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ひさしぶりの夫婦の営み、そして集まった勇者たち

 部屋に戻ったはいいけどすっかり興がさめた……と思ったのもつかの間、アラスカがいそいそと服を脱ぎだしてベッドに座って、僕のことを顔を赤らめ見つめながらそっと手を差し伸べてきた。


 それだけでさっきまでの事はすっかり忘れ去って、僕も急いで服を脱ぎ捨てて差し伸べてきた手を取ってベッドに上がり込んだ。



「……どうした?」

「アラスカが積極的でちょっと驚いてる」


 そういうとアラスカが顔を真っ赤にして下を向いてしまい、ボソボソと呟くように口を開く。



「……こうでもしないと、このままあなたは眠りそうだったからだ」


 なんて聞いたら寝れるわけないじゃん!




 朝になって目がさめる。 僕に抱きついて眠っているアラスカの顔は幸せそうに見えた。



「……ん」

「おはようアラスカ」

「お、おはよう……」


 おはようのキスをして身体を起こしたけど、アラスカは起きようとはしない。



「どうしたの?」

「そ、その、なんだ……身体が痛い。 特に……」


 苦笑いを浮かべてくるアラスカを見て、昨晩アラスカの取った行動と久しぶりなのもあったせいか、ついやり過ぎてしまったようだ。



「ご、ごめん」

「いやいいんだ。 この痛みもまた、あなたに愛された証なのだからな」


 なんてスッポンポンのアラスカに言われたら……


 朝の生理現象もあってつい寝起きにもかかわらずまた抱いてしまう。





「だ、大丈夫?」

「そう思うのならもう少し抑えてもらえると助かるのだが?」

「そんなの無理だよ。 だってアラスカが可愛すぎるんだもん」

「…………あなたはズルい。 そんなことを言われたら文句も言えなくなるじゃないか」


 と言いつつもアラスカが僕に抱きついてくる。

 このままもう一度……と思いたいところだけど、さすがに起きなきゃいけない。



「そろそろ起きなきゃ?」


 アラスカも頷いて2人で急いで着替えだす。



「あれ? アラスカ今日はなんでスカートなの?」

「……聞くな!」




 ちょっと歩き方がぎこちないアラスカと部屋を出て、ゲッコとガーゴを呼ぶとすぐに出てきて食堂へ向かう。

 僕に寄り添うアラスカの姿を見て、学院生徒たちからジロジロ見られたけど、昨日の騒ぎもあってか僕たちには別室が用意されていた。

 そこで朝食を済ませているとノックの後に魔導兵が入ってきて、この後の予定を伝えて出ていった。



「今日は顔合わせと打ち合わせだけなんだ? 随分と悠長に感じるなぁ」

「まぁお互い今日が初めて顔を合わすわけだからな、おそらく打ち合わせの後互いの実力なんかも見せ合うのかもしれないな」




 王城まで行こうと魔導学院を出ようとするとキャス様が待っていてくれて送ってくれるようだ。



「ぷくくっ……お二人さん、昨日は随分とお楽しみだったみたいだねぇ?」


 僕に寄り添いながらぎこちなく歩くアラスカを見てキャス様が笑いながら言ってくる。



「キャス殿!」

「しばらく会えなかったですからね」

「あなたまで!!」


 顔を真っ赤にさせながらぷりぷり怒るアラスカを見て2人で笑うと、僕の足が蹴っ飛ばされた。



「イタタ……ごめんごめん」

「あはは、それじゃあ魔導門(ゲート)を出すよぉ」


 睨まれたキャス様も、慌てて魔法詠唱に入って難を逃れようとしだした。

 またボンヤリとした青い色のモヤが現れて、アラスカを支えながら入っていく……


 前回同様、一瞬目眩のようなものを感じて昨日とまったく同じ場所の王城の中庭に出てきた。


 キャス様も姿を見せると魔導門(ゲート)をすぐに消して、僕たちを王城のある一室へと案内してくれる。



「ここだよ」


 中からは5人の気配が感じられて、中に入ると全員が僕たちの方を向いてきた。



「これで全員揃ったかしら?」


 不思議な事に長テーブルの1番奥の立派な席は空白のままで、そのすぐそばの椅子にキャビン女王様は座っていた。



「えーっと……うん、たぶん揃ってる」

「キャス様、たぶんじゃ困りますわ」


 あははっと笑いながらわざとらしく指を折りながら人数を数えて、手でオッケーサインを出す。



「2人はそこに座ってね。 一応席の順番は特になくて来た順だから」


 キャス様はそのままキャビン女王様の正面に当たる椅子に座る。


 順番あるじゃん……



「んっ……」


 アラスカが椅子に腰を下ろした時に色っぽい声が漏れて、ここでまた注目を浴びてしまったアラスカが慌てていた。



「それじゃあはじめようか。 まずは今回のエイリアン……じゃなかった、ゼノモーフの女王(クイーン)討伐にみんなよく応じて来てくれたね」

「ここからは【魔法の神エラウェラリエル】様にお願いするわね」


 すると上座に当たる席に1人のエルフの女性が突然姿を見せる。 驚いたのは姿が見えるまで僕が気配を感じ取れなかった事だった。



「皆さんよく来てくれました。 私が……」


 そこで一度口をつぐんでから……



「私がエラウェラリエル、魔法の神のエラウェラリエルです」




次話更新は明後日22日の夜になると思います。


突然いろいろな登場人物や地名、神々などの名称が出ていますが、全て過去の作品と繋がりがあるため簡易的にしか書いていません。

詳しく知りたい場合は、かなり長いですが、過去の6作品を見ていただければよりわかりやすいかと思います。

1作品だけ無関係なのがあるので注意してください。


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