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第59話:サイシャリィ探索

どもどもべべでございます!

一週間ギリギリですね。もちょっとペース上げないと……。

という訳でご投稿! どうぞお楽しみあれ~!

 

 ううむ、女王様に色々ご指摘を受けてしまいました。

 ゴンさんが秘密にしている、封印……ですか。個人的には、いきなりそんな事言われてもって感じですけど。

 エルフの文献を漁ると良いって言ってましたけど、さてさてどうしますかねぇ。


「……まぁ、こうして足を運んでしまう私のなんと素直な事でしょう」


 はい、というわけで私は今、世界樹から出てサイシャリィの町中にいます。見渡す限りの美男美女に私の中の心和が大興奮しておりますとも。

 エルフというのは本当に、見目麗しい容姿の方々ばかりですねぇ。産まれてこの方、ダイエットなんざしたことねぇぜって感じがします。


「ところで、文献ってのは町のどこかにあるものなんですかね? えっちゃん」


「あらん? 私はココナちゃんが来たから付いてきただけよ? てっきり知ってるものと思ってたわぁ」


 こうして私の隣にいてくださるえっちゃんも大概ヤバいくらいの美人ですが、やはりエルフとはまた違った感じの美しさですよね。なんていうか、エルフが清楚系、えっちゃんはセクスィ系?


「いやぁ、なんか図書館とか、そういうのがあるのかなぁと」


「んぅ……まぁデノンちゃんが、ヒュリンの国ではそういう本を管理してる施設もあるって聞いたけど……そういうのって普通、大切なものだから厳重に守らない? たとえば、お城とか」


「……本当ですね!?」


「ココナちゃんは基本残念でかわいいわぁ♪」


 いえいえいえ違うんです!

 これはそう、心和の知識が混ざった結果ですよ! ほら、図書館って町中とかに普通にあるじゃないですか!

 夕方のオレンジな空間で出会った彼女と僕の一夏の淡い恋は図書館から始まったとか、よくある青春ラブストーリーの鉄板でしょう!?

 むむむ、一度戻りますか……いえ、しかしせっかく町に出たのですからそれはもったいない。ここで出来る事を探してみようではないですか。


「というわけで、町の中を探索しましょうえっちゃん!」


「凄いわココナちゃんっ、一切の相談も無しに自己完結で結論を出して突き進んでいくのね!? べアルゴンの苦労がなんとなく想像できちゃった!」


 何とおっしゃる兎さん。私は常に前しか見ない女! 道端にお茶でも売られてない限り、突き進んで行くのですよ!

 そう、それはまさにゴウウェスト! 遥かインドまでどんぶらこどんぶらこと遠征しまくった何とかってお坊様みたいにわき目を振らず生きるのです!


「とりあえず、こっち行ってみましょう! 商店街っぽいですよっ」


「あら素敵な雰囲気っ。私お肌に良いクリームとか欲しいんだけど、あるかしら?」


 私達の視線の先には、草木で編んだゲートと、その向こうに広がる露店達が映っておりました。わかりやすく、ここで日用雑貨や食料を扱っているのでしょう。

 文献が調べられないのなら、美味しいお茶をここで手に入れてしまいましょうっ。


「クリームはわかんないですけど、お茶はありそうですよね~」


「ふふ、それなら二人で色々探しちゃう?」


「良いですねぇ~」


 というわけで、今日は文献漁りはお休み。

 私達は、商店街で優雅なお茶探しに乗り込むのでありました。





    ◆  ◆  ◆





 商店街は、中々に賑わっておりました。

 森の恵みを他者に配るべく、ヒュリンを模倣した制度とえっちゃんは言っていましたね。なるほど確かに、道の端に露店が並ぶ光景はお祭りのテキ屋のようで、エルフの文化っぽくありません。

 商品は基本物々交換らしく、なめした毛皮をブドウのような果物と交換していたり、数本の矢を香草と交換していたりしています。技術料とかでもいいらしく、切れた弓の弦を直したことで1つ無料とかになってる店もある様子。


 お店の活気は国の活気。この平和な光景は、女王様が頑張って作り上げたんだなぁと思うと中々にくるものがありますねぇ。

 ……というか、見渡す限りにイケメン美女がいる光景が凄まじい……心和の日本人フェイスが浮く浮く!


「あらぁ、本当に良い活気ねぇ」


「ですねぇ。皆さん充実した生活を送っておられるご様子で~」


 ……でも、なんですかね?

 私達、微妙に見られてるというか……いえ、そりゃあ異国の人なわけですから? 見られるのは仕方ないと思っていましたが……なんというか、視線が冷たい?

 これ、どうなんですかねぇ。歓迎されていない感じがするような。

 その事を、えっちゃんに伝えてみました。


「……ココナちゃん、そういうのって感じ取れたのねぇ」


「お? 喧嘩? 喧嘩をお望みですか?」


「んふふ、ごめんなさいね? でも、その感じは正解だと思うわよぉ」


 えっちゃんが言うには、私が森の管理者だという事は、エルフならばみんな知ってるだろうという事です。

 ですが、それがなに? 管理者だから歓迎されない……うむむ、理由が欲しい所ですねぇ。


「あ、すみませ~ん」


「……いらっしゃい」


 香草を扱ってるお姉さんに話しかけてみます。

 うん、一応お客としては扱ってくれるんですね。安心です。


「この辺に、キノコ茶のお店ありませんか?」


「……キノコ茶の店なら、商店街の端っこだよ。そこに朽ちた樹の洞があるから、その中で扱ってる」


「あ、露店じゃなくてお店なんですね?」


「キノコを扱うのは専門技術だからね。……それだけ? だったらもう離れて。お客が来ない」


「あらら。じゃあお礼とお詫びに……そのハーブっぽい香りのやつ、束でくださいな♪」


「いいけど、貴方交換できるの持ってるの?」


 お姉さんは、ふんっと鼻を鳴らして香草を包んでくれました。

 ふむん、交換、交換ですか。それなら~。


「これで良いです?」


 私は、髪からわさっと薬草を生やして見せました。

 世間樹せけんじゅの葉っぱを模したので、軟膏にすればめっちゃ傷に効く奴ですよ~。残念ながら劣化版なので怪我全快くらいでしょうが。


「は? これ……え? せ、世界樹の葉……?」


「いえ、世間樹の葉です~」


「え? え?」


「これじゃダメです?」


「い、いえっ、その、お、オマケしておく!」


「わぁ~! ありがとうです~!」


 んふふ、これは嬉しい買い物ですね~。

 この葉っぱ凄く良い香りですから、お茶にしたら美味しそうです。


「では、失礼しますね~」


「あ、ありがとうございました……」


 キノコ茶の情報を掴んだ私は、露店で美肌クリームを発見していたえっちゃんの所に向かいます。

 えっちゃんはそれはもう真剣に、クリームを吟味しておられますね。


「えっちゃん、私キノコ茶のお店いってますね~」


「えぇ、いってらっしゃい。ねぇ、このクリームちょっと試したりできない?」


 うんうん、スキンケアは女の戦いなんですね~。私は色気よりお茶気ですが~。

 というわけで、一人でお茶屋さんにレッツゴーなのです!

 

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