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僕だって男ですよ?

 下宿先に戻るとヴェルさんが待っていて、申し訳なさそうな顔を向けてくる。 おそらくカルラの事だろうとすぐに気がついた。



「あのねマイセン君、オーデンさんに話をしたんだけど、奴隷なら一緒の部屋で良いだろうって言われたのよ」


 もちろんカルラが女の子なのは伝えたそうだけど、奴隷なら間違いがあっても問題ないだろうっていう事だった。 ここでも奴隷の扱いに驚いてしまう。



「それと……」


 そこまで言ったところで今まで使ってなかったはずの部屋の扉が開いて、私服姿のアラスカさんが出てくる。



「アラスカさん!?」


 オーデンさんのはからいで、アラスカさんと僕は近くにいたほうが良いだろうという事になって、この下宿先に寝泊まりする事になったらしい。



「そういうわけだからよろしく頼む」

「えっと、はい」




 自分の部屋に入る。 部屋の中にはテーブルと椅子、ベッドが1つとクローゼットがあるだけのこの部屋にカルラも入ってきた。



「カルラはベッドを使って。 僕は椅子にでも座って寝るから」


 で、その提案はやっぱり却下されてしまう。 でもだからと言ってカルラに椅子に座って寝させるのは抵抗がある。

 カルラは床でも構いませんなんて言うけど、それは僕が抵抗ある。



「それではマイセン様のご迷惑ではないのでしたら、ご一緒というのではいかがでしょうか?」


 はい? それってつまりカルラと一緒にベッドで寝るって事……



「そ、それはダメでしょう! 僕だって男なんだよ? 襲いかかっても知らないよ?」

「その時はしっかりご奉仕させていただきますので」

「ご奉仕しなくていいし、襲わないから!」

「それでしたら問題はないのではないでしょうか?」


 僕が手を出さなければ一緒のベッドで寝たって確かに問題ないけど、僕の意思とは無関係に反応してしまう奴がいるんだよぉぉ!

 とりあえずお風呂に入って考えよう! そうだそうしよう。



 僕がお風呂に向かうとカルラも一緒についくる。 それはもう当たり前のように……



「ここのみんなは大丈夫だから、カルラはあとで入りなよ」

「ご奉仕は……」

「そんなのいいから! カルラはもう少し自分を大事にして!」


 はいって不思議そうな顔を向けてきて、部屋に戻っていった。




 まったくなんなんだ一体、女の子なんだから少しは恥じらいとかないものなのか。 それとも奴隷ってそう躾けられているものなのかな? だとしたらギルガメシュさんの時も?


 そんな事をブツブツ言いながら脱衣所で服を脱いで温泉に入る。



「どうした、考え事か?」

「ええ、奴隷ってなんでもっとこう自分を大事にしないのかと……え?」



 アラスカさんが湯着も着ないで隣でお湯に浸かっているのを見て、そういえば入浴中の確認をするのを忘れていた事に気がついた。



「うわ、うわぁぁぁぁぁ! ゴメンなさい!」


 慌てて出ようとすると止められて、今更だし考え事をしていたんだから仕方がないって。



 カポーン……


 あ、憧れのアラスカさんと一緒にお風呂……

 澄んだお湯に揺られてアラスカさんの胸が見えて、ついつい目がいってしまう。

 ふとアラスカさんの顔を見ると、そんな僕を見てクスクス笑っている。



「好きというのは分からなくても、男として女には興味はあるんだな」

「あ、う、いやぁぁぁぁぁ! ご、ゴメンなさい!」


 僕の慌てる様を見て笑いながら、7つ星の騎士団領では混浴でみんな普通に裸で入っていたから気にしなくていいって言ってくれるんだけど、僕はそんなの慣れていない。



「せっかくだ、背中を流してもらえるかな?」


 マジすか!?

 返事も待たないで温泉から上がったアラスカさんが、椅子に座って僕に背中を向けてくる。 後ろ姿の綺麗な背中からなんやらが見えて、嫌でも生理現象が……


 後ろからだし、バレなきゃ大丈夫って言い聞かせてアラスカさんの背中をタオルで洗っていく。 目を瞑って気持ちよさそうにしているアラスカさんが、これまた色っぽい。



「うん、もう十分だ。 今度は私が君の背中を洗おう」

「いえ! 大丈夫ですから!」

「遠慮するな」


 なんて言って掴まれて、アラスカさんの胸とかその他もろもろが見えた。


 はおぉぉぉぉぉ! ヤバい、マズイ、こんなの見られたら嫌われちゃう!


 そう思った僕は手で隠しながら慌てて椅子に座ってごまかす。

 アラスカさんが背中を洗い出して、ほぼ洗い終わったところで僕の背中に身体を押しつけてきた。



次話更新は明日の予定です。

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