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僕の求める未来とは

「まず例の隠し通路、あそこにはあたしとディルムッドとカルラで調査するわ。 残る3人は3人で町の方をもっと調査をしなさい。 その際のリーダーはアラスカ、貴女がやって」


 既に話が付いているディルムッドとアラスカは頷いて、僕とカルラも頷く。



「アラスカ卿とマイセンは夫婦なのだから、私は別行動の方が良いのではないか?」


 意を唱えたのはプリュンダラーだけだ。



「貴方はダメ、信用がおけないから2人に見張ってもらう意味もあるの」

「なっ!?」


 プリュンダラーが絶句する。

 さすがにこれだけハッキリ言われたら僕だって言葉が出なくなると思う。


 しかも理由が、僕とアラスカなら不意打ちも防げるからとそこまで言い切ってきた。



「私は! 7つ星の騎士団として裏切るような事はしない!」

「ふーん? なら別に構わないじゃない。 なんなら2人がイチャつかないように見張っておいてくれればいいわ」


 どうあがいても無駄だと悟ったプリュンダラーは諦めたのかそれ以上何も言わなくなった。






 アリエル様たちが先に町に向かったあと、僕たちも町に向かい出そうとした時になってプリュンダラーがアリエル様がいなくなったのをいいことにアラスカに抗議をしはじめてくる。


 いつまで経っても町に向かえずにいると、アラスカがついには折れてプリュンダラーは別行動を許してしまう。



「大丈夫なのアラスカ」

「これ以上町にも向かえなくても困るから仕方がないだろう。 だがプリュンダラー、往復は一緒に行動するのだけは守ってもらうぞ」


 これでやっとプリュンダラーは納得して町に向かうことになった。

 ただ道中は3人無言のままで非常に雰囲気は悪いままで、町に着くなりプリュンダラーは僕たちから離れていってしまう。



「よかったの?」

「実はあれはアリエルからの指示でな、この後少し時間をおいてから私たちもあの家に向かって、プリュンダラーが悪さをしないか確認を取る段取りだ」

「なるほどね」


 最初からここまで考えていたなんて凄いな。

 こんなにアリエル様は頭がいいのに、ニークアヴォはもっと頭がいいというんだから驚きだ。

 アラスカの話だとニークアヴォは、年単位どころか数百年数千年以上先まで考えて行動しているなんて言ってくる。



「そんな先まで!?」

「おそらくな。 この町を出たところから今日までは恐らく考えられた行動かもしれない」


 もっとも目的を達成する為のポイントポイントを押さえている感じだろうって事らしい。



「僕には無理だなぁ。 そんな先よりアラスカと2人きりの今の方が大事だし」

「……そ、そうだな」


 アラスカの腰を抱き寄せると、顔を赤くさせながら僕の腕を掴んできた。



「マイセンは……この先どうしたいのだ?」

「アラスカを抱きたい?」

「違うっっっ! いや、違わないが……私が言っているのはこの調査が終わった後の事だ」


 操作が終わったあとかぁ……そうだなぁ……



「アラスカに僕の子供を産んでもらって、一緒に孤児院で兄弟たちと暮らしていけたらいいなぁ。 あ、でもそうするとセッターの望みは叶わなくなっちゃうか……」


 アラスカが僕を抱きしめて口づけしてくる。



「私の父の望みなんてマイセンが背負う必要ない。 私が君の子を産むから、だから一緒に孤児院で暮らそう」


 あのアラスカが目に涙を浮かべながら僕に訴えてきた。



「アラスカ、それ本気!?」

「ああっ、もちろん本気だ!」

「じゃあ、こんな捜査なんてさっさと終わらせて帰らないといけないね」

「そうだ、早く終わらせてしまおう!」


 もう一度口づけをして抱きしめ合うんだけど、本当にそれでよかったのかな……ねぇ、(セッター)





 アラスカが僕に寄り添いながら町をうろついて、頃合いを見計らって建物に向かって移動する。

 建物に近づく頃にはアラスカはいつでも行動に移れるように僕から離れた。



「建物の中に感知(センス)できる者がいたら私は有無を言わさず走る。 マイセンはあとからついてきて、もし逃げ出したりする気配を感じ取れたら追ってほしい」

「わかったよアラスカ」


 付け加えてアラスカは決して無理な深追いはしないように注意してくる。

 理由は7つ星の騎士であるプリュンダラーともし対峙するようなことになった場合、僕の『(オーラ)』を読む力と騎士魔法の予測(プレディクション)はおそらく相殺するだろうと、そうなれば僕とプリュンダラーが争った場合、純粋な戦闘技術同士になると僕では勝てないと……



「その時はすぐに駆けつける。 君は足止めぐらいの気持ちでいてほしい」


 それはそれでなんだか悔しいけど、レイスと戦ったあの時に十分思い知っている。

 アラスカに頷いて答えた。



「ちなみに誰もいなかったらどうするの?」

「その時は待機しているように言われている」




 もうそろそろ建物が感知(センス)の範囲に入ろうというところまで接近するとアラスカが僕を見て頷いてくる。

 感知(センス)の範囲に入ったと思われるところでアラスカの足が止まった。



「2つ!?」

「え?」

「2人いる……いや、もしかしたら1つは違うのかもしれないが……」


 アラスカが駆けだして僕には手筈通りと叫んだ。

 僕も急いで走るけど、アラスカの走る速度の速さは驚かされるほどに早く、あっという間に離されていく。

 なので僕は言われた通り気配が感じ取れる距離まで急いだ。



 気配が感じ取れる距離まで辿り着くと、建物の中からアラスカと入れ替わる形で1人が僕の方に向かってくる。

 僕が気配を感じ取れるということは、間違いなく最初にいた2人はゴーストなどではない事がわかった。


 僕に向かってきていた人物、プリュンダラーがその姿を見せた。




次話更新は明日の予定です。

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