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あけまして

時間が少しだけぴょん

 イベントラッシュ。そんな年末だが、受験生である渡達にとっては無関係のもの。

 彼等の学力を考えれば、大丈夫ではあると思うがイベント期間に遊ぶと言うのは、普段遊びに行くよりもやはりどうかと思うもの……まぁ、他人の目がというやつだろう。

 という訳で、そういったイベントはひっそりと過ごす。それこそ、本場宜しく家族だけで。


 とは言え、何もしないと言うのもどうかと思う訳で、ソレならば年始ぐらいは! と、元旦のみ、それも初詣ぐらいはしておこうと言う流れとなった。


「恐ろしく人が多いな……まるでダンジョンが崩壊した時の様だ」

「あはは、確かに多いよね。でも、クリスマスとかの街中も割とこんな感じだよ」

「なんと、この世界では人がスタンピードを起こすのか……恐ろしいな」


 渡は知らない。スタンピードならほぼ毎日起きているのだと言う事を。

 スーパーの特売、開店セール、アイドルのコンサート……例を挙げれば限りの無い話だが、あの場に居る猛者達は正しくモンスターや冒険者と言っても過言では無い気配を発している。

 その為に、帰還したタイミングが受験生と言うのは皆にとって功を成したのだろう。もしそうでなかった場合、渡はもっと街中へと出歩いていた。と言うか紬達により連れ出されていた。

 そして、その際に覇気とも言える気配を漂わせる存在達が居る場所に行こうものなら……渡は反射的に魔法を使って居た可能性すらある。実に運が良かったと言えるだろう。


「恐ろしい程人が居ると聞いて覚悟しておいて良かったな……これは少々警戒してしまう」

「だね。ソレに中にはスリを行おうと狙ってる人とか、痴漢や痴女なんてのも出るそうだから……」

「なるほどな……この楽し気な気配の中にある異質なモノはそういった類か」


 そして、今回運が良かったもう一つの理由。それはこの場に居る者達に戦うぞ! と言う意識が無い事。

 そりゃ、参拝で並ぶのと特売品をゲットする為に並ぶのでは、同じ待つでも意味が違うと言う物だ。寧ろ、同じ扱いにしたら神様に対して失礼だろう。




 並ぶ列も捌け、渡達も無事に参拝し、折角なのだからと受験の祈願に絵馬やお守りにおみくじと、ある意味神社を満喫。

 途中、紬に色目を使うような男や、渡の鍛え抜かれたからだにドキドキするような人達は居たものの、二人の仲の良さに入り込む余地など無く、遠目から眺められる程度で済んだのは流石神様のお膝元とでも言うべきだろうか。


「そう言えば、家族と逸れてしまったな」

「全く……皆して迷子になるなんてどういう事だよ」


 等と言ってはいるが、別にこれは渡や紬が迷子になった訳でもないし、かといって家族が揃って逸れたと言う訳でも無い。

 ぶっちゃけ、両家による策略なだけだ。言ってしまえば「二人で仲良く楽しむのよ!」との事。実に愛されている話である。


 ただその際、渡側の家族は……何かあった時に渡が魔法を使ったりしないか少々心配になったのだが……それは普段無意識で魔法を発動している渡の行動が悪い。

 とは言え、紬と言うストッパーも居るのだ、最悪な事にはならないだろうと考えてはいる。

 そして、その予想は周りの状況が良かったと言うのも有るのだろう。外れる事無く無事に二人は神社を楽しむ事が出来た。



 しかし……彼等は参拝を無事に終えた事で気が緩んでいたのだろう。

 まさか帰宅中に思わぬ出来事と遭遇するとは思いもしなかった。


 デーーーーーン! と、両家の中心で仁王立ちをする男。


 そんな男が渡達に大声で声を掛けて来た。


「漸く帰って来たみたいだな! 出かけるならそうと連絡を入れておいてくれ! 鍵を持って来ていなかったから家に入れなかったぞ!」


 そう叫ぶのは紬の兄である隆一。

 しかし、そんな兄の視界に渡の姿が入ると……彼は獰猛とも言える目を渡へと向けた。

学校行事関連も、こんな時期の転向と言う事で一定の配慮がなされていて……。


と言うよりも、それらの話は高校編が良い! と言う作者の裏事情があったり(まて

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[一言] 野生の兄Aが現れた!
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