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アルクレアの妖精姫 シルフィー

 城の外れ、東西南北に囲う四つの塔より更に離れた場所にある小さな塔。

 その炊事場では、ビブルからもらった作業着を着たリコがコトコトと果物を煮詰めており、甘くいい匂いが漂っていた。

 ウゴルは出かけており、ビブルとリコの二人しかいない中で、突然コン、コンと扉を叩く音が響く。次いで「失礼致します。西の塔より参りました、シルフィー様の使いの者ですが」と大きな声が聞こえた。

 炊事場は一階にあり、玄関からほど近い。

 リコの横で別の作業をしていたビブルが手を止めて、慌てて炊事場を出ていく。


「……シルフィー様? 何の用だろう」


 首を傾げるも、リコの手は止められない。借り物である鍋の底が焦げ付いてしまうからだ。

 フィズならともかく、高貴なお姫様であるシルフィーがリコに用事なんて思いも付かず、ひたすらに木べらで中身をかき回しながらビブルを待った。

 数分後、ビブルは何か一枚の手紙を持って炊事場へ戻ってくる。

 ……嫌な予感がした。以前にもこんなことが、あったような気がする。

 だが、やはりリコの手は止められない。


「リコ様」

「一応聞くけど、ビブル。西の塔の人が、何の用だったの?」

「シルフィー様より、お茶会の打診がございました」


 ……やっぱり。

 そろそろ鍋の中身もいい感じに煮詰まった頃で、火を消して鍋に蓋をすると、リコとビブルは揃って小さな椅子に腰かける。テーブルの上に広げられた手紙には、相変わらず何と書いてあるかわからないが、フィズとはまた違う美しく整った字らしきものが並んでいた。字の造りそのものも違うようで、おそらくはこれがシルフィーの国での文字なのだろう。

 紙からはふんわりと爽やかな森の風のような香りが漂い、あの儚く透明感のあった金髪の少女が思い浮かぶ。


「……どうしよう、ビブル」

「どうしようも何も。リコ様がお決めになることです」

「行ったほうがいいのかな」


 前回同様の問答を繰り返す。

 当然断ったほうが良いなどという言葉は返ってくるはずもなく、結局リコはビブルに返答をお願いすることになった。


「でもフレンドリー……えっと、気さくだったフィズならともかく、シルフィー様って大丈夫なのかな。大国のお姫様なんでしょ? 私、不敬罪とかで首を刎ねられたりしない?」

「少なくともこの領域で神の裁きなしに、そういった殺人が行われた場合、儀式の候補からは外されるでしょう。それに、不躾なことをしなければよろしいのです」


 身も蓋もない言葉だが、ごもっともである。リコは「うう……」と唸り、恨めしそうな視線をビブルに送ることしかできなかった。


「では、お返事を認めて参ります」




 数日後、ビブルとリコは西の塔を訪れていた。

 ビブルが到着の旨を告げると、重々しい扉が開き、統一感のある服をきっちりと着込んだ使用人たちがリコとビブルを迎える。フィズの使用人たちが着ていた服も綺麗なものであったが、どちらかというとデザイン性が高く、フリルや飾りの目立つものだった。一方こちらは素材は上質で美しいものの、派手な印象を与える飾りは必要最小限に抑えており、その制服からは清潔感や気品が漂う。リコはそれだけで塔の主の違いを感じた。


「シルフィー様。リコ様がいらっしゃいました」

「どうぞ」

「シ、失礼致シマス……本日ハオ招キイタダキ有難ウゴザイマス」

「まあ……ふふふ。楽になさってください、リコ様」


 そんな使用人に、既にシルフィーとフィズが揃った部屋へと通されて、リコはガチガチに固まったまま軽い挨拶を交わす。シルフィーからは、前の茶会でも聞いたような言葉を返されてしまった。

 そのすぐ後にアイーシャが到着したとの知らせが届き、茶会は予定通りに始まる。

 絹のクロスを掛けられたテーブルに置かれたのは、淡い黄の花が咲く模様が付いたカップとポット、そして焼き菓子の乗った皿。カップの中には美しい赤橙色の紅茶が注がれ、香りがふわりと鼻腔をくすぐる。


「皆様、改めまして西の塔へとご足労いただき有難うございます」

「こちらこそ本日はお招きいただき有難うございます、シルフィー様」

「あたしの塔とはまた違った趣きがあって素敵ね」


 シルフィーの隣にはアイーシャとフィズが座ることになったので、リコの目の前には美しく微笑むシルフィーがいた。リコは目を合わせるのですら気力を消費しているのに、フィズとアイーシャはシルフィーの隣にいても、違和感のない上品な笑顔を浮かべている。


