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第65話:メイドのお仕事

どもどもべべでございます!

ひゃあ! レビュー貰っちまったぁ! こいつぁ嬉しいぜぇ!

てぇ訳で! ノリノリで続きかきマシた! これから連日投稿モードに入りますとも~!

という訳でご投稿! どうぞ、お楽しみあれ~!

 

 私、スーパーメイドの心和!

 エルフの女王様からの御達しで、こうして森の管理者から数日間のクラスチェンジを果たしたの!

 炊事はお手の者、洗濯掃除は記憶にあり! 奉仕活動なんのその! 気になる熊には盲目的猛進!

 人間の記憶を力に変えて、魔力巡らせ今日も行く!


「という訳で、お掃除に来ましたー☆」


「おぉ、これはこれは管理者様……可憐な恰好ですな」


 私がやってきたのは、フィルボの騎士さん達が眠ってる寝室です。

 全身を謎のダメージ(詳細は伏す)に見舞われて動けなくなった彼等の周りを、綺麗にお掃除することで心身ともにリフ☆レッシュさせようという腹積もりです!


「腹積もりでは、企んでいるように聞こえますが……」


「あ、聞こえてました?」


「ま、まぁ、私共の事を考えてくださっての行動。大変ありがたく存じます……」


「うぇへへ……いいんですよ~。皆さんとってもがんばってくれましたからね! ここは私に任せて、のんびりしててくださいね?」


「勿体ないお言葉です……」


 うんうん、控えめな騎士さん達は遠慮がちです事。

 ならば、私がこの空間を匠的に最高級にして、彼らを労おうではないですか~!


「ん~、まず、お部屋のお掃除ですよね」


 部屋をぐるりと見回しますが……うぅん、寝室にとりあえずベッド敷き詰めて、寝かせるだけ寝かせてる感じ。

 緊急で搬送されたので、致し方ない事ではありますが……どうにも狭苦しい印象ですね。いや、ホントなら広い部屋を全員で使わせてもらってるんでしょうけどね?

 ただ、このまま狭い部屋を掃除するよりは……


「……広くした方が、良い気がする」


 うん、私ったらナイスアイディア。

 このままでは、彼等の息が詰まってしまうかもしれません。ならば、開放的な空間を作り上げてしまった方が、お掃除よりも良いのではないでしょうか。

 そうと決まれば、魔力のチェックですとも~。


「ふむふむ~、やはり世界樹ともなると枯れ木にも凄い魔力……」


「あの、管理者様? 何を……」


 うん、やっぱり、私の魔力で世界樹を蘇らせるなんて無理無理なのが理解できますね~。

 これだけ内包された魔力の上から、更に魔力を乗せて増幅させて、生命力に返還させる?

 あはは、私が干からびてしまいますとも。

 ですが……【誤魔化し】くらいなら、出来るかもしれませんね。


「ちょっと揺れますよ~」


「え、ちょ、管理者様?」


 世界樹の壁に手を当てて、魔力を通し始めます。

 当然、私の魔力を世界樹の魔力が食おうとしてきます。

 あれですね。大きいシャボン玉に、小さいシャボン玉がくっつくと、きゅぽっと吸着しちゃう感じ。あれです。


(来ました、来ました……)


 もちろん、そうなると小さい方が不利なんですよね。

 湖にバケツの水ぶち込んだ所で、混ざり合って終わりでしょ?

 今まさに、私の魔力世界樹に呑まれてますからね~。だから……誤魔化します。


 イメージとしては、あれです。ゴンさんが燃やして作ってたあの結界。あれにハッキング仕掛ける感じです。

 無理矢理ではダメです。弾かれます。

 だからって、身を任せてもダメです。呑まれて消えます。

 何度やっても失敗してたけど……それは、ゴンさんの火の魔力と、私の地の魔力が全然対極だから。

 世界樹の魔力なら、私とほとんど同じ波長です。ならば、世界樹を誤魔化して、私という存在を【いても当然】くらいに誤魔化すことは出来るはず……。


 まずは、魔力をギリギリまで同調させる作業……呑まれる前にこれができれば御の字です。

 世界樹の魔力は、まさに大地の権化。死してなお、新緑が如き瑞々しい魔力を保持しているのは流石と言えましょう。

 ですが、だからこそ同調もしやすいってもんですよ。


「ここ……かな?」


 壁越しに、呑まれた魔力を伝って、根元まで知覚します。

 あとは、この根っこに近い魔力の波長と、私の波長を合わせてあげれば……。


「……繋がりましたかね~」


 ずんずん吸われていった魔力が、徐々に帰ってくる感じがします。

 いえ、循環してるっていうのが正しいですかね?

 私を体の一部と認識した世界樹が、私を血管みたいに使ってるんですね。

 樹が、死んでも水を通して世界を清浄に保とうとするように、世界樹もまた、魔力を循環させて大地に流しているんですね。


「と、いう訳で~」


 その魔力越しに、世界樹にお願いしちゃいます!

 騎士さん達の部屋が狭いので~、少しだけ広くなってもらえません~?


「……なんだ?」


「じ、地震か?」


 私の後ろで、騎士さん達が狼狽えているのを感じます。

 うぇへへへ、驚くのはまだ早いですよ~!


「う、うわぁ!」


「え、え、ベッドの間隔が、開いていく!?」


「へ、部屋がぁ!?」


 う~ん、もう少し広く?

 あ、行き過ぎ行き過ぎ。他の部屋潰しちゃう。も少し狭く。


「わぁぁ! 縮まった!?」


 ん~、難しい。もう少し広くても良いんですよ?


「ひぃぃ!? また広がった!」


 そう、そう、その辺……うん、固定してくださ~い。

 これでよ、し……おや、これ、中々離れない。魔力の同調が出来たはいいですが、どうにも離れる時に吸着してきますね。

 流石は世界樹……もし生きてる世界樹に同じことしようとしたら、私の存在なんてパックンちょされて終わりだったでしょうね~。

 死んでる世界樹にだからこそ出来る裏技みたいな感じ……っと、よし、離れた!


「さて! 皆さんどうですか~?」


「ど、どうも何も……!?」


「何をして……!?」


「広くなって快適でしょう?」


「ひ、広くはなりましたが……」


 うん、広くなったなら大丈夫ですね!


「じゃあ、後でお茶をお持ちしますので、快適になった空間でぐっすりお休みくださいね~!」


「「「…………!?」」」


 うんうん、良い事をすると気持ちが良い!

 私は、意気揚々と次の仕事場へ向かうべく、その部屋を後にするのでありました~。

 ……うん、世界樹の魔力に触れたからか、なんか力が漲ってきますね!

 もっと頑張るぞ~!





    ◆  ◆  ◆





「っ、管理者様はここか!」


「我が王……それに、ネグノッテ女王様も!」


「今しがた、世界樹の脈動を感じました! 一体何があったのです!?」


「それが、我々にも何がなにやら……」


「管理者様が、途方もない事をした、としか……」


「だぁぁ! やっぱりだ! あいつに何かさせると予想斜め上に状況が飛ぶんだ!」


「……これ、は……私でも予想外でしたね……単に掃除や炊事だけしているのかと思いましたが、まさか……世界樹にもたらされた空間を、広げたのですか?」


「つまり、世界樹を操作したって事じゃねぇか……い、胃が……!」


「ココナ様……あのドライアドは、一体なんなのですか……?」

 

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