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蟠りが解けた後

 兄弟間の亀裂も有る程度埋まり、今では武の勉強を渡と紬が自分達の宿題などをしながら手伝う。そんな光景が鏡宮家のリビングで見られるようになった。


 ただし、その内容は新たな歪みでも生まないか? と思うような部分も多々あるのだが。


「武……また微妙に間違ってるぞ」

「うーん単純なミスが多いね」


 と、二人に細かく指摘される武。しかし、それぐらいならまだ普通と言えるレベルの内容だ。

 問題と言える部分は、武に音楽の練習だ! 製図だ! 工作だ! と、どうしてそうなった? と疑問の思える様な内容にまで、その魔の手が進んでいる事だろう。

 音楽であれば一音外せば、製図であれば一ミリ以下のミス、工作ともなると僅かな歪みすらも許されない。何だこれはと武が思ってしまうのも当然と言える。


「な、なぁ……これ別に受験勉強に必要じゃないよな?」

「む? そうか? そうでもないと思うぞ」

「どこが!?」

「ほら、声を上手く出せるなら面接に有利だろう。製図や工作の様な精密な事が出来れば、それだけ正確にモノを行えるというものだ」

「だよ。行動にも反映されるから」


 バグっている二人に最もなモノと思わせられるような事を言われる。だが、ソレは別に当然でも無い。ただの屁理屈でるあ。

 とは言え、この二人は片や魔法チートと言えるバグ野郎。片方は現実逃避の為に様々な物事に鬼となって没頭。そんな二人だ……一般的な〝普通〟とは少々、いや、随分と違うと言っても良い。


(紬さん、渡兄さんの事を常識が無いって突っ込んでるけど、貴女も相当だよ……)


 ある意味お似合いなのでは? と考える武だが、彼等の魔手が武から離れる事など無い。


「ほら、手を止めるな。魔法を使いたいなら手先が器用じゃないと厳しいぞ」

「絵や書の技術も必要かな」

「……って、何時から魔法の話に!? 受験だよね!!」

「……受験勉強だよな」

「……異世界ジョークとかそんなんだよね? 間違っても本気じゃないよね?」


 すっと目を逸らす渡。そんな渡を苦笑しながら見る紬。どうやら武は揶揄われた様だ。

 とは言え、此処数時間ずっと張り詰めた空気でペンを握っていたのだから、少しは休息が必要だろう。そんな訳で肩の力を抜くように渡が慣れないボケを……と言う流れのようだが。


「それでも、音楽とか製図とかやらなくても良いと思う……」


 ともあれ、実際にソレをやって居る時間は数十分程度だったりするので、思考をリセットさせる為に他の事をと言う事なのだろうが。

 別にそれなら、普通に本を読んだりゲームをしたりで良いじゃないか! と思わなくも無い。


 とは言え、武がその事に気が付く事は無さそうである。

 ただ一つ言えるのは、武の学力がソコソコ上がったと言う事実が有ると言う事だろうか。

遊ばれています。

でもしっかりと面倒と言うか勉強もみてくれています。

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