「有難うございます、フィズ様。アイーシャ様。リコ様もどうぞ緊張なさらず楽しんでくださいね。そちらの紅茶はわたくしの国、アルクレアでも王族の人間が特に愛飲している美味しい紅茶なのですよ。是非味わってくださいませ」

「ハ、ハイ……有難ウゴザイマス……」

「ふふっ。駄目ね、これは。完全に固まっちゃってるわ。この子にお姫様のお茶会はちょっと早かったみたい」

「だ、大丈夫? リコ」

「う、うん……」


 フィズがそっと優しく声を掛けてくれるが、リコは頷いてゆっくりと紅茶で口を塞ぐことしかできなかった。


「やはり平民の方の暮らしというのは違うのですね。わたくし、リコ様が屍姫になられたと伺った時、ずっとお話してみたいと思っていたのです。こういった機会でもない限り、わたくしも平民の方とはお話できないので」

「こ、光栄です……有難うございます」


 リコと話したいと思っている、というのは同じだが、仲間意識から会いたがっていたフィズとはまるで理由が違う。町にあふれているであろう平民と話してみたいという、上級貴族限定の何とも稀有な理由に、リコは本当に住む世界が違うなぁと固い笑いを返した。


「リコ様はどのような国から来られたのですか? お姿が少し変わっていらっしゃるのは勿論、始めにお召しになっていた服もわたくしたちの国では見ないようなものだったとか。もしかして、この大陸や南の大陸の外から来られたのですか? それともどこか辺境の島の方でしょうか?」

「私も気になるなぁ。リコとは一度喋ったけれど、リコの国の詳しいことは聞いてないし」

「あ、あはは。まあ、シルフィー様の言うようなところです」

「まあ、やっぱりそうなのですね! ということは、わたくしの国の平民の方とは違うのでしょうか。リコ様はこのお茶会で緊張なさっていますよね。このような場はあまりないのでしょうか? 普段のお食事はどのようなものを? それから――」


 王女という手の届かない立場だが、どうやら幼い少女という部分は変わらないらしい。好奇心で目をキラキラとさせて、マシンガンのようにリコに質問を浴びせる。アイーシャが大人の笑みを浮かべて止めるまで、それは続いた。


「まあまあ、シルフィー様。そんなに勢いよく質問されては、彼女も困惑されるでしょう」

「あ、すみません……わたくしったら、つい……」

「い、いえ」


 シルフィーは自分の失態に気付き、はっとして顔を赤く染める。真っ白な顔であったから、余計にはっきりと三人に伝わり、柔らかな笑い声がその場に響く。


「あたし、シルフィー様のこともお聞きしたいわ。こんな機会とはいえ、アルクレアの妖精姫とお近づきになれたんですもの」

「そんな……」


 その透き通るような容姿を褒め称えての通称なのか、アイーシャが妖精姫と呼ぶとシルフィーはますます顔を赤らめる。


「私の国でも噂は届いておりましたよ。アルクレアには妖精のように美しい姫様がいる、と。シルフィー様が開いてくださったお茶会ですし、リコはシルフィー様のことも知らないと思いますから」


 フィズもアイーシャに頷き加勢するものだから、シルフィーは助けを求めることもできず、自身で落ち着きを取り戻そうと二、三深く呼吸してから「そうですね……」とどうにか話を続けた。


「では、リコ様には改めてご挨拶申し上げますね。わたくしは大陸の西に位置します、アルクレア王国の第三王女シルフィーと申します。生まれつき病弱な身で、病気で命を落とすまでずっとお城の中で暮らしておりました。お城の外のことは何も知りませんので、ご迷惑をお掛けするかもしれませんが、これから儀式の間まで、どうぞよろしくお願い致します」

「い、いえ! こちらこそ……よろしくお願いします」


 シルフィーに下手に挨拶されて、リコは慌てて頭を下げる。

 何も知らない、迷惑を掛けると先に謝っておかなければならないのはリコの方だ。城の外どころかこの世界の一切を知らないのだから。

 だがシルフィーはリコが気遣ってくれていると思ったらしい。妖精姫と褒め称えることがなかったもあってか、シルフィーは嬉しそうに笑った。


「心の臓のご病気だったと聞くけれど。今はもう大丈夫なの?」

「はい。屍の神に生き返していただいてからは、どうやら健康な体になったようです」

「流石、神様と呼ばれるだけはあるのね。アルクレア王国ですら治せなかった病を治すとは……」

「本当に屍の神には感謝しかありません」


 感心するアイーシャの様子を見るに、それだけこの世界の中では技術の発達した大国なのだろう。シルフィーも神の力のすごさには真剣な表情で賛同した。


「そんなにアルクレア王国ってすごい国なんですか?」

「一応、世界四大大国に数えられていますね。リコ様を除いたわたくしたち屍姫四人は、それぞれの国から選ばれているのですよ」

「って言ってもあたしの国は連邦国家。あるのは南の大陸だし、いくつもの一族がまとまって対外政策を行っているだけで、あたしの一族、サバトラの支配地域はアルクレア王国ほどでもないわ」


