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無駄なんだよなぁ

 暗躍しようとする紬の信者ファンクラブ。そしてソレを阻止しようとする見守り隊。

 彼等の動きは遂に表へと現れ始めた。


「鏡宮君。君が宮入さんに頼る事で、彼女に迷惑が掛かっていると思わないのか?」


 帰宅の為にと下駄箱にて靴を履き替えている渡に、突如としてそんな声を掛ける者が居た。

 そして、そんな声を掛けた主は、紬が渡に対して「教室に忘れ物取りに行くから、先に靴を履き替えておいて」と言ったのを聞いて行動をした。実にズルい奴である。


 しかし、渡は渡でそんな相手に「で?」と言った態度。


「俺の事を知っている様だが、そもそも君は誰だ。まずは自己紹介という常識すら習わなかったのか?」


 常識外れの渡に常識を指摘される。何とも間抜けな話だが、その言葉はどうやら相手を逆撫でするのには十分だったようだ。


「そ、そんな事はどうでもいい! 彼女が迷惑を受けていると言っているんだ!!」


 はっきり言って、何を言っているんだこいつ? と言う空気がこの場一体に流れた。

 しかし、吠えている本人はそんな空気を全く感じ取ってないのか、まるで子犬がきゃんきゃんと騒ぐかのように喚き散らしている。


「いつもいつも、君は宮入さんに質問をしたり、フォローして貰ったりと随分彼女の手を借りているじゃないか! 彼女は嫌がるそぶりすら見せずに手伝ってくれている様だが、間違いなく彼女の時間を奪ってるんだぞ!」


 だからどうした。ソレはお前が言う事じゃ無いだろう。と言う話なのだが、身勝手な正義感と言うのは周り処か自分すら考えていない。

 兎に角これが正しい! と決めつけ、相手にぶつける。実にはた迷惑な存在である。


「だからどうした? 迷惑を掛けている、頼りにしている。うむ、確かにそうだろう。だが、その分俺も紬が困って居たら手を貸しているし、そう言った事も含め互いにしっかりと話し合っている。他人にとやかく言われる筋合いは無い」

「そ、そんなの知るか! この僕が言っているんだ! 大人しく宮入さんから離れれば良いんだよ!」


 盲目とはこの事か。周囲の目が一気に冷たいモノになっているにも拘らず、彼は己の正義を信じ更に押し付けようとする。


 ただ、タイミングと言うのは絶妙なもので、この空気を破壊する人物が登場した。


「あれ? 渡、君は何をしているんだい? まだ靴を履き替えていないじゃないか」


 紬の登場である。教室に忘れ物を取りに行くだけなのだから、すぐに戻って来るのも当然の話。だが、この自己中心の正義感君は、頭に血が上りすぎていてこの場を去るタイミングを見失ったらしい。

 そして、そんな彼は紬の姿をみて顔が真っ青である。


「いやなに、彼が俺に「紬が迷惑しているのが解らないか」と言って来たからな。少しお話しをしていたんだ」

「ふぅん……僕が迷惑を……ね。別にそんな風に思ったことなんて無いけど、寧ろ好きでやってる事だし」


 そんな紬の言葉に、周囲一帯から黄色い歓声が上がる。そして、そんな歓声とは裏腹に、渡にモノ申した彼はと言うと……。


「そ、そういう事なら良いんだ。それじゃもう行くよ!」


 脱兎の事く逃げ出した。

 そして、彼が行動し逃げ出した事で、狂信者グループと言える人達の行動は少しだけ落ち着いた。


 ただ、この事が有ってから数日。渡の「お互い様」と告げた内容と、紬の「好きでやっている」と言う話が多方面へと拡散され、二人は少しだけ恥ずかしいと感じる日々を送るのだった。

知ってるか……これでこの二人つき合って無いんだぜ?

まぁ、渡は戻って来たばっかりで環境に適応しようと必死。紬はソレの手伝いで必死……と、それにお受験な年齢ですからね。

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