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ドライアドさんのお茶ポーション  作者: べべ
第6章:「ドライアドさんと日常生活」
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第76話:帰宅

どもどもべべでございます!

ここから新章の始まり始まり!

久しぶりにゴンさんを書くぞ~!

というわけでご投稿! どうぞ、お楽しみあれ~!

 

 ゴンさんよ!


 私は、帰ってきた!


 一度ピットにつきさえすれば、後はご近樹きんじゅから一直線ですとも!

 キノコ屋さんは、後々ピットの人達が送ってきてくれるそうです。私はもう、ゴンさん成分を補充したくてしかたありませんでした。

 うぇへへへ……! 久しぶりにゴンさんにお会いできます~。もう抱きしめて頬ずりして、耳をはむはむしないと気がすみませんとも。


 世間樹せけんじゅから身を踊り出した私は、そこから見えるお茶の苗木に視線を移します。

 うん……なんか、予定よりも成長が早い気がしますね。もう少し小さい状態を予想していましたが、これならもうしばらくすれば茶畑に移せそうです。

 やはり、世間樹の近くだと成長が早まったりするんでしょうか。あまりそういうブーストはしたくない身としては、早期の内に移した方が良いのかもと思ってしまったり。


 ま、それはそれとして、ゴンさんですよ!

 勝手知ったる日本家屋は、既に目の前! きっと縁側でお茶でも飲んでいるはずです!

 私は、意気揚々と日本家屋に近づいていきます、

 たった数日でも、ゴンさんと離れ離れになるのはめちゃしんどかったですからね。もう目いっぱい甘えてやります。

 そしてノーデさんのお茶を2人で飲んで、いつもの日常に帰ってきたんだと実感するんです。あぁ、私にあまだ、帰れるところがあるんです……!


「という訳で、ゴンさぁ~ん!」


 一直線に日本家屋にぶっ飛んでいきます。

 近づくにつれて香ってくる、木材と畳の落ち着く匂い。

 そして案の定、その人は、そこにおりました。


『ちんくしゃか』


「はい! ただいま帰りました~!」


 あぁ、なんという雄々しい姿。その巨体もさることながら、銀色の毛並みが美しさすら演出してございます。

 短い脚に長い腕。どこか愛らしさすら感じるフォルムなれど、その威厳は霞む事などありません。

 まさに、ゴンさん。地上の宝と表現してもいい、お茶と双璧を成す私の大切なお方!


「ゴンさぁ~ん!」


 もう我慢できません! 某大泥棒3~4世もかくやという跳躍とダイブをもって、ゴンさんに突撃を敢行いたします!

 愛! ラヴ! YOUぅぅぅぅぅ!!


『…………ふんっ!』


「ほげぇぇぇ!?」


 しかし、私の熱烈なベーゼは、ゴンさんのぷにっぷにの肉球に阻まれてしまいました。ありがとうございます!


『こんの……たわけがぁ!』


「ほげぇぇぇ!?」


 さらに座らされ、ゴツゥゥン! と盛大なゲンコツを拝領。ありがとうございます!


「ご、ゴンさん……何を……?」


『ピットの国王から……全ての報告は上がっておる』


「あ」


 う、うそぉん……マジですか?

 あぁ、そういえば、ノーデさんは遠くの方とお話しできる、携帯みたいなアイテム持ってましたねぇ。

 なるほどなるほど……デノンさん、サイシャリィでのナニガシを、全部ノーデさん越しにゴンさんにご報告した訳ですか。


『我の魔力を悪用し、騎士を行動不能にする愚策』


「え、えぇと……」


『エルフの国で世間樹の葉をばらまき、入国即日に連行』


「あ、あはは……」


『情けなくも使用人に身を堕とし、その後世界樹に触れ暴走』


「はは……」


『エルフの国を壊滅寸前まで追い込み、全てを台無しにしかけた蛮行』


「す、ずびばぜんでした……!」


 たんこぶを実らせながら、深々と土下座。世界の共通謝罪ツールとして、最も有効な手段をインストール!

 ゴンさんこれ本気で怒ってます! 許してもらわないとそれはそれはスンゴイお仕置きが……!

 あれ? ウェルカムじゃない?

 いやいやいや、愛あるお仕置きと全力の罰では意味が違います! 嫌われるのはいけません!


『貴様は……貴様という奴は……!』


「ひぃぃ……!」


『えぇい、我もエルフには思う所ある故、全てを否やとは言わぬ! なれど、貴様が世界の脅威になってなんとする! 我は貴様をそんな風に教育した覚えはないぞ!』


「お、おっしゃる通りにございますぅ!」


『多少問題を起こす程度ならば、エルフ相手によくやったと言ってやりたかったものを……! 国家転覆とは! そんな奴は、こうしてくれる!』


 そう言うと、ゴンさんは私の体をむんずと掴み上げ、腰に前足を回しました。

 そして、あぐらをかいて私をその上にうつ伏せで寝かせます。

 おう、この体勢……いわゆる、あれのポージングなのでは?


「あ、あ、あの、ゴンさ……」


『仕置きだちんくしゃ! 反省せい!』


 ぺすーん!


「ひゃひぃぃん!?」


 お。

 お尻ぺんぺんですとぉぉ!?


『ふんっ』


 ぺすーん!


「うきゃん!」


『ふんっ』


 ぺすーん!


「あひんっ!」


『ふんっ』


 ぺすーん!


「んんぅふぅん!」


『甘い声を漏らすな馬鹿者!』


 いやだってこれ、恥ずかしいやら痛いやら気持ちいいやら嬉しいやら!

 あぁっ、こんな幼子扱いされて、私の心はキュンキュンです……!


『えぇい……反省をせんか、反省をぉぉ!!』


 ばちーん!


「うっきゃぁぁぁん!」


 その後。

 私は結構な回数をお尻ぺんぺんされ、その後ノーデさんの進言で解放されてしまいました。

 あぁ、残ね……じゃなくて、反省いたしましたとも。

 確かに、叩かれている内にだんだんいけない感性が芽生え始めていましたが……え? それはもう手遅れ? そんな~。

 とにかく! もう二度と、私が同じ過ちを犯すことはないでしょう。本当です、本当ですとも。

 ……本当ですよ?

 

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