とても目立つようです
高校に進学してから少しの時が経った。
そろそろ新生活にも慣れ始めたのでは? そう感じる様になる頃、渡や紬達もまた新しい生活に……。
「ねぇ、僕少しイライラするんだけど」
「こう見られているとな……解らなくもないが」
見られている理由其の一。
それは紬の容姿だ。明るい色の髪に瞳と言うのは嫌でも人の目を惹く。そして、紬のソレは天然の物である為に学校側も注意のしようが無い。しかも本人は結構良い見た目。
であるのに、さらに個性的な〝僕〟と言う一人称。実に個性が有りすぎると言っても良いだろう。
理由其の二。
渡の鍛え上げられた体。これが制服の上からでも分かってしまっている。
そして、そんな渡からは得体のしれない雰囲気まで。言ってしまえば退役軍人かな? と思えてしまう存在感。これ、気にするなと言う方が無理な話だ。
理由其の三。
そんな二人の周りを、気にしないというか物凄くフレンドリーに接している四人が居る事。
え? 怖くないの? とか、もうお近づきになったの!? などなど、それぞれ胸の内にあるモノは違えど、その四人に対して何かしらの思いを感じているのは間違いない。
そう、中学仲良し六人組は新しい高校で目立ってしまっている。
「絶対これは鏡宮君の気配が問題だよ」
「いやいや、其処のワンちゃんが尻尾振って後を追っているのもあるだろう?」
「ふっふーん。俺のカッコよさに皆が視線を送っているって事だ」
「「「「「ソレは無い」」」」」
「おぅ……全員で否定しなくても良いじゃないか」
若干一名が調子にのって自爆したが、それ以外は大抵間違っていない。
とは言え、やはり一番気になるのは渡と紬の異常さだろうか。
「うーん……アレを使って欲しくなるね」
「おいおい、ソレは紬や父さん達が禁止しただろう」
アレやソレとは何か。魔法の事で、その中でも認識障害の事を指している。
とは言え、そんなアレやソレで通じ合う二人の距離感はやはり目につくものがある訳で。余計に目立ってしまっていると言う訳だ。
因みに、この状況が割とこの数日の日常になってしまっている。新生活には慣れてもこの状況には慣れていない様だ。むしろ、新生活に慣れ周りに目を向ける事が出来る様になった事で、余計酷くなったかもしれない。
「はぁ、早く他の事に目を向けて欲しいよ」
「これ以上目立つ訳にもいかないからな……此処は我慢するしかないだろう」
もう遅い気がするのだが……これ以上酷くしない為にと心を砕く渡だが、何やら波乱でも起きそうな高校生活だなと感じてしまうのだった。
威圧感が半端ではない様です。




