を聞いていた父の修一は「無理……だと……」と、かなり落ち込んでいたとか。
ただしその落ち込みを見たのは母の奈々だけであり、奈々はそんな修一を何と言って慰めたら良いのだろう? と随分悩んだとかなんだとか。
某ゲームをしながら、構造的に飛ばした後どうやって戻って来てるのだろうか? と悩んだ時期が。
正直、ワイヤー付けて巻き戻ししないとどこ行くねーん!! ってなるジャンとか思ってたのは良い思い出。
魔法なら全部一発で解決出来そうです(≧▽≦)




