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第49話:いざエルフの国へ

 どもどもべべでございます!

 平成最後のご投稿ー! どうぞ、お楽しみあれ~!

 

 夏も半ばになりまして、暑さが本格的になってきました。とはいえ、ここは空気が綺麗なエコロジカル世界。

 知識の中にある日本のように、やれ温暖化だ~やれゆーぶいだ~なんていう事はまだありません。確かに春に比べて気温は上がっていますが、むしろ過ごし易さすらあるでしょう。

 つまり、この季節こそが旅に行き時って訳ですよ~。


「という訳で、行ってきますね2人とも~」


「ココナ様、我が王とえっちゃん様をよろしくお願いいたします!」


『逆だ逆、チビ王にこやつとアースエレメンタルを見張ってもらわねばならんのだ。我はチビ王が3日で禿げる方に賭けるぞ』


 あ、あはは、なんのことやら?

 そんなデノンさんに迷惑をかけるようなこと、私がするはずもなし~。

 悠々自適にお茶探しくらいしかしませんので、ご安心くださいな~。


「それよりゴンさん。日本茶、ちゃんと世話しててくださいよ!」


『無論だ。茶の性質は貴様から聞いて理解している。多少の事では枯れさせてやらんわ』


「このノーデめも、微力ながら尽くさせていただきますっ」


 いえ、ノーデさんこそ日本茶を守る最後の砦ですからね?

 微力どころか最大戦力ですからね?


「とまぁ、こんな所ですかね~」


 荷物の確認はばっちりです。鞄の中にたくさん詰め込みました。一番の目玉は、ゴンさんの抜け毛(抜いたとも言う)を使って編み上げたプチゴンさんぬいぐるみです。これがあれば、道中でしっかり眠れる事間違いなしでしょう。

 お土産も問題なしですとも。トルココーヒーを作るための道具に、コーヒー豆。それにココナ印の冷やし日本茶と麦茶も持参しました。

 ふふふ、自分の気配りが怖い。


「さぁ、では行きますよ~エルフの国! 待っててくださいまだ見ぬお茶!」


「最初にピットに寄るんですからね? 間違えないでくださいね?」


『このまま直接行きそうな勢いだな。というかやはり茶が目的ではないか』


 シャラップ! 私の想いが溢れ出たからと言って上げ足を取らないでいただきたい!

 そんな2人は置いといて、私は世間樹に手を当てます。そして、移動先をピット国へ指定。

 まるでどこぞの野菜人が瞬間移動するかの如く、一瞬で掻き消えたのでありました。





    ◆  ◆  ◆





「はぁ……不安だ」


「来て早々ですが、王様が死にそうな顔をしています~」


「不景気な顔ねぇ? 今から同盟を結びに行くんだからもう少し晴れやかな気持ちでいなさいな?」


「アンタらのせいでこんな気持ちなんですよぉ……!」


 私がピット国についてから、そう時間を待たないで、お見送りムードの中で盛大なパレードが開かれました。

 国民達がやんややんやと街道を埋め、見送りの声を上げています。中にはいくつも積み重なった椅子の上で逆立ちしてみせるなどの大道芸を披露し、ここぞとばかりに荒稼ぎしてる人がいたり、屋台を出してる人がいたりと、中々のお祭り具合でしたねぇ。


 ぽてぽて進む兎車の中では、私とえっちゃん、デノンさんがいます。

 その前方と後方は、選抜された騎士団の皆さんが護衛の為に固めている訳ですね~。合計で兎が三匹、とても可愛らしいです。


「大体、俺は元々反対だったんだからな?」


「でもぉ、自分の出来る事ならやるって言ったのはデノンちゃんじゃないのぉ」


「ぐっ」


「途中から乗り気になって、ココナちゃんに色々アドバイスしてたのもデノンちゃんじゃないのん?」


「ぬぐぐ……!」


「これ以上男らしくない事言わないで頂戴よぉ? 育て方間違えちゃったって思っちゃうじゃない」


「だぁぁ! わかりましたよ! これ以上は何も言いませんっ!」


 あはは、最近のえっちゃんは魔力も戻ってきてるから、結構強気なんですねぇ。

 クスクス笑いながらデノンさんをからかって、とても楽しそうです。


「まぁまぁ~。私はとても助かってますからね~?」


「はぁ……まぁ、俺としても助かる話ではあるんですよ。一度ヒュリンにバレた手前、フィルボが先んじて管理者と交流があるってのを別の国に植え付けるのは、有効だろうからな」


 ふむ、そういう思惑もあるんですね。

 やはりデノンさんは、フィルボの中ではかなりしたたかな部類なんだなぁ。


「しかし、それでも、いつ爆発するかわからない爆弾を抱えて移動するのは胃にくるんだよ……!」


 最近のデノンさんは歯に衣着せませんね~。

 そんなデノンさんの胃痛など知る由もなく、国民の皆さんは門をくぐって国を出ていく兎車を「いってらっしゃいませ!」と見送っています。

 うんうん、この光景だけで、デノンさんがどれだけ慕われているかがよくわかりますね~。


「はぁ……よっと」


 デノンさんもまた、表情を引き締めると、兎車から身を乗り出して、国民達に手を振ります。

 それだけで、後方から熱狂的な歓声が……王様ってか、アイドル?


「凄い人気ですねぇ」


「うふふん、歴代のフィルボで一番、頭脳と顔を両立させた王様って言われてるんだもの。当然よん」


「俺そんな評価貰ってたんか!? 一言も二言も余計な不本意極まりない通り名すぎる!」


 んふふ、この2人のやりとりはいいですねぇ。見ていて飽きませんとも。

 この旅……とても楽しめそうな気がします!

 

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