嘘だと言ってよ!
渡と紬の発言により、自らの大義名分を無くした彼。
そんな彼は、今魔女裁判の如く同志と言える者達から吊し上げにあっている。
「お前の所為で教師に目を付けられたじゃないか!」
「あの男を女神から離す事が難しくなったじゃない」
ああでもないこうでもないと、ただ一人を徹底的に口撃。
ただ実際の事を言うと、ファンクラブが崩壊した際、既に教師には袂を分けたもう一つのグループより情報をリークされているので、彼が行動する前から目を付けられていたのだが……。
そんな事は露知らず。
彼等は自分達の都合のいいスケープゴートだと言わんばかりに、撃退された男をターゲットにした。
「私の考えたトラップが使えないじゃない!」
「あいつの箔を落とすどころか上げちまってるしなぁ」
渡をフルボッコにするなんて案も有ったが、戦闘により鍛え抜かれた体は制服越しにも確認出来るもので、直ぐにに廃案になって居たり、渡の過去を調べ上げ、悪質な噂を広めようとするも……まぁ、出てくる情報何て無い。これまた、早々に考え直す事となった。
と、この様に考えられる手の殆どが使えないモノばかり。
そんな中でのこの失敗……からの周囲の目による監視状況。イライラするのも当然だろう。
「お前が! 失敗さえ! しなければ!!」
ビシッバシッとでも折檻の音が聞こえそうな雰囲気だが……まぁ、手は上げていないだけ良心的だろう。
ただし、彼は現在進行形で、ファンクラブのトップである女性に踏みつけられていて……何処か満悦と言った表情で……ドMなのだろうか。
とは言え、口では必死に謝罪している。いるのだが……恐らく振りだろう。
「誰か! いい案は無いの!! この馬鹿みたいな特攻なんかじゃなく!」
グリッ。少年を踏んでいる上履きに力が籠められる。
そんな姿をみて、数名開花したような反応を見せている様だが……それはそれ。
「ありません!!」
「だまらっしゃい!!」
正直に無いと言い、黙れと頬を軽くはたかれ……ありがとうございます! と返す者も出始め。うん、もうこのクラブは駄目かもしれない。
そして、そんな集まりを目の当たりにしてしまった教師が居たようで……。
その教師は頭を掻きながら「嘘だろ……問題だらけじゃないか!」と嘆いたとか。
更に言うと、その問題の中心だったはずの渡と紬だが、今はクラスの中心でクラスメイトから、色々と質問の応酬を受けていたりしており、その時に答えた内容が更に、この狂信的なグループに突き刺さっていく訳で。
遠くない未来、特定の人達を残してこのファンクラブは空中分解するのではないだろうか? いや、分解した方が全ての人にとって幸せな結果になる。
新しい目覚めのグループとして、ほそぼそと活動した方がきっと彼等の為になるだろう。
サブタイは先生の叫び。
きっと、更なる不毛な大地が出来上がったのでしょう。




