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救えた命

新章に入ります。

 目を覚ます……

 僕はどこかのベッドで寝かされているみたいだ。



「おはよう、やっと目が覚めた」


 そう言って僕を覗き込んでくる美少女が優しく微笑んでくる。



「よかった! 無事だったんだね、キャロ!」


 頷いてきたキャロを身体を起こして抱きしめた。 驚いた顔を浮かべた後、キャロも僕を抱きしめ返してくる。



「あの時私の事好きかもって言ってくれたよね」

「うん、前にウルドさんが失いたくないと思う人が好きな人だって言ってたから」

「……そ、そういう意味で言ったんだ」


 少しキャロの声がガッカリした声が聞こえた。



「ごめん……怒った?」

「うーん……でも失いたくないって思ってくれてるって事は……それって好きなんじゃないの?」

「そ、そうなの、かな?」

「はぁ……面倒な性格してるよね……」

「あはは……ごめん」




 とまぁそれはさておきキャロが助かった理由、それはあの時僕はとっさにあることを思い出していたからで、僕が相手の気配を感じ取って刀を通して『(オーラ)』を放った場合、その相手を傷つけることなく気配(いのち)を絶てる。 だったら、キャロを傷つけることなくキャロの中にいる奴の気配だけを絶てはしないか? だった。

 結果キャロはこうして助かったけど……キャロの身体の中にはあいつの死体は残っている。 そのままで大丈夫なのかわからないから、いずれ早いうちに誰かに相談する必要があると思う。



 一安心して身体を離すとキャロが少し残念そうな顔を見せてくるから、思わず苦笑いをしてしまう。



「ところで……ここはどこ?」

「大統領府だって」



 どうやらあの後僕たちは、極秘裏に大統領府に半ば強制的メーデイアさんに連れてこられたんだとか。


 結局生きて帰ってこれたのは、たったの7人。 メーデイアさん、ギルガメシュさん、リセスドさん、アラスカさん、奴隷の女の子、そしてキャロと僕だけだ。




 扉がノックされてアラスカさんとメーデイアさんが入ってくる。



「目覚めたようね」

「君には本当に驚かされる」


 あの後の話を2人から……主にメーデイアさんから聞かされる。

 刀を振ったあと倒れた僕をアラスカさんが受け止めてくれて、メーデイアさんがキャロを見たら意識は失ったものの胸を突き破ろうとしていたモノの動きが全くなくなったんだそう。

 ただキャロの方も胸を突き破られかけたため、命の危険もあって急いでダークゾーンを抜けて戻ってきたんだそうだ。

 内容が内容なだけに、麓まで戻ったあとはみんな強制的に大統領府に全員連れてこられて、僕はここに寝かされてキャロは国の宮廷司祭の手によって治療が施されたらしい。

 目が覚めたキャロは驚きつつも僕の元に来てずっとついて見ていてくれたそうだ。





 そこで更に扉がノックされて開くと、1人の女性が中に入ってきた。



「シスターテレサ!? どうしてここに?」

「彼女はこの国の宮廷司祭のテレサよ。 普段は彼女のたっての希望で、町外れの孤児院で両親のいない子供達の面倒を見ているのだけどね」


 さも当たり前のようにメーデイアさんが話してくる。 もちろん僕がシスターテレサの元で育ったことは知っているはずだ。



「マイセン、お前が無事で本当に良かったよ。 それとキャロンさん、貴女も無事で良かったね」


 治療されたのは知っていたけど、誰にかを知らなかったキャロも驚いて口をパクパクさせてる。



「さて、意識が戻ったのなら大統領に会ってもらわないとならないわ」


 メーデイアさんが急いでいる様子で、目が覚めたばかりの僕に次のやるべく行動を告げてくる。

 シスターテレサを先頭に後をついていく。

 部屋を出たところで奴隷の女の子が立って待っていた。



「主様、ご無事で何よりです」


 僕に刀と鎧を渡してくる。 彼女は僕の刀と鎧を持ってずっと部屋の前で立って待っていたらしい。



「ありがとう」


 お礼を言って受け取って鎧を身につけて、刀を腰に下げた。



「みんな待ってるから早く行くわよ」


 メーデイアさんに急かされて僕たちはこの国のトップである大統領に会うことになる。

 ただその前にキャロに、奴隷の女の子の事について聞かれたのは言うまでもない。




次話更新は明日の予定です。

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