 肩を竦めてすっと紅茶を飲むアイーシャだが、フィズがそっとリコの耳元で捕捉してくれる。


「アイーシャ様は謙遜していらっしゃるけれど、領土としてはアイーシャ様の連邦国家が一番大きいんだよ。国内ではサバトラ族が一番権力を握っているし、その長の娘であるアイーシャ様は、シルフィー様にもスーディア様にも劣らないご身分なの」


 もちろん、テーブルを囲むのは四人しかいないので、そっとでもこそっとでもアイーシャの耳には届く。自分の国や一族を褒められて嫌な気はしないのだろう、赤い唇は弧を描いていた。

 そしてその唇が「そういえば……」と再び開く。


「シルフィー様、スーディア様はお招きしていないのかしら?」

「いえ。お茶会の打診はさせていただいたいのですが……お返事が芳しくなく……」


 しょんぼりと沈むシルフィーに、アイーシャは眉尻を下げて同情を示す。そしてやっぱりとため息を吐いた。


「シルフィー様のお誘いにも来ないなんて、やっぱりスーディア様って嫌な子よね」

「そんなことを言ってはいけませんわ、アイーシャ様。何かご用事があったのかもしれません」

「こんな砂漠地帯で用事って一体何よ。どうせ他の屍姫なんかに付き合う必要もないって、一人で屍の神にお近づきになる方法でも考えているんでしょ」


 アイーシャの強い言葉に、全員が一様にスーディアの姿を浮かべると……誰も否定はできなかった。屍姫の中でも敵対心が強く、生への執着心が強いスーディア。たしかに、こんなことをしているよりは城に忍び込む方法の一つでも考えているのかもしれない、と誰の頭でも想像できてしまう。


「リコ。あなたはスーディア様のことも詳しくは知らないでしょうけど、あの日会った通りの子よ。フィスティニア帝国の第一皇女。彼女の父親は智帝と呼ばれ、四人もいた男児の中から、末子だったにも関わらずその知性と強かさをもって皇帝の座を得た。今の皇帝になってからは、更に周囲の小国をどんどん吸収している……」

「あまり穿った見方をするのはよろしくありませんが、スーディア様もその行動力や賢さを受け継いでおられます。御霊還りの儀を受ける候補として、とても強力なお相手であるということは否定できませんわ」

「……それで、皆はどうなの? 屍の神とは」


 スーディアの話題とは打って変わって楽しそうに、しかし探るようでもある目を皆に向けてアイーシャは続ける。茶会で仲良しこよしをしているが、結局のところ屍姫の目的はその一つなのだ。その話題が出ないまま、屍姫同士の茶会が終われるはずがなかった。


「私は特に……皆様とご挨拶申し上げる時以外はお会いしたことはございません」


 フィズが先にそう言った。その声は王女や族長の娘を前にしても臆することなく、本気で儀式を受ける座を狙っていると宣言するような、至極残念そうなトーンだった。

 しかしスーディアとは違い、アイーシャはそれにいちいち突っかかる人間ではないらしい。ふぅん、と小さく漏らすと、今度はシルフィーに問いかける。


「シルフィー様は? 妖精姫と名高いシルフィー様なら、屍の神もすぐにお会いになりたがったことでしょう?」

「いいえ。わたくしもフィズ様と同じです。早くお会いしたい気持ちは山々なのですが、女性から逢瀬を願うのは、その、ちょっと……。侍女たちからもお誘いするべきとは言われているのですが」


 シルフィーはアイーシャの問いにふるふると首を振り、恥ずかしそうに答える。平安貴族のように奥ゆかしく育てられたのだろう。本当に生き返してくれるのならば、普通はなりふり構っていられないものなのだろうが……これが生まれてから死ぬまでお姫様だった者の性分なのかもしれない。

 手で顔を覆い隠したシルフィーを見て、アイーシャもなるほど、と呟いた。

 

「まあ、女から言うのがはしたないってお国柄らしいものね」

「うーん……そういうものなのですね。私の出身国でもあまり褒められた行為ではありませんが、生き返るためですから、お誘いしてもよい気はしますが」

「あたしの国は元々女性も積極的だから、フィズと同じ意見。だけど、あたしがいくらお誘いしても返事がこないのよね」

「アイーシャ様もですか……」


 一気に部屋が悩ましい溜め息に包まれる。これだけの美女、高貴な人間が集まっても興味を示す様子がないのだから当然だろう。

 一方のリコは、屍の神に会ったことがないという三人の言葉に、町の中で会った屍の神の顔を思い出していた。白髪に死んだ銀色の目をした神の顔を。


(二人きりで会ったのは、私だけなんだ……)


