スカサハの拷問
スカサハさんが行った拷問……それはネズミ獣人の陰茎を手で優しく扱い、快感を与えたところで手を止めて質問を繰り返すことだった。
「こ、こんな事をされても口は割らん!」
「そうか? お主が男である以上、どこまで耐えれるか見ものだ。 せいぜい耐えてみせるのだな」
スカサハさんは見てる僕も我慢が出来なくなりそうな行為を繰り返して、ネズミ獣人に寸止めを繰り返しては質問している。
正直言って僕ならもう耐えきれないで、全てを喋ってしまっていると思う。
「素直に言えば……解放してやってもよいのだぞ?」
僕のも解放して欲しいぐらいです。 アラスカ……ドラウの拷問って、見てる方も辛いよ……
ディルムッドはというと、慣れているのか苦笑いを浮かべながらその様子を見守っている。
シスターテレサは優しく残酷な拷問だねぇなんてニコニコしながら見ていた。
そして何度かの寸止めを食らったネズミ獣人がついに耐えきれなくなる。
「ほ、本当だな! 言ったら……」
「約束は守ろう」
妖艶な顔を浮かべてネズミ獣人の言葉を途中で遮って答えた。
そこからはあっけないぐらいにネズミ獣人は口を割りはじめて、猫ちゃんを連れ戻そうとした仲間が死んでいるのを発見して、ただちに僕とスカサハさんの暗殺命令が出されたそうだ。 猫ちゃんに関しては生きて連れ戻せと言われていたらしい。
「なぜそうまでして私らは殺害で、チェシャは連れ戻そうとする?」
僕もそこが疑問だったけど、ネズミ獣人の男も理由までは知らないようだった。
となると今後も狙ってくるのかと聞けば、今回のコレがおそらく最後のチャンスだと言っていたそうだ。
理由はこちらもいくら聞いてもネズミ獣人は本当に知らないようだった。
「これで全て答えたぞ!」
「まだだ……なぜそんな場所に刺青を入れるのかを聞いていない」
いやそこ、1番どうでもいいと思うんですけど……
「そんなこと決まっている。 ココであればそう容易く見つかることはなく、仮に殺られたとしても持って行く奴なんかいないからだ!」
「ほぉ? コレはお主の相棒のものだが、私はどうやら例外のようだな」
そう言って見せたモノはまたも陰茎で、それを見たネズミ獣人が小さく悲鳴をあげた。
「どうやらデスのメンバーの暗殺者の中でもランクは低そうだねぇ」
シスターテレサが言うには、ランクの高い暗殺者は感情や精神すらコントロールするから、今のような拷問をやってもなんら効果はないんだそう。
「低ランで悪かったな! だが知っていることは喋ったんだ約束は守ってもらうぞ!」
期待に満ちた目と股間をいきり立たせながらネズミ獣人が吠える。
「もちろんだ。 その縄を解いてお主を解放してやろう」
な!? とネズミ獣人と僕が同時に声をあげる。 すっかりスカサハさんに致してもらえるものだとばかり思っていた。
そしてその時のシスターテレサが呆れた目で僕を見ているのに気がついて非常に恥ずかしい。
「や、約束が違う!」
「間違ってはいないであろう? 私はお主に『素直に言えば……解放してやってもよいのだぞ?』と言ったのだ」
「くっ……卑劣な。 ならばさっさと俺を解放しろ!」
「ああ、もちろん私らはお主を解放する。 だが……こちらにいる宮廷司祭殿とはまた話は別になってくるようだ」
そう言ってスカサハさんは縄を解いて解放するのだけど、直後にシスターテレサの神聖魔法によって束縛されてしまった。
「おい汚ねぇぞ!」
「いいや、間違っちゃいないよ。 お前さんが関わった3人とは解決して、たった今ちゃんと解放しただろうよ。 ただデスのメンバーを、た、ま、た、ま、見つけてしまった国に使える身である私としては逃すわけにはいかないねぇ」
シスターテレサって結構悪なのね……
というよりも、最初からこうするつもりだったようだ。
ただ同じ男として、あらゆるところでネズミ獣人がかわいそうに思えてしまったのは内緒にしておこう。
深夜だというのにシスターテレサは、これから大統領府へ連れて行くとディルムッドを伴って向かってしまい、僕とスカサハさんだけが残された。
まぁゲッコとガーゴもいるけどなんか気まずい空気が流れている。
「じゃ、じゃあ僕らは先に休みますか?」
「そうするか」
意外にも帰ってきた返事は普通で、少しだけ期待していた僕は表し抜かれる。
もちろん断るつもりでいたよ?
孤児院の中に戻るとカルラが起きて迎えてくれる。
そしてスカサハさんに客間にあるベッドを割り当てて、僕には以前使っていた元シスターテレサの部屋へ通された。
「客間なんていつの間に?」
「ほったて小屋程度ですけど、ディルムッドが作ってくれたんです」
「そうなんだ。 ディルムッドって案外器用なんだね」
「はい、私も驚きです」
少しだけカルラと談笑して部屋に入ってベッドに横になって寝ようとしたけど、どうにもさっきのが自分のことのように脳裏に浮かんで寝つけない。
“誘惑に負けなかったご褒美に私が生気を吸い取ってあげようか?”
断る理由がどこにあるだろうか。 僕は迷うことなく力強く頷いた。
“それじゃあ……いただき、ます!”
期待とは裏腹に、キャロは僕の腕を掴んで直接生気を吸い取ってくる。
な、なんでー?
期待していたのと違うよ。
僕はそのまま意識を失うように倒れた……
次話更新は明日を予定しています。




