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ドライアドさんのお茶ポーション  作者: べべ
第6章:「ドライアドさんと日常生活」
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第78話:エルフの住処

どもどもべべでございます!

お茶会までの間は平和な時間が続きますねぇ、これなら心和ちゃんもやらかしませんね!

ではでは、ご投稿! どうぞお楽しみあれ~!

 

『ちんくしゃ……貴様、正気か?』


「ふぁい?」


 ある昼下がりのお茶タイムにて。私は、正気を疑われました。

 おかしいですね、今は世界樹に繋がってもいないのですが?

 ノーデさんが作ってくれた、心和ちゃん特製小麦粉を使ったクッキーをサクサクしつつ、首を傾げます。このクッキー、舌触りがなめらかでとても美味しいです。

 ぶっちゃけ、養分を吸収すれば何でもいい体してるので、満腹とかの概念がない私ですが、心の満足は得られますとも~。


『とぼけておらぬのがタチが悪い……我とエルフとで茶会を開くという催しよ。貴様、我らの間で何が起こったか、見聞したのではなかったのか?』


「あ〜、それですね。確かに見てきましたよ〜」


 ゴンさんとじゃじゅうさんが、ドンチャン騒ぎしたっていうあれでしょう?

 正に力こそパワーを地で行くゴンさんらしいものでしたねぇ。


「いやぁ、ゴンさんかっこよかったですよ〜。インテリジェンスパワーで完全勝利! 森の守護者に大抜擢! 近年まれに見るサクセスストーリーでしたねぇ」


『感想はそれだけしかないのか……』


「まぁ、弱肉強食でエルフが負けて、それを引きずってるってお話だったので〜」


『う、うむ……そのエルフと我が茶を囲むなど、あり得ると思っておるのか?』


 あぁ、そういうことですね?

 ん〜、その辺りは問題ないんですけどね。話はついてますし。

 後は、ゴンさんがOKを出せばいいだけでして。


「とりあえず、エルフの女王様はテーブルにつくつもりですよ? 後は、ゴンさんのお返事次第です」


「いやはや、管理者様はお仕事が早いですね」


 あ、クッキーのお代わりですね!

 流石はノーデさん、ナイスタイミングですっ。


「ピットでも、急ピッチで準備が進められているようです。エルフの女王をお招きしての茶会であります故、国を挙げてのもてなしになるとか」


『……これで我が行かぬとなったら、エルフ相手に屈したようではないか。おのれ、我相手にこの様な手を使うとは、良い度胸よな』


「え……だから、相談してるじゃないですか?」


『……これを相談というのか、貴様は』


 あれ、なんでゴンさんは「こいつマジか」みたいな目で私を見るのです?

 ノーデさん、その微笑ましい少年を見つめる保育士の目はなんですか?

 あれですよ。小学六年生の夏休み自由研究で、お茶のみを1週間摂取し続けてどの程度健康を維持できるかに挑戦した結果を報告した時の、先生とクラスメイトが今のゴンさんみたいな目をしてました。


「管理者様、今管理者様が行っている相談は、『別に行かなくていいけど、その時は君の権威が失墜するし、あることない事言われるよ?』というちょっとした脅しになっておりますので、今後は注意した方がよろしいかと存じます」


「あ~……え、そうなんですか?」


『よい……貴様に国交を任せた我にも責任がある。一度だけ、筋を通してやろうではないか』


 えぇと、つまるところ、OKってことかな?

 なんだぁ、良いなら良いって素直に言えばよろしいのに~。

 ですが、ノーデさんの言ってた事も反省点ですよね。今後はちゃんと、相談してから決めないとです。


「じゃあ、とりあえずゴンさん、相談です」


『……今度はなんだ』


「キノコを育てたいので、あの洞窟を私にください!」


『また唐突だな』


 ここで私は、キノコ屋さん……キースさんのお話しをいたしました。

 キースさんは国を追われた犯罪者ですが、キノコを育てる知識と、キノコ茶への加工、保管のノウハウを持っています。

 そして、キノコを複数つくるなら、あの洞窟はいい感じに日も当んなくてグッドだと思うのです。


『ふむ……キノコ茶か』


「はいっ! 種類によって味も香りも違うし、私が魔力を介さないので、本来のおいしさを楽しめるはずですよ~」


『うむ、エルフをこの地に招くというのは業腹だが、寄る辺の無い根無し草なら余計な事は考えまい。よい、許す』


 流石ゴンさん! お茶の事となると即決ですね!


『丁度コカトリスを数体狩っておいたのだ。その者を養う事もできよう』


「では、客室の1つを居住スペースとして清掃しておきますね」


『む、確かにここに住まわせねばなるまいな……仕方あるまい。なるべく我の機嫌を損ねぬよう努めよと伝えておけ』


「はいは~い!」


 よっし、これでキースさんの衣食住は完璧ですね!

 ゴンさんと一緒に生活できるなんて……キースさん、きっと涙を流して喜ぶに決まっていますよ~。

 ふふふ、無理矢理にこちらに引っ張ってしまいましたからね。少しは厚遇しないとです。

 よし、早速こちらにお呼びいたしましょうか!

 

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