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ある名匠との出会い

新章というより町パートですね。

 昨晩は下宿先に戻ってからの記憶があまりない。 温泉にたぶん入ってすぐに寝たんだと思う。

 そんなことを考えながら、朝日の光に照らされてしばらくボーッとする。



 今日は武具の新調しに行くんだった。

 体を起こして朝食代を貰いに冒険者ギルドに向かい、その足で〔ヒヨコ亭〕に行って朝食を済ませる。



「さてと、武具でも見に行くかぁ」

「ちゃんと良いものを選ばなきゃダメだよ?」

「うん……え?」


 振り向くとキャロがいた。



「おはようマイセン」

「え? あれ? キャロ……どうして?」

「どうしてって、私がいると迷惑?」


 フレイさんは放っておいて良いのかな……



「キャロは僕といても良いの?」

「うん、私はウィザードだからね。 準備っていうものはほとんど無いかな?」


 そうじゃなくて、フレイさんといなくて良いのかなって意味だったんだけどな。

 そんな事を考えてるとキャロが僕の事をじーっと見つめてくる。



「また考え事?」


 思い切って言ってしまおうか? そう思ったけど、それを口にする勇気がなぜか僕にはなかった。



「なんでもないよ。 それじゃあ見に行くかなぁ」


 まるで独り言のように声をだして歩きはじめた。 キャロもついてきていて、そんな僕を不思議そうな顔で見つめてきている。



「なんか今日のマイセン変なの」




 会話もすぐに途切れながら、すごくギクシャクした雰囲気のまま商店が並ぶ場所を見てまわる。

 この空気に耐えられなくなった僕は、1つの商店に飛び込んで防具を見はじめた。


 どうやら鍛冶屋が経営しているお店のようで、金属製のものばかりが並んでいて、一通り目を通していると店主らしいドワーフが姿を見せてくる。



「冷やかしなら帰れや?」


 第一声がこれだった。 僕は苦笑いを浮かべながら武器と防具を新調する事を言うと、店主が僕の身体をベタベタ触り始めた。



「防具ならブレストプレートかスケイルアーマーにしておけ」

「え?」

「お前さん今巷で有名な『(オーラ)斬りのマイセン』じゃろ。 筋肉のつき方からその2つが儂がお前さんに勧められる防具じゃ」


 身体に触れただけでそんな事がわかるんだって思いながら、試しに両方身につけさせてもらう。

 どちらも確かに違和感があまりなかった。



「どうじゃ、儂の言った通りじゃろ」

「はい、違和感が全然感じられません。 ……もっともレザーアーマー以外つけた事がないからよくわからないんですけどね」


 素直に感想を言うと店主が、なら着てみろってハーフプレートを持ってくる。

 なんなく身につけられはしたけど、今度は違和感がすごく感じられて、動きを阻害されている気がした。



「凄いですね、おじさんの言った通りだ」


 この一言が気に入ったのか、店主の機嫌が良くなって顔をニンマリさせてくる。



「キャロはどっちが似合うと思う?」


 ほったらかしになっていたキャロに聞くと、少しだけ思い出すそぶりを見せた後、スケイルアーマーの方が似合ってたって言われて、スケイルアーマーの方を買う事に決めた。



「一応スケイルアーマーが良いなとは思うんですが、いくらぐらいするんですか?」

「金貨5枚じゃ」


 うひゃー! 僕の手持ちの財産ギリギリじゃん。



「あ、あはははは……武器が買えなくなるんで……」

「ふむ、そこはお前さん普通交渉するとこじゃろ?」


 キャロも頭を押さえてる。



「ちなみに武器は何がいいんじゃ?」

「剣がいいです。 今は普通のロングソードなんですけど……」


 訓練場では種類としてはたくさんあったけど、剣であれば片手剣、片手半剣、両手剣しかなくて、形状の違いはなかった事を伝える。



「ならあっちに色々あるから振って試してみろ」


 ついていくと店主の工房のようで、いろんな種類の武器が置いてあった。 訓練場でもいろんな武器を見たけど、ここにあるものの方が種類が圧倒的に多い。



「うわ、凄い種類だ!」

「ここにあるのはどうせ全部失敗作じゃ。 気にせず振り回してもらっていいぞ」

「これが全部!?」



 失敗作はある程度たまったらまた溶かせば多少インゴットというのが減るけどまた使えるらしい。

 いろんな剣を慎重に振っていくと、どれもしっくりくるものが見つからない。 もちろん

今使っている剣も、うまく言えないけど店主の言い方で言えば違和感があった。


 そんな僕が首を傾げてばかりいると、店主が色々と聞ききはじめる。



「振った感じはどれがマシじゃった?」

「片刃の剣……ですね」


 そういって、いくつか選んだうちのサーベルを持つ。



「どう違和感があるか分かるか?」

「はい、えっと、軽すぎます。 それと刃が広すぎてブレる感じがします」


 店主が急に待ってろと言い出して、ペンと羊皮紙を持ち出してきた。



「お前さんの言う違和感をそれぞれ言っていってみろ」


 それぞれの武器を持ちながら、剣の形状や重さ、剃りなんかを説明していく。



「よし! 早速試作を作るから今日はもう帰ってくれ。 明日までにはいくつか作っておくからそれを試してもらう」


 えっと……明日にはダンジョン行く予定だと思うんですが……

 振り返ってキャロを見ると、やれやれってポーズをとっていた。



次話更新は明日になります。

今回の町パートの後のダンジョンパートが長いのと、章の名前が決まってません。 最悪、今後または全ての章のタイトルを町パートとダンジョンパートだけに変えるかもしれません。

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