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ゑむ

 少し前に終わらせた入学試験。

 この世界において結果発表は、全て学校のホームページにアクセスしてのチェックとなっている。

 ポチポチと自分受験番号を入力し、合否の結果を見る。すると其処には……。


「ま、当然と言えば当然か。うん、渡のは合格だったね」

「そう言う紬もだろう? あいつ等はどうだったのだろうな」


 一昔前であれば、学校に直接行き皆で受かった! だの、受かって無かった……だのと反応があちらこちらで見る事が出来たのだが、今では感動の共有など殆ど行われない。

 何故か? それは色々と重なったからとしか言いようがない。

 様々なモノのネット化! と、騒がれその波に乗ったと言うのも有る。そして、そんな波が来るか来ないかと言った時、受験に失敗した人が大騒ぎした何てニュースもあった。

 要因を挙げて行こうと思えば、其れこそ無数にあるだろう。とは言え、様々な情報においてネット化が特急と言っても良いレベルで整備されたのは間違いない。選挙しかり、買い物しかり、お金のやり取りなども……。


 とは言え、コレだけの事を行えたのは技術的革新があったからなのだが……ソレは別の話なので棚の上にでも上げておこう。



 ともあれ、二人は合格した! と言う情報を共に並んで確認した。そして、あーでもないこーでもないと話をしていく。


「んー、僕としては学校の距離的に電車でなくても良いと思うけどね」

「自転車だったか? だが、ソレは結構規制が厳しいと言っていなかっただろうか」

「あー……そう言えば、自転車もそろそろ免許制になるって言ってたような……」


 様々な条例をつくれど、それを平然と破られる。

 ならばとお上は自転車にも公的な免許を必要にするべきじゃないか? と動いているらしい。らしいと言うのは、マスコミが嗅ぎ付けたのか、ただ騒いでいるだけなのか解らないが、そういった話があるとテレビで流れていたから。


 正直、お子様すら乗る自転車に免許ってどうするんだよ……と言う話ではあるが、お年寄りの自転車にまつわる恐怖体験、若者の暴走? 行為。明らかに重量過多だろう! と、荷物をカゴや後輪の上に積み上げる人。

 結構危険だなぁ……と言う物は多い訳で、そういった話が出ていても何ら可笑しくは無いのも理解は出来る。


「ただ、僕達学生には大ダメージだよね。下手に免許制になったら、学校が自転車登校禁止! なんて言い出すかも」

「ソレはソレで無茶がある気がするけどな」


 流石にソレは無いだろうと思う渡だが、割となんでこんなことが禁止なの!? と思うようなものが作られるのはよくある話。

 携帯電話なども、出た当初は学校に持って来る事すら禁止だった所もあった。と、紬はそんな話を聞いていた為、無くは無いんだよなと思ってしまう。


「ま、距離的には歩きで「いやいや、ソレは君だから出来る話だよ」も……って、そうか?」


 別に通えない距離では無いが、渡の体力はオバケだし移動速度もファントムと言っても良い。

 では他の人は? うん、普通の学生だ。彼等が通う予定の学校は距離的に徒歩では厳しいが、自転車なら楽と言ったレベル。なので、誰も渡みたく徒歩で良くなど考えるはずが無い。良くてバスだろう。


「んー……とりあえず、自転車で良いと思うけど、もし免許が必要! となったらバスとかになるかな」

「割と面倒な話だな。転移魔法だったらさっくり行けるというのに……」

「……ゲートって便利だよねぇ」


 結局この二人の会話の締めは〝魔法って便利だよな〟となる。まぁ、使用できる渡が居る以上、その思いは実感が籠り過ぎている……が、使用出来ないんだよなと言う事が実にもどかしい。




 とは言え、二人はこの後電話で他のメンバーも合格した! と言う連絡を貰い一気に気分を喜びのソレへと変える。

 そして、家族が帰って来てからその話をし、両親達が皆でパーティーだ! と騒ぐのだが、その時には色々考えてたのが嘘の様に、バカ騒ぎに参加し笑みで溢れた時間を過ごす事となる。

さくらさくぅ。


この世界の発表はかなり早いと理解してもらって構いません。

何故なら全てがデータでさくっとポン! ですので。技術が微妙に高いのです。試験後一週間以内で採点も発表準備も終わらせてしまうような世界。

面倒な手続きもネットでポーンですポーン! と、まぁ、ソレは渡が帰還した時の警察の対応でも出た話でしたね。直ぐに親がみつかーる(≧▽≦)

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