討伐隊
PV5万、ユニーク1万1千人達成しました。
ブックマーク、評価をしてくれた方々、読んでくれている方々に感謝です。
町へ向かったのは僕とギルガメシュさん、ディルムッド、スカサハさん、アレスさんの奥さん、ギルガメシュさんの戦闘奴隷が3人、後は5人の冒険者の全員で13名。
その中のギルガメシュさんの戦闘奴隷は1人がウィザードと2人は戦士で、5人の冒険者のうち3人がウィザードで2人が戦士で、残るアレスさんの奥さん……名前はイシスさん……が、神官戦士にして聖歌も使える。
そこにゲッコとガーゴも加わる感じだ。
神官が1人しかいないため、下手にパーティを二分しないほうがいいとギルガメシュさんの考えで、全員で固まって町へ向かうことになるんだけど……
パーティリーダーはもちろんギルガメシュさんで、ここ数日までの指揮能力の高さから誰1人文句を言う人はいない。
むしろギルガメシュさんがいれば安心なんて声まで聞こえるほどだ。
「陣形はイシスを中央に守るように囲うように組め。 先頭はマイセンだけいれば十分だから、後は適当でいいぞ」
ひどっ!
そう思ったのは僕だけで、みんなからは笑いが起こっている。
「貴様の強さは皆の支えになっている。 もっと自信を持て」
「なんか納得できませんがわかりました。 それでどうするんですか? かたっぱしから倒していく感じですか?」
「蜂だか蟻のようなものなのだろう?」
ギルガメシュさんは僕が言った事を何気なく口にしただけだと思う。 だけど僕は今の言葉で思い出した。
「そうか、思い出した!」
急に大声をあげてみんなが驚いた顔を見せたけど、そんな事は今は関係ない。
もしもゼノモーフが蟻なんかに似たような生態を持っているのなら、女王を殺せばコロニーは崩壊する。
もちろん次の女王になれるゼノモーフがいなければのはなしだけど。
早速この事をみんなにも話してみる。
「女王を殺す、言うのは簡単だが居場所がわからないではないか?」
まずはギルガメシュさんから当然の事が言われる。
「女王というとやはりマイセンの言っていたディアという女性なのだろう? おそらくそこにはニークアヴォもいるんじゃないかと俺は思うんだがね?」
ディルムッドが更に追従してくる。
もちろんその可能性は否定できない。
「現実的な案ではなさそうに思える。 それともお主に何か考えでもあるのか?」
スカサハさんも難しい顔をしながら聞いてきた。
確かに実際困難に思えることを僕は口にしたのはわかっている。 だけど、ゼノモーフ自体を倒しても女王がいる限りいくらでも増やせる。
そう、それこそこの世界を食い尽くすだけの数にだってできるはずだ。
ただそれをやってしまうと、ゼノモーフたち自身のエサがなくなってしまい、結果繁栄が望めなくなるような事はしないだろうけど。
それでも結局女王の居場所がわからなければ無意味な考えでしかない。
「とりあえずだ、マイセンのその考えは後にして俺様たちはなすべき事を済ませに行く、それと食料が見つかれば持って帰るぞ」
オオーと声が上がって町中へと足を踏み入れていった。
町に入るとあちこちに無残に殺された死体が並んでいて、そのあまりの酷さに戻してしまう人までいる。
そして絶対的な個数はもはや少なくなっているけど、ゼノモーフはまだまだいて僕らに襲いかかってくる。
ただあの防衛戦を切り抜けた僕たちは、10匹程度であれば一気に来ても十分対処できるまでに経験を積んでいて、さほど苦労せずに討伐していける。
「お、冒険者ギルドだ!」
誰かがそんな言葉を発して、なんだかひどく懐かしく感じる冒険者ギルドをみんなで見つめた。
「あそこはいい、それより貴様らは食料を探せ!」
「それなら商店街のほうだ」
冒険者ギルドを横切る形で商店街のほうへ向かっていく……
ここで僕は結構な数の気配を感じ取る。
しかもその場所は冒険者ギルドの方からだ。
「ギルガメシュさん、冒険者ギルドの中の方から気配を感じます」
「どっちかまではわからないんだったな?」
ギルガメシュさんが聞いているのはもちろんゼノモーフか人かという事で、当然気配だけではわからない。
動いていれば速度なんかである程度区別できるけど、身動きしないで固まっているため判断はつかなかった。
「マイセン、貴様が行ってこい。 狭い建物の中だ、もしゼノモーフであれば貴様の剣技でまとめて仕留められるだろう」
「わかりました」
ギルガメシュさんたちと別れて1人で冒険者ギルドの中に入った僕は、気配のある方へと進んでいく。
……ギルドマスター、オーデンさんの部屋の方だ。
オーデンさんの部屋に辿り着いたけど誰もいない……というよりも、気配はそこよりもまだ離れているようだ。
という事はここのどこかに隠し通路があるのか。
くまなく探しても見つからなくて、仕方がなく1度冒険者ギルドを出てスカサハさんを呼びに行こうとした時だった。
接近する気配を感じて入り口の方を見るとゼノモーフが僕めがけて向かってきていた。
チンッ!
鯉口を切って居合斬りでゼノモーフの『気』を絶つ。
……おかしいぞ? 入り口の方からってみんながいる方じゃないか。
まさか何かあった?
引き返すべきか迷っているとどこかから声が聞こえてきた気がする。
でもそれは気のせいではなく、次はもっとはっきりと聞こえてきた。
「……マイセンか?」
「オーデンさん!? どこです?」
ガチャっと音がして音がした方を見ると、本棚の奥に扉が現れてオーデンさんの姿がある。 ただし非常に弱って見えた。
次話更新は明日です。




