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ドライアドさんのお茶ポーション  作者: べべ
第5章:「ドライアドさんと森の人」
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第46話:それからそれから?

どもどもべべでございます!

ちょっと短めですけど、TRPGのイベントが目前なのでフック的なお話を上げておきますね~。

という訳でご投稿! どうぞ、お楽しみあれ~

 

 グラハムさんがここに来てから、2日。アオノイさんの容体が安定するまでの間、私は彼らの滞在を許可していました。

 もちろん、ゴンさんは不満そうでしたが、コーヒーで多少機嫌が紛れておりなんとか許可をもらえた感じですね。

 私が無理矢理病気を治した事によって、アオノイさんは体力を大きく消耗していたようです。そこはノーデさんの看護もあって、みるみる復調してくれていますね。


「ふむ……コーヒーミル、構造はそこまで難しくないんだが……複雑な刃だ」


「しかし、これが完成すればコーヒーは新たなステップに立てるはずです~」


 コーヒーミルというのは、焙煎されたコーヒー豆を粉砕するための器具の事ですね。

 ほら、ドラマとかで喫茶店のシーンがあると、よくハンドルがついた超昔の電話みたいな形のなにがしがあるじゃないですか。あれですよあれ。


 コーヒーは、焙煎した豆から成分を抽出することで飲めるようになる飲料です。しかし、豆のまま抽出したって、全然出てこないわけですよ。トルココーヒーをグラハムさんが作った時も、砕いた豆を煮立たせて上澄みを飲んだでしょう?

 そのトルココーヒーを作るにしても、やはり砕くのは大変な作業ですしね。ここはやはり、コーヒーミルを作っていきたい訳ですよ。ドリップして飲みたいわけですよ!


 ちなみにドリップというのは、布や紙のフィルターの上にひいたコーヒー豆を入れ、上から熱湯を注いで()すやり方です。一番心和が飲んでたやり方ですね~。


「ですがねぇ……これを再現するとなると、大変な技術がいりますよ。臼式って言うんですか? お抱えの鍛冶職人にこれができるかどうか……」


「フィルボの皆さんにもなんとか打診してみます。共同開発って事でどうにかなりません?」


 コーヒーミルの構造は色々あれど、私が提案したのは一番記憶に色濃い構造です。

 臼歯式、または擂り臼式っていうんでしたっけ。側面に固定された刃の真ん中に、円錐状の刃をセットして、それを回す事でゴリゴリと粉砕する奴です。

 歯と歯の隙間を調整することで、粗挽きから細挽きまで調整できる優れもの。これを再現できれば……コーヒー業界に一石を投じられますよぉ……!


「ふむ……そんな事が実現できるなら、フィルボとヒュリンの関係がより良くなって万々歳なんですがね」


「あれ? 元々商売しあうくらいに仲いいんでしょ?」


「フィルボは歩み寄る姿勢を見せてくれていますがね……うちの王様が見合わせてるんですよ。同盟とかその辺りの判断を」


「え、なんでです?」


「この大陸は未だ戦乱だと言ったでしょう? つまり、いつ誰が敵になるかわからない。だから慎重に見極める……ってのが建前。本当は、いざフィルボが襲われた時、助けに行かなきゃならんってのが踏み切らせないって感じでしょうな」


 なんですかそれ。ヒュリンの王様、器ちっさい……。

 あ、でもゴンさんもよくホッとけとか見捨てろとか言いますね……この大陸の基本的な考え? なんでしょうか。

 う~ん、最初から仲良くしてれば、何の問題もないと思うんですがねぇ……。


「聞いてみますか」


「ん? 何をです」


「いえいえこちらの話ですよ~」


 うんうん、私は一人で先走るなとよく言われますから、ここはしっかりと誰かに聞いて行動しましょう。そうですねぇ……えっちゃんに聞けば、色々わかるかな?

 うぇへへへ、私だって日々成長しているのですよ。


「ま、コーヒーミルに関しては俺の方でも職人に当たってみます。いままで、石とかで砕いて非効率だったからな……これが出来れば、確かに快適になるでしょう」


「おねがいしますよ~。プレスの方はまた今度ですね~」


「待ってください。またなんか知らない単語出てきましたよ?」


「ちょっと出かけてきますね~」


「ちょ、ま、管理者様? ちょっ、プレスってなんですか!」


 グラハムさんが何か言ってましたが、次の目標を見つけた私は気付かないのでありました。

 さてさて、パパっと行って聞いてみましょ~。





    ◆  ◆  ◆





「あらっ! いらっしゃいココナちゃ~ん!」


「わぷっ、胸板ぁ」


 善は急げお膳は食せ。私は早速、世間樹せけんじゅを介して、えっちゃんの元へ飛びました。

 もはや散歩感覚でピットに行けるようになった私にとって、旅支度などいらないに等しいのですよ!


「えっちゃんえっちゃん、今日はデノンさん忙しい感じですか?」


「あら、私に御用じゃないのぉ? 妬けちゃうわ」


「いえいえ、お二人にお話があるんですよ~」


「まぁっ、じゃあお茶会の準備をしなきゃっ。んふふ、最近すっかり趣味になっちゃったのよぉ」


 そういうえっちゃんの部屋は、以前よりもずっと人間味がありました。

 新しく棚が設置され、そこにたくさんの茶器が並んでいます。この部屋で嗜んでいるんでしょう、茶樹の脇にはちゃんと茶葉もありますとも。

 木々にもお茶の香りが染み込み、とても落ち着く空間です。うんうん、素敵極まりないですね~。


「早速デノンちゃんを呼んでくるわね? すぐ来ると思うから、その間に準備しちゃいましょ」


「デノンさん、忙しくないんですか?」


「忙しいだろうけど、休憩できるタイミングが出来たら喜んで飛びついてくるはずよ~? 最近参ってるみたいだし」


 うわぁ……あのデノンさんが、休憩という言葉に飛びついてくるのかぁ。

 よほど忙しいんですねぇ。なむなむ。


「ふふ、じゃあその間、子供たちと遊んでてちょうだいな?」


「は~いっ、お待ちしてま~す」


 ま、休憩できるなら気にすることもないですよねっ。

 私はえっちゃんの言葉通り、子供たちのいる保育園空間に足を運びました。

 そして、デノンさんが兎車でやってくるまでの間、子供たちと鬼ごっこや絵本の読み聞かせをするのでありましたとさ~。

 うん、めっちゃ可愛い。

 

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