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クラスメイト

 学校において、渡は基本紬とべったりだ。

 学校と言う物を理解して居なかったと言うのも有るが、こんな時期に転校して来て仲良くなる……と言う前に忙しいと言うのが先。


 と言うのは建前で、基本的にクラスメイト達は渡と紬の関係を生暖かく見守っているだけに過ぎない。

 中には、何時正式にくっ付くのか! と賭けをしている者も居る。


 とは言え、何時までもその関係のまま……と言う訳にはいかないだろう。何せグループで行動する事なども有る訳だから。

 渡はそういった行動を経て、紬以外にも男子の三名人ほど特に仲が良くなった人たちが居た。そして、紬と常にと言う訳ではないが、一番仲がいい女の子もついて来ることが多い。


「鏡宮! この一撃で沈むが良い!」

「む……此処は回避だ。ダイスロール」


 やって居るのはTRPG。内容はとあるミッションをクリアする為に皆で協力する……が、実はそれぞれ他のミッションを影で受けており、お互い裏で妨害し合うと言うもの。

 ただ、若干一名全くこっそりとせず正面から攻撃を仕掛けて来ているのだが……まぁ、それもまたこのゲームの楽しみ方と言う物だろう。


「いやぁ……まさかこうして遊ぶ時間が有るとは」

「勉強の合間に~と、どう考えても合間にやるゲームじゃないけどね」


 男子四人と女子二人。放課後の教室で卓上遊戯を楽しむ。因みに男子三人は自然と集まった者達。女子は紬の親友だ。


「それにしても、あずまは毎回特攻して来るよな」

「そっちの方が楽しいじゃん」


 (あずま)と呼ばれた男子生徒、名前は陽一(よういち)。彼は先ほど渡にダイレクトでアタックを仕掛けた、このメンバー一のお調子者。

 そして、そんな東に突っ込みを入れる役割なのが、男子の内の一人である西野 楓(にしの かえで)で、実は名前が女の子っぽい! と親と口論になった事があるとか。

 もう一人の男子はと言うと、少し控えめなタイプの子犬系の北上 健太(きたかみ けんた)で何気に女子から小動物扱いされていたりする。名前が〝けんた〟と発音するからだろうか、わんちゃんなんて呼ばれる事も有ったり?

 最後に、紬の親友はと言うと春名はるな かすみと、眼鏡が本体です! と公言する様な文学少女だったりする。


 渡と紬を合わせ、合計六人のPT。

 しかし彼等が集まったのは……偶然などでは無かった。ぶっちゃけると、クラスメイト達が裏で話し合った結果、彼等三名が渡と接触すると言う話になったそうだ。因みにこの企みには紬も参加している。


「うんうん、やっぱり皆でやると、勉強も遊びも捗るよね」

「だなぁ……そうだ! 鏡宮、こんどゲーセン行こうぜゲーセン!」

「む……ゲーセン?」

「あれ? ゲーセン知らね? ゲームセンターの事だけど。えっと、沢山のゲーム機が置いてあってお金を払えば遊べる場所だな」

「ほう、そんな場所が……養生で田舎暮らしだったからな、そんな場所に行くことが無かった……ふむ、興味深い」


 あぁ、そう言えばそうだった……と渡を見て納得する。

 しかし、若干一名、あ! そう言う設定だった! と、渡のバックストーリーを度忘れして居た者がいたが、口にも顔にも出して無いので大丈夫だろう。


「なら、時間がある時皆で行こうぜ! まぁ、そんなに遊べる時間は……勉強しろって親がうるさいから取れないと思うけど……」

「息抜きに1~2時間ぐらいなら……問題無いかなぁ」


 と、実にわいわいと楽しくやっている。そんな姿に紬はほっこりとした気分になった。


(良かった。渡が普通に他の人とも接する事が出来てるよ)


 若干怪しい所も有るのだが、クラスメイト達の助けもあり、渡はクラスに溶け込む事が少しは出来ている様だ。

広がれ! 友達の輪!!


と、モブキャラに名前が(´-ω-`)

他のクラスメイト達も、彼等の行動をみつついい感じの距離で関わっています。えぇ、悪いクラスじゃなくて良かったね! というお話。

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― 新着の感想 ―
[一言] しかし学校内で、TRPGなんてディープな遊びにさそうかね? 謎の団体のやつらと合わせて、かなり陰キャ扱いされそう
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