複雑な気持ち
新章の町パートに入ります。
アクセス4000人超え、ユニークが間もなく1000人に到達します。 たくさんの方に読んでもらえてただただ感謝です。
町まで戻った私が冒険者ギルドに亡くなった者たちのドッグタグを渡しにいくのと、ならず者の存在を報告しに向かうと、どうにも冒険者ギルドが重苦しい雰囲気になっている。
「申し訳ないがこちらを頼みたい」
職員の1人に手渡すと、尊信でもするような対応をしてくる。 そしてギルドマスターに重要な話があると呼び出してもらいたいと言うと、大急ぎで呼びに走った。
「これはアラスカ様、ちょうどいいところに来てくれました」
何か訳ありのようだと感じた私は、ひとまず話を聞くことにし、ギルドマスターの部屋に入った。
そこにはギルドマスターの他に4人の冒険者がいて、1人はパーラメントの一族であることがわかる。
「実は……」
そう説明してきた内容は、1人の冒険者が妬みから殺されかけたというありがちな話だった。 だが、話を聞いていくうちに興味を示すものになっていく。
なんでもその者が攻撃したものは、鎧を無視して身体を切り裂くというのだ。
「それで、それを私に話すというのはどういうことだ?」
「明日、訓練場にその者を連れて行くので、アラスカ様に見ていただきたいのです」
どうやら使っている本人ですらわかっていないで、そんな力を使っているのだそうだ。
その話を了承し、今度は私がならず者の存在があった事を伝える。 冒険者ギルドでもそれは今まで確証がなかったが、ありえなくない事は把握していたようだった。
「問題なのはどう対処すべきかなのです」
確かに。 だがこれに関しては私が考える事ではない。 ギルドマスターにこの件は任せて私は宿屋へ戻った。
翌朝、冒険者ギルドに顔を出してからと思ったらそのまま呼ばれてギルドマスターの部屋に入る。 そこにはマイセンの姿があった。 まさか昨日言っていた話はこの青年が?
「君は……マイセンだったな。 君が騎士魔法のような力を持っているというのか」
「まぁここはアラスカ様が実際に相手をしてみて見極めてください」
ギルドマスターがそういって、さっそく移動して麓の訓練場まで移動する。
自分と仲間の命が危険に晒され、初めて人を殺したと聞かされていたが確かにいつもの感じとは違う。
そして手合わせを終えて私は1度宿屋へ戻った。 昨晩はゆっくり入る間もなかったため、ゆっくりと温泉に浸かりながら先ほどの事を思い出していた。
……あの時あの場でああは言ったが、実際に目の当たりにしたがとんでもない剣技だった。 それと同時に、向かい合った時の彼の真剣な顔がなぜか脳裏から離れない。
何を考えているんだ私は……
部屋に戻り裸のままベッドに横になる。
どこか彼はマスターに似ている……顔か? 違う。 なら態度か? いや、マスターはもっと堂々としている……
そもそも私はなぜこんなにも彼が気になっているのかだ……
恋か?……などとくだらない事を考えて思わず吹き出す。
馬鹿馬鹿しい。 明日からはもっと奥へ行こう。 問題が起こりすぎていてなかなか捜査が進んでいないな……
次話更新は、夕方頃に更新できれば更新しますが、できなかったら夜更新します。
前書きにも書きましたが、日々読者が増えてきている様でとても嬉しい限りです。
この章が終わると、町パートよりもダンジョンパートの方が多くなっていく予定です。
それはつまり……という事になりますが。
今後もよろしくお願いします。




