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第61話:連行

どもどもべべでございます!

今回も一話ご投稿!

どうぞ、お楽しみあれ~!

 

 バウムの森に関する文献を調べろと言われたのに、何故か町にくり出して、脱法系っぽいナニガシばら撒いて兵隊さんに連行された森の管理者。


「うん、はたから聞いても良くわかんないレッテルですね~」


「何をどうしたらそうなるんだ……」


 私の横を歩くエルフの兵隊さんが、呆れ顔でこちらを見てきます。あの丸いエルフさんとは違い、素晴らしいイケメンフェイスです。これぞエルフ。

 あの人、本当にエルフだったんですかね……?


「私これ、どうなるんですかね?」


「女王様の元へ連れて行く事になっている」


「さっきお会いしたばかりなのに~」


「謁見してすぐにこの展開になったのか……」


 ホントですよね~。

 過去類を見ない速度で不正がバレた政治家ムーブを実現してしまいました。これは、やはり葉っぱ単体だったからダメなのでしょうね。

 あの葉をお茶に加工してさえいれば……ハッ!

 そういや私、まだ世間樹のお茶飲んでないです! これは灯台モトクロス!

 帰ったら早速お茶にして飲んでみましょうっ。


「あらん? ココナちゃん、どうしたのかしら?」


「あ、えっちゃん~」


 今度は化粧品を選んでいたえっちゃんが、私に気付いて声をかけてくれました。ほんと、乙女は美容の事になると周囲が見えなくなるのですねぇ。

 少しは周りを見た方がいいと思いますよ~?


「今、捕まって、女王様の元へ搬送中なんですよ~」


「あらま。それは大変ねぇ? お目当ての物は買えたの?」


「あ、それは買えたので大丈夫ですよ~」


「捕らえられた者の会話じゃないのは、俺でもわかる……少しは緊張感を持て!」


「「え~?」」


 いや、だってえっちゃんが慌てるでもなく余裕の表情なんですもん。

 丸エルフさんも私の力が必要だって言ってたし、痛い事はしてこないでしょ? だったら焦るよりこれからを見据えましょう。


「というわけで、ちょっとお城に戻りますね~」


「えぇ、私はもう少し選んでから行くわね?」


「は~い」


 うぅん、これがゴンさんだったらゲンコツ後デコピンが待っていたでしょうね。えっちゃんは放任主義。

 ノーデさんだったら、怒らなくとも付いてきそうですしね~。


「……とにかく、抵抗せずついてくるならそれでいい。さぁ、城へ行くぞ」


「ん~、私は飛べるからいいんですけど、兵隊さんは行けるんです?」


「問題ない。根元に付いたらわかる」


「あぁ、昇る手段があるんですねぇ」


「女王様みたいに、植物を操れるわけではないからな。それに、俺は根元でお役御免だ」


 あらま。じゃあ、この人とは世界樹までですね。でしたらこの一期一会を大事にしないといけませんねぇ。


「あの、このお茶、お近づきの印にどうぞ~」


「……受け取ると思っているのか?」


 え? お茶ですよ!?

 貰わないのですか!?


「信じられないって顔してるが、俺は仕事でここにいるんだ。連行中の相手から何か貰えば賄賂になる。……俺を犯罪者にするつもりか?」


「あ、あ~、そういうのもあるんですねぇ」


 なるほど、それならしょうがないですねぇ。

 私が素直に諦めますと、ちょうどそこで世界樹の根元に到着いたしました。

 そこには円盤のようなものがあり、魔力が渦巻いております。おそらく、魔法陣が下に敷いてあるんですね。

 つまりこれは……エレベーター!


「失礼します。その……罪人? をつれてきました」


「うん、ご苦労様……その疑問は良くわかるけど、とりあえずそういう体でつれてくから」


「よろしくお願いします~」


((この緊張感の無さよ……))


 なんか生暖かい視線を感じますが、きっと気のせいでしょう。

 乗れと言われれば乗りますよ~。せっかくお城に戻ってきたわけですから、文献も調べれますしねぇ。


「じゃあ……あと、お願いします」


「あぁ、管理者はこちらで管理しておくから」


 促されるままに円盤に乗ると、その足元に満ちた魔力が反応し、浮き上がります。

 おぉ……何かに乗って飛ぶのは初めてです。相変わらずそのまま立つのはくすぐったいですねぇ……

こればかりは慣れません。

 なので、許可を取って座らせていただくことにしました。そのままゆっくりと昇っていき……最初に私達が入った窓とは別の出入り口に到着です。


「……管理者様、何をしてんだよ……」


 そこには、げんなりした顔で胃のあたりを押さえているデノンさんが待っていてくれていました。

 どうやら、事の顛末はこちらにも伝わっているご様子ですね~。


「デノンさん、ただいまです!」


「この辺の相場を大きく変動させかねない高級品をばらまいたって聞いたんだが……」


「2人にお支払いしただけなんですがね~」


「ちなみに、なに出した……?」


「世間樹の葉ですね~」


 デノンさんが、大きくため息を吐きました。

 私に手招きしたので、ふよふよと近づきます。

 下を指差したので、ゆっくり着地。

 頭を下げるよう指示されたので、座りました。


「あっほぉぉぉぉぉう!!」


「あいたー!?」


 ぺスーん! と頭をひっぱたかれました。

 いきなり何をするんですかもう! ありがとうございます!


「あんたは守護者様がいないとブレーキきかねぇのか!? 少し考えればわかるだろう!?」


「そうですね……お茶に加工してからお渡しするべきでした……」


「あっほぉぉぉぉぉう!!」


 ぺスーん!


「あいたー!?」


 そんなコントを繰り広げておりますと、奥の方からさる人物がやってきました。

 まぁ、女王様ですよね。少し笑いを堪えているのは、気のせいではないと思います。


「まぁまぁデノン王。あまり女性の頭を叩くものではありませんよ?」


「止めないでくれ! 俺は今からこいつに小一時間説教してやるんだ!」


「その前に、こちらからの沙汰も伝えなければなりませんし……ね?」


「……はぁ……」


 デノンさんが引き下がり、女王様が私の前に来ます。


「ひとまず、お話しを聞きたいので……まぁ、現状管理者さんは国に対して経済戦争をしかけたようなもの。立場上罪人ですので、詰問せねばなりません。あちらの取調室まで足を運んでいただけますか?」


 おぉ! 取調室!

 かつ丼? かつ丼でます? 一度取調室でかつ丼って食べてみたかったのです!

 こういう食べ物があるって教えたら作ってみるって言ってくれたので、意気揚々と取調室へ向かう事にしました。エルフの皆さんはやはり良い人です。


「……って、私罪人なのです?」


「今!? 今そこなのか!?」


「えぇまぁ、私利用されそう~ってのは聞きましたけど、立場が罪人だとは思わず……」


「あのなぁ……商品一つに金銀財宝を投げて、釣りはいらないって出てくような事をしたんだぞ? 怖くて手をつけれないし、変な噂が流れたら店も終わりだろ?」


「あぁ……それはその、申し訳ないことを……」


「法に触れているかと言われれば、微妙な所ですが……まぁ、我々の権力でこう、ちょちょいと? 連行しました。あのまま貴女が町にいたら大変だと判断したので」


 なるほど、大人は汚い!

 おかげで私傷持ちですよ~。ん? 意味違うかな?

 ままま、とりあえず詳しいお話しは取調室で聞こうではないですか~?

 

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