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君を守る

「悩み」の最終話です。 いよいよ次話から本格的なダンジョン探索になっていきます。

 下宿先について部屋に行こうとするとウルドさんに呼び止められる。



「少年、随分と酷い顔をしてるな? 何か悩み事があるんならお姉さんが聞いてやるぞ?」

「わかるんですか?」

「おいおい、こちとら伊達に毎日何十何百の冒険者を見てきて、相談もされてんだ。 なめてもらっちゃ困るなぁ、少年」


 僕が実は……とココまで言ったところで、手を引っ張られてウルドさんの部屋に引き込まれた。



「言いにくそうな話みたいに見えたからね。 ここならあたし以外いないから安心していってごらん?」


 ウルドさんの優しさに甘えて、僕とキャロとフレイさんのことを全部話した。



「ほーん、つまり少年はキャロンが好きなんだ?」

「いやいやいや、キャロの事は好きとかじゃなくて同じ冒険者仲間で、その、えっと……」


 そこでウルドさんが考え事をするような仕草を見せてきて、おもむろにこう言ってくる。



「そうか、キャロンも冒険者か……わからないならそのほうがいいかもな……ウン、少年、あたしからはこう言っておこう」


 初めてできた仲間が僕以外の人と仲良くしてるのを、僕が単に気に入らないだけだろうから気にするなって教えてくれた。


 なんか含んだような言い方に聞こえたけど、僕はその答えに満足したのか、少しだけスッキリしたような気分になれた。


 部屋を出ようとした時にウルドさんが付け加えるように、そんなに大切な仲間ならしっかり少年が守ってあげんだよって言われて、頷いて返した。






 朝日で目がさめる。

 大きく伸びをして準備を整えて下宿先を出るとキャロが待っていた。



「おはようマイセン。 一緒に食事に行こう?」

「うん!」



 〔ヒヨコ亭〕で一緒に食事を済ませて麓に向かっていると、キャロが話しかけてくる。



「昨日とはうって変わって元気になったみたいね?」

「うん、僕は決めたんだ。 キャロ、僕は君を絶対に守るからね!」

「う、い、いきなり何を言い出すのよ」


 理由を問いただしてくるキャロに笑顔で答えた。




 麓につくとフレイさんが既に来ていて、この間とは違ってもの凄い武装をしていた。

 それを聞くと、この間は竜角山に行く予定ではなかったかららしい。

 そうこうしていると、シリクさんたちも到着した。



「よぉし、そんじゃいっちょリーダー頼むぜ!」

「できる限り頑張ってみます」


 昨晩話した通り、移動中の先頭はシリクさんに任せて、そのあとを僕とキャロ、テトラさんとガラシャさん、最後尾にフレイさんで隊列を組む。

 魔物が現れたらすぐに僕とフレイさんとテトラさんが前に出て、キャロとガラシャさんは後方から支援、シリクさんは遊撃をすることになっている。



「マイセン、リーダー、今日はどの程度まで攻めるんだ?」


 テトラさんは僕の事をマイセンリーダーって呼ぶようになった。 なぜか名前とリーダーの間に間があって、ちょっと舌ったらずな喋り方をするけど、なんだか愛嬌のある狼獣人だ。



「今日はパーティの連携を見るのと、一箇所シリクさんに調べて欲しいところがあるから、そこまで行こうって思ってます」

「ほほぉ! しっかりリーダーしてるじゃんよ、マイセン」

「頼りなさげに見えてシリクよりしっかりしてて安心だわ」

「グハァ」


 シリクさんたちは前から仲間同士だったみたいで、仲が良さそう。 連携も3人は出来ているんだろうなって思った。



「一応俺から警告だが、ダンジョンの方の魔物の出かたは無差別に近い。 決して侮らないようにして欲しい」

「はい!」



 僕たちの、僕の初のこれがパーティでのダンジョン攻略組になる。 そして僕の噂とフレイさんを連れたパーティは注目を浴びていた。



「行こう!」




やっとパーティを組むところまで漕ぎ着けました。

マイセンは特殊な力、『気』を読む能力を持っていますが、1人ではまだまだ冒険者になりたてのため実力を発揮するには至ってません。

いずれは7つ星の騎士団の対極に位置する力を持つことになりますが、それはまだまだ先の話になります。


そして今までよりも危険で死の匂いしかしないダンジョンの戦いが始まっていきます。

次の章以降はダンジョンパートが徐々に長くなっていく予定です。



次話更新は明日になります。

時間はたぶんこのぐらいの時間だと思います。


アクセス数5000、ユニークが1000人、週別ユニークユーザも600人とたくさんの方に読まれているみたいで書いていてとても励みになります。

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