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知りえた情報とは

 尋問する場所は元シスターテレサの部屋で、今はガイモンが勝手に大統領の部屋にされた場所だ。


 ガイモンとプリュンダラーは当然として、シスターテレサとギルガメシュさんとスカサハさん、それと僕の4人とゲッコとガーゴだけが入る。



「大統領はいいんですか?」

「私に任せるそうだよ」


 なんでこんなにシスターテレサを信用してるんだろう?


 そんな疑問を覚えながら尋問がはじまった。



「それじゃあまずは手っ取り早く女王(クイーン)の居場所からだよ」


 プリュンダラーは椅子に縛られてゲッコが妙な動きをしないか見張ってもらっている。

 ガーゴはもちろんガイモンの方だ。



女王(クイーン)の居場所は、ここから北東の巨大な山脈“ロメオ・イ・フリエタ”と言うドワーフ王国のどこかだ。 正確な場所までは知らねぇ」


 シスターテレサがそれを聞いてガイモンの顔を見ると、ガイモンは無反応な顔を見せる。



「嘘なのかい?」

「そいつらは知らねぇよ」

「そうかい、なら次だよ。 なぜデスはチェシャと言われたあの猫の獣人の女の子を狙うんだい? お前さんもあの時カルラには剣を突き立てたというのに、チェシャは殴っただけだっただろう?」

「それは……単に相手が子供だったからだ」


 ここでまたガイモンの方を見ると、無表情のままでいる。

 どうやら答えるつもりは無いようだった。



「一応こう見えて嘘を見抜くのは得意な方でねぇ、最初の答えも続きがあるだろう? 本当の事を言わないのならこれで終わりにしてもいいんだ。 それでいいんだね?」


 シスターテレサが本当に部屋を出て行こうとして、慌てて止めようとしてくる。



「待て! 待ってくれ! 言う、言うから待ってくれ!」

「プリュンダラー様! ダメです! たとえ死ぬことになろうと言ってはダメですぞ!」


 プリュンダラーがあっけなく引き止めてきて、それを見たガイモンがプリュンダラーを止めようとしてきた。

 シスターテレサは足を止めて振り返る。



「どっちにするんだい?」

「言う! あの猫獣人が女王(クイーン)の居場所に行くのに必要な物を盗んだからだ! これでちゃんと言ったぞ!」


 ガイモンを見ると無表情が崩れて呆れた顔を見せている。



 というよりも猫ちゃーん……

 


「こいつはどうやら本当のようだね」


 つまり北東の巨大な山脈“ロメオ・イ・フリエタ”と言うドワーフ王国のあるどこかに女王(クイーン)はいて、そこに行くためには猫ちゃんがデスから盗んだからだ物が必要という事になる。



「それじゃあ次だよ、これはガイモンが言ったのだから知らないは通らないよ」


 そう言ってシスターテレサが聞いたのは神々の事だったけど、ガイモンとプリュンダラーはさっき言った以上のことはわからないようだった。



「あんたらは人種を滅ぼす手伝いをしたのがわかってないのかい?」

「それは違う。 過去の惨事のほとんどは神々がやらかした事で起こっている。 我らは神という存在から解放され、自由を得るのが目的だ」

「それを本気で思っているのかい? ならあんな魔物を地上に溢れさせて、それで滅びても仕方がない。 そう思ってるわけかい?」


 ガイモンは笑いながら首を振ってきて、僕が思った通り全滅させるような事はしないように女王(クイーン)が管理しているのだと言った。



「そうかい、だけどそれは今度は神の代わりをバケモノがなったようなものじゃないのかい? しかもその保証はあるのかい?」


 ガイモンが一瞬だけハッとした顔を見せてプリュンダラーの方を見た。



「あんたもそうだよプリュンダラー。 神からの解放? それは違うね。 今後神々の頂点に立ち、私らを支配するのは【闇の神ラハス】とゼノモーフの女王(クイーン)じゃないのかね?」

「違う! 【闇の神ラハス】様は……」

「よく聞くんだよ……」



 シスターテレサは神々の事、特に3神と言われる【自然均衡の神スネイヴィルス】【死の神ルクリム】【闇の神ラハス】について話しはじめる。


 この3神は他の人種の神とは違い、人種にとどまらずこの世界にある全てを司る神でもあるらしい。

 つまり、【自然均衡の神スネイヴィルス】は自然界全てにおいての管理を任されていて、自然の調和を保つための神なのだという。 そのため元来は人種だけの神というわけではないのだそうだ。

 【死の神ルクリム】もそうで、生と死を司る神のため人種だけの神ではない。

 そして最後の【闇の神ラハス】だけど、この神の存在だけは昔から不明のままだったらしい。 単に夜や闇を司っているだけなのか、それとも実はアンデッドの神なのではないか? と……



「私は今回の事で分かったよ。 【闇の神ラハス】が司るものはおそらく欲だよ。 そこにはもちろん望みや願望、そう言った己の内に潜むものも全て含まれているんだろうね」

「だったら何か問題でもあるというのか?」

「これから来る世は己の欲望のままに生きれる弱肉強食の世界だ。 もちろん女王(クイーン)も含まれる。 それがお前さんたちが望む神からの解放だというのなら……今のこの状況はどういう意味を表しているのかわかるだろうね?」


 ガイモンとプリュンダラーは2人揃って喉を鳴らしながらシスターテレサを見る。

 シスターテレサはそんな2人にそのあとも色々と質問をしていき、ガイモンとプリュンダラーも状況を理解したのか、その後聞かれる質問に素直に答えるようになって知っている限りの情報全てを話していった。




 尋問が終わる頃には朝日が昇ってきていて、2人はそのまま拘束される事になって、見張り役にはディルムッドが任される。 シスターテレサに「怪しい動きを見せたら好きにしていい」の言葉に嬉々と了承していた。



 ギルガメシュさんとスカサハさんは冒険者ギルドの救助に行くために僅かな仮眠を取りに行こうと部屋を出ていこうとするのを引き止めた。



「僕も行きましょうか?」


 ギルガメシュさんが振り返らないで首だけ降ってくる。



「アレを使ったんだろう? 町は当初の予定通り俺様たちでやるから、貴様は今のうちに休んでおけ」


 そう言って出て行ってしまう。

 シスターテレサにも休むように言われて、言われた通りに休む事にした。




次話更新は明日の予定です。

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