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53/105

くだらない

 面白くない。教室に居る彼等の気持ちはその言葉に尽きるだろう。

 彼等とは? 言うならばこのクラスで好き勝手やりたかった学生達だ。

 それは、見た目が良かったり、スポーツ万能だったり、ちょっと不良チックと……まぁ、俗に言うカーストの頂点を故意的に狙っていた者達。


 だが、クラスに渡達が居た事で自分達が目立たない! という事態。実に面白くない話なのである。


 とは言え当の本人である渡達はと言うと……他のクラスメイトなど知らぬと言った態度。

 別々のクラスになってしまったメンバーも居るのだが、昼休みには六人で集まり登下校も六人で。とは言え、ずっと六人で居ると言う訳では無く、それぞれのクラスでそれなりの友人関係は築いている模様。


 ただ、其れとは関係無しに、渡と紬に至っては同じクラスになっている上に常に共にいる状態で、それがまた絵になるのだから……見てる側としては思う処があるというもの。


 彼等の感情、それは言ってしまえば完全な嫉妬による逆切れである。

 何せ渡達が率先してクラスで何かをやって居る訳では無いし、誰かを嵌めようなんて真似もしていない。何せ自分達の世界を創っているだけだし。


「ちょっと調子乗り過ぎじゃない?」

「だよなぁ〆るか?」

「いや、あいつのガタイを見てみろよ……あれ、どうにか出来るか?」


 と、完全に逆恨みも良い所なのだが、彼等にとっては目の上のたん瘤。如何に下克上をするか! と言う妄想に囚われてしまっていた。


「んー……女子をやるか? もしくは他のクラスの奴」

「女子は難しくね? 常にあいつが付いてるだろ」


 因みに言うと、渡のクラスで一緒になったのは、紬以外だと紬の友である霞と子犬君。運良くなのか四人はどういう訳か固まる事が出来た。まぁ、何か裏が有りそうだが……それはさておき。


「他の奴って言っても、男子二人でそいつらも常に組んでるだろう?」

「数で押せば何とかなるんじゃね」


 相談事がどう考えても犯罪と言っても良い内容である。


 ただ、彼等は実に不運であった。何が? 普通の人であれば彼等の会話など聞こえていない。周りは煩いし、かなり小声で会話をしているからだ。


 しかしターゲットの中には渡が居た。不穏な気配を察知し警戒度を上げている渡がだ。

 そして、その渡には彼等の密談が確りと聞こえてしまっていて……。


「馬鹿な事を考えている奴等も居たもんだ……とりあえず、連絡網で注意するように言っておくか」


 最悪自分が、彼等の行動に楔を打ち込めば良いだろうと考えながら……。


 ただ、そう考えた時に少し魔力だか気配が漏れたのだろうか……ほんの少し威圧的な空気が周囲を支配。

 そして、ソレに一早く気が付いた紬が渡に「メッ!」と言う視線を送った。


 とは言え、時すでに遅し。一瞬であった威圧だが、クラスメイトを震え上がらせるには十分なモノで……得に、今密談して居た者達は、あわやズボンを濡らしてしいそうになって居たりする。が、間一髪だったのだろう、何とか我慢しダッシュでトイレへと駆け込んで行った。




 そして紬はそんな彼等を他所に、渡を見ながら今の出来事を考える。


(はぁ……何が有ったか知らないけど、渡が怒るとかよっぽどだよね。でもソレはソレ。後で渡には理由を聞くけど注意はしておかないと!)


 まだまだ渡は感覚の制御が甘い。やはり彼方でやって来た事が体に沁み込んでいて、こういった時にはどうしても異世界時の渡が顔を出してしまう。

 なので紬はグッと力を入れる。此処で確りと渡に言っておかねば! と。

 現状まだ致命的なミスをしていない。して居ないが、このままいけば何時かはやってしまうのでは? と思えてしまう。だから紬は心を鬼にして渡と接するのだ。……例えソレにより、男女の青春が遠ざかるとしても。

人が集まると派閥を作ったり、マウントを取ろうとする人が出てくるのは当然ですからねぇ……。

正直、身内でやって周囲を巻き込まないでくれと思うですけどね。中々に難しいお話で。

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― 新着の感想 ―
[一言] 下手に止めたりせず威圧に呑まれて盛大にお漏らしして恥かいた方がクズ共の将来のためだったかもしれん
[一言] 「馬鹿な事を考えている奴等も居たもんだ……とりあえず、連絡網で注意するように言っておくか」 こういう不法行為を全く疑問を持たずに実行しようと思うものは、歳を重ねたらより凶悪な犯罪を実行する…
[一言] 進学したばかりの状態で、こんな悪巧みをするとは退学に成りたいんだろうか(笑)
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