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2人の仲間

遅くなりました。

 冒険者ギルドの一室に入って改めて自己紹介をすると、やはり7つ星の騎士団のアラスカは有名で2人とも驚かれたみたいだった。

 そしてすぐに本題に入る。



「実は迷宮探索は攻略ではなくて……探し物が目的です」

「ふむ、攻略ではないのか。 で、その探し物とはなんじゃ?」


 とても神官とは思えない重装備のドワーフのトールさんが詳しく聞いてくる。

 そこで僕が口ごもると2人が訝しげな顔をしだしてしまう。



「言いにくい内容のようだが、こちらも命を張る以上聞かせてもらえぬのであれば……なかったことにしてもらうしかないな」


 とドラウのスカサハさんが冷たく言い放ってきて、僕ではなくアラスカに目を向けた。

 ちなみにスカサハさんはドラウの女性特有の青白い肌を露出したレザーのボンテージ姿で、目のやり場にも困るほどボンキュボンなプロポーションで、長い白い髪はポニーテールにして纏めている。



「言えるところまでは説明しよう」


 そういってアラスカが僕の目がスカサハさんの胸に目がいってるのに気がついて、足を蹴られちゃう。



 説明はアラスカがするんだけど、まずは一切の口外を禁止することを最初に確認した後、迷宮の謎を探ることが目的であることを話す。



「それはつまるとこ迷宮攻略ではないのかの?」

「近いかもしれないが、少し違うかもしれない」

「出会ったばかりで信用できぬ……といったところか?」


 さすがに常に単身で解決する7つ星の騎士のアラスカも困った表情を浮かべると、トールさんが片手を上げて【鍛冶の神スミス&トニー】に誓って口外しないと言ってくれて、どれを見たスカサハさんも同じように【保護の神ロルス】に誓おうって言ってきた。


 この世界において神に誓いを立てる事は魔法の強制(ギアス)よりも重い。 それをここまでしてくれるのに信用しないわけにもいかないと思う。



「実は依頼主は、世界(ワールド)守護者(ガーディアン)なんです」


 当然2人ともハァ? って顔になる。

 それもそのはず、世界(ワールド)守護者(ガーディアン)と言えば人種の神々どころか、全神々の頂点に位置する創造神の執行者だ。



「人種の神であればわからなくもないが、まさか世界(ワールド)守護者(ガーディアン)とわな」

「しかし7つ星の騎士が……嘘をつくはずもないか」


 僕よりもアラスカが信用されるのは仕方がないとはいえ、ちょっぴり寂しい。


 アラスカが2人にさっきよりも詳しく話をしている間、僕はぼうっとスカサハさんを眺めていた。


 ディルムッド同様ドラウの特徴である彫りの深い顔立ちに、片眉が常に上がっていて自信たっぷりな顔をしている。

 そして何よりもアラスカにはない胸の大きさについつい見惚れてしまう。



「お主は……ドラウがそんなに珍しいのか?」


 視線に耐えきれなくなった様子で僕に声をかけてきた。



「え! あ、いえ、ドラウは仲間にいました。 ただドラウの女性は初めてで……」

「ふむ……ちなみにそのドラウの名は何というのだ?」

「ディルムッドです」


 ガタッと音を立てて椅子から立ち上がると、黒い下着のようなパンツが目に入って赤面すると、アラスカが足をガンガン蹴ってきた。



「い、痛い! アラスカごめんってば」

「ディルムッド……まさか地下世界(アンダーダーク)時代から生きるディルムッドだというのか!?」

「あ、はい。 そうですね」


 アラスカの蹴りが収まらず謝りながら答えていると、スカサハさんがいつか紹介してほしいって言ってきた。



「紹介するのはいいですけど、ディルムッドは結婚してますからね?」

「そんなたいそれた事は望んでいない。 ただ……一度会って手合わせをしてもらいたい……それだけだ」


 ディルムッドってそんなに有名な人だったのかぁ。

 で、アラスカはまだ僕の足を蹴ってきていてあとで絶対に加減腫れ上がりそうだ。



「うおっほん! それより仲間はこの4人だけなのか?」


 僕たちのやり取りに呆れた様子でトールさんが止めに入ってくれたおかげで、アラスカの蹴りも止まってくれた。



「あとは3人……いますが、基本的にはこの4人で、前衛は僕とアラスカに任せてください」

「ほぉ、随分な自信じゃな」

「こう見えて彼は『(オーラ)斬りのマイセン』の二つ名を持っている。 実力は折り紙つきだ」


 二つ名を持っていることに驚いた顔を見せてくる。



「それで二つ名の由来はなんだ?」


 そこで腰に差してある(キャロン)の鯉口をチンっと音色を立てながら抜いて見せる。



「これは……美しい武器だ」

「シミターでもカットラスでもない。 初めて見る武器じゃ」


 2人とも(キャロン)に魅入りながら感想を口にしてくる。



「刀という武器だそうです。 これと今身につけている鎧は、実は【鍛冶の神スミス&トニー】様が作ってくれたものなんです」

「ファッ! 何じゃと!? 儂は鍛冶師ではないが、【鍛冶の神スミス&トニー】の作った物であれば是非にとも手に取って拝ませては貰えんじゃろうか?」

「かまいませんよ、この刀の名前は(キャロン)と名づけてあります」


 一度鞘に収めてからトールさんに手渡すと、見た目よりも重量があることに驚いている。



「コイツはなるほど……ほぉほぉ」


 何だか1人の世界に旅立ってしまい、その間にスカサハさんが3人の事を聞いてきた。



「それは場所まで移動してから話そう、その方が早い」



 という事で宿屋の離れの馬小屋に向かうことになった。




次話更新は明日です。

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