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瞳の奥に映るもの

 新たに仲間に加わってくれたシリクさんにテトラさん、ガラシャさんのお陰で5人に増えた。

 今晩改めて食事をしながら話をしようということになって、〔ヒヨコ亭〕で待ち合わせることになった。





 3人と別れた僕はキャロを連れて訓練場に向かう。 アレスさんに会ってフレイさんのことを話そうと思ったら、訓練場にはフレイさんも一緒にいた。



「わぁ! フレイさんですか? フレイさんですよね!」


 凄く嬉しそうな顔を見せてそう言うキャロがわからないけどなんか嫌だった。



「よぉマイセン、ちょうどお前さんに用があったんだよ」

「僕に……ですか?」

「なんだぁ? まだお前ひきづってんのか?」


 嬉しそうにフレイさんに話しかけているキャロの姿を見ながら適当に返事を返す。

 そんな僕に気にもしないでアレスさんが続ける。



「実はな、お前さんの噂を聞いてフレイの奴がだ」

「ああ、そこからは俺自身が伝えようと思う」


 キャロと話すのをやめて僕の方に近づいてきて、僕たちのパーティに入れてくれないかって話してきた。



「本当ですか!」


 キャロが考え無しに返事を返してくる。



「どうかな? 君さえよければ登頂組の方ではあったが、いろいろと手伝えると思うんだ」


 ……僕にはもったいないぐらい良い話なんだと思う。 でもどうしてかわからないけど嫌だった。



「ご迷惑なんじゃないですか? それに僕が向かうのはダンジョンの方ですよ?」

「ああ、わかっているし覚悟もしている」

「何迷うことがあるのよマイセン。 あのフレイさんが同行してくれるのよ?」


 だから嫌なんだ。 自分でもよくわからないけど、キャロがフレイさんと仲良く話す姿を見ると苦しくなる。



「でもキャロ、ほら、仲間ならもうシリクさんたちが加わってくれたでしょ」

「なおさらちょうど良いと思うわ。 私はウィザードだし、ガラシャは神官でシリクは盗賊(シーフ)でしょ? そうなるとマイセンとテトラ2人しか前衛いないから、フレイさんが加われば完全って言われる6人パーティよ?」


 キャロの中ではもうそこまで構図が出来上がっているみたいだった。 これ以上反対する理由は僕にはない。 それに断ったりしたら……



「……そうだね。 キャロの言うとおりにするよ」


 フレイさんが加わることが決まって、夕方に〔ヒヨコ亭〕で待ち合わせることを話して、訓練場を出ようとするけどキャロがついてこない。



「じゃあ僕は少し装備とか見たいと思うんで」


 おうってアレスさんの声が聞こえて、フレイさんも後でと声をかけられる。 そしてキャロからは……



「私はもう少しここに残るね」


 そう返事が返ってきた。



「わかった。 それじゃあ!」


 できるだけ元気なフリをして訓練場を出ていく。

 1人で歩いているとなんだかとっても寂しく孤独に感じた。





「マ〜イセン。 あれ? マイセン、マイセンってば!」


 腕を引っ張られて我に帰る。 振り返るとソティスさんがいた。



「あ、ソティスさんこんにちは」

「どうしたの、元気ないね。 ……あ、そっか、まだあの事が……」

「あ、いいえ、そうじゃなくて少し考え事してたんです」

「考え事?」


 ソティスさんに仲間が増えた事を話して、今晩〔ヒヨコ亭〕で待ち合わせることになってることも話す。



「うわ……マイセンさ、予約してないでしょ? それって席埋まってたらダメじゃない。 わかった、私に任せて! とっておきのぴよぴよルームを開けておくから」

「ぴ、ぴよぴよ?」


 どうやら個室の事らしい。

 それよりって言い出して、ソティスさんが目を細めながらキョロキョロさせてくる。



「今日はいつもいるキャロンって子はいないのね」

「え! あ、ああ、少し用があるみたいです」


 へぇ〜そうなんだって言ってソティスさんがニコニコしながら、僕の腕を掴んできた。



「じゃあさ、私、夕方まで暇してるから、一緒にいてもいい?」


 半ば強引に僕はソティスさんと町を歩きながら、道具なんかの使い方を教わったりして夕方まで時間を一緒に過ごした。



次話更新はお昼頃を予定しています。

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