 それは偶然の邂逅で、他の屍姫たちが望むような逢瀬や面会ではない。儀式の話も甘い言葉も一切なく、ただ子供に絡まれ、その勢いを押し付けると無言で見送られただけの、ほんの数分の出会いだ。

 フィズはわからないが、アイーシャにとってはリコは眼中にないのだろう。問われることもなかったために、リコは何も口に出さなかった。


「でも、スーディア様は違うようですね」

「え?」


 代わりにふと口を開いたのはフィズだった。


「シルフィー様へお茶会の返事をお持ちした際、私の侍女が城の扉の前に立つスーディア様を見たと申しておりましたよ」


 東の塔から西の塔へ行けば、中央にある城を通るのは当然だが、そうでなくとも四方の塔からそれぞれに直接通じる道はない。整備された道を選べば、自然と城を経由して行くことになる。

 そして何があったのかはわからないが、塔の使いとして侍女が訪れるのではなく、スーディアが直接城の扉の前に立っていた。つまりは何らかの企みを成功して屍の神と会う約束ができたのか、これから企みを実行するところだったのだろう。


「流石智帝の娘、やり手だわ」


 抜け駆けされて悔しかったのだろうか、それともスーディア自身の性格があまり好ましくないのだろうか。アイーシャは苦虫を噛み潰したような顔で毒を吐く。

 反対に大人しく控えめで、あまり自分を主張できないシルフィーは頬に手を当てて心の底からスーディアを羨ましがった。


「ご挨拶以外でお会いできるというのは羨ましいことですね。一体神様はどのようなお方なのでしょう」

「いまだ仮面とローブで隠されたお姿しか拝見できていませんからね、私たち……」

(たしかに、私も気になるかも……)


 あれが間違いなく神だというのならば顔は見たが、性格やその他の中身について、リコは全く知らない。厳かな間で仮面とフードで自身を隠し、重々しく言葉を述べていた神の姿だけでも神秘的……というよりは不可思議であったのに、子供たちに無邪気に絡まれながらそっと仮面を被る神を見てしまうともうちぐはぐで、リコの頭では予想もつかなかった。




 神の想像をしながら茶会はお開きとなり、リコはビブルと共に塔へと戻ってきた。

 ウゴルも出迎えてくれた後、部屋に果実水を持ってきたのでここには三人が集まっている。そこでリコは、茶会の最後に生まれた疑問を投げつけることにした。


「ねえ、ビブル。屍の神ってどんな人?」

「偉大な神様です」

「……」


 相も変わらずビブルはそっけない。間違いではないのだろうが、もちろんリコの欲しい情報ではない。


「ウゴルくんは?」

「わ、私ですか?」


 次に振られたウゴルは突然の問いに驚くも、一息置いてからビブルよりも長く語ってくれた。


「屍の神は、私から見れば尊く気高いお方です。今日があることも屍の神のおかげで、祖母……ビブルの縁とはいえ城に務められることになった時はとても嬉しく思いました。神様のお考えは深く我々一般の民には理解できないことも多いですが、神様のなさったことで悪かったことなど無いように思います。魔術に長け、この領域の民はもちろん他の国の魔術師にも劣らず、その点でも私の憧れ、いえ、尊敬するお方です。そもそもこの領域を作られたのが神様ですから、リコ様もお分かりでしょうが――」


 長く……長過ぎた。聞いた当人であるリコも段々と引くほどに言葉があふれ出し、町にあった噴水でもこれほどの勢いはなかったのではとリコは思う。


「そ、そっか……有難う、ウゴルくん」

「いえ! リコ様のお役に立てたのでしたら嬉しいです!」


 やんわりと止めた後、純粋に喜ぶウゴルにリコは何も言えず、ただ持ってきてくれた果実水を乾いた喉に流し込む。

 そうして空となったコップを片付け、ウゴルは一礼して部屋を出た。




 扉が完全に閉まると、その先に居るだろうリコに見つめながら、ウゴルは聞こえないように小さく呟く。


「……今回は一人多いのだから、リコ様が選ばれなくても、永く生きられないかな」


 自分がそのような俗っぽい想いを抱くのは、屍姫であるリコに対しても儀式を行う屍の神に対しても不敬だ。それでもまだ幼さの残るウゴルには、自然と生まれる感情を抑え込むことはできなかった。


「ウゴル!」


 しかし、どのような理由であれ、ビブルからの喝は飛ぶ。

 閉じられた扉が遮ってくれたのはリコの耳までだった。背後にいたビブルの耳には簡単に届いてしまう。


「ひいっ! ご、ごめんなさい婆様!」


 ウゴルは背筋をびくりとさせると、ロバの世話をするために螺旋階段を駆け下りていくのだった。

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