表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

43/105

試験にまつわるお話

 三年の三学期。それも一月と二月と言えば入学試験の真っ只中。

 テストが上手く解けた! あのテストは全く解らなかったなど、沢山の学生が悲喜交交といった具合で入り乱れる。


 そんな中、渡と紬はと言えば……割と余裕と言った表情。

 まぁ、渡に関して言えば、こんな時期に山へ調査をと探索するぐらいだ。……もしかしたら、受験戦争の重要性を理解して居ないのかもしれない。


 とは言え、この二人の余裕は何処から来ているのか? いや、二人と言うより紬のだが。

 それは、二人が少々ランクを落として、そこそこと言える学校の受験をしたから。

 何故そんな真似を? と思うかもしれないが、正直渡の状況を考えれば、下手に高ランクを狙うよりも自由度があり、紬がフォローしやすい。そんな学校の方が良いと選んだ。……後は、友人達と一緒に行こうぜ! 的な感じだろうか。まぁソレは一割から二割程度の理由だが。


「でも良かったの? 紬ちゃん達ならもっと上も行けたと思うんだけど」

「んーでも、家から通える場所でって考えるとね。……ソレに渡の事を考えると」


 霞の質問に紬は家に近い方が良い! という建前を言う。そして、後半ぼそりと一番の理由を呟いたのだが、まぁそれは誰にも聞こえてはいない。


「あれ? 何かぼそっと言った?」

「ん? かすみんの気のせいじゃない? とにかく僕達はさ、無茶しない程度に楽しめるのが良いと思ったんだ」

「ふぅん……あ、そうか! 二人で色々遊びに行ったりしたいって事だ!」

「ち、ち、違うから!! そんなんじゃないよ!!」


 霞が私気が付いちゃいました! と言いつつ顔がニヤニヤ。そして、紬は違う違う! と全力否定。……その様な紬の態度が肯定をしている様にしか見えないのだが……。

 実際は、それどころじゃなくどうやってフォローして行こうだとか、ラノベみたいなクラス転移が起こるのかという心配をしていたりする。

 後半について、ソレを心配するのはどうかと思うのだが……渡との会話や渡が悩んでいる姿を見て色々と考えてしまう様だ。


「それで、皆は試験どうだったんだい?」

「よゆー! よゆー! 紬ちゃんに教えて貰ったお陰かな!」

「それは良かったよ! で、男子諸君は?」

「あー……俺はまぁ、そこそこかなぁ?」

「あずま、君と言うやつは。あ、因みに自分は完璧」

「ぼ……僕はちょっと自信があるかな」


 お調子者の東はソコソコ。そんな東に突っ込み担当の西野は合格間違い無しと言った態度。なにやら眼鏡をクイッとやっている。

 そして子犬系な北上は「ちょっと」などと言いつつ、その表情は晴れやかだ。


「ふむ、やはり皆で勉強をしたのが良かったのだろう。俺は三度程見直す事が出来たな」


 アンタはチートのリード魔法があるから余裕でしょ! と突っ込みを入れたくなる紬。だけど、それをここで言う事は無い。公衆の面前だし。なので、目を軽く細めて渡を睨む。


「ん? 紬どうしたんだ? そんな目を細めて」

「いいえーなにもー」


 みんなで頑張ったでは無くチートのお陰だ! と言う抗議は渡に通じていない様だ。更に紬の目は細まりジト目になる。


「紬が謎の行為をしているが……ま、全ての試験は終わった様だしな。後は結果待ちと言った処か」


 入試について。各々の手ごたえを話をしながら帰宅。そんな彼等の足取りは意外と軽かった。

さくっと終ってしまう試験w

まぁ、伸ばす理由は有りませぬし。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