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憑依しちゃった

 心地よい疲労を感じながら、隣で横になっているアラスカの髪の毛を撫でる。



「大丈夫だった?」


 真っ赤に顔をさせながら僕を見つめてきて恥ずかしそうにしている。

 ベッドには毛布もないからアラスカは裸のままで、なんだかさっきよりも更に色っぽく見える。



「え?」


 驚くアラスカを抱きしめて口づけを1度する。



「その……もう一回いいかな……」

「……この身は君に捧げたのだ。 好きにしてもらって構わない」

「もうちょっと素直な言い方してよ」

「……私も、君に抱かれたい……」


 このあと結局数回続けて行為に及んだ。





“えーと、そろそろいいかしら?”


 ひょっこりキャロが現れて裸で横たわる僕たちの前に姿を見せてくる。

 キャロ視線はアラスカの股間辺りをを見つめていて、小声で「どれだけやってるのよ」とか言われてしまう。

 アラスカはだらしない格好のまま脱力していて、キャロが姿を見せても身体を動かさないでいる。



「ちょっと……やり過ぎちゃったかな……あはは」

“とりあえず報告から……と思ったんだけど、そろそろ急がないと襲撃が始まっちゃうわよ”

「もうそんな時間!? アラスカ!」


 アラスカを呼んで見てみると、まだ脱力したまま起きれそうになさそうだ。



「ど、どうしよう……」

“マイセンがしでかしたことなんだから、なんとかするしかないんじゃない?”

「そうだよねぇ……」


 スッキリしている僕は身体を起こして服と鎧を身につけて、そのあと僕がアラスカの下着を着させていく……の、だけど。



「コレってどうしたらいいの?」

“そこまで私に聞く? 自分でやった事じゃない”


 まぁそうなんだけど、拭うものもないこの状況、仕方がないからそのまま着させるしかなかった。


 手こずりながらもなんとか服を着させたまではいいけど、このままでは抱えて町外れまで間に合うかわからない。



“じゃああとは私がなんとしてみる”

「え?」


 スゥっとアラスカの中に入り込んで、キャロの姿が消えていったと思ったらアラスカが何事もなかったように立ち上がる。



「うん、うまくいったみたい。 これならなんとかなりそうね」

「え! え? アラスカ?」


 アラスカの姿で口調だけキャロになっている。

 驚く僕にアラスカが説明してきた。



「今アラスカさんの身体を支配しているのは私……キャロンよ。 憑依した状態でね、アラスカさんはこの間は眠っているような状態……でもないんだけど……とりあえず急ぎましょう」


 わけがわからないけど、とりあえずキャロがアラスカを動かしてくれているみたいだ。


 急いで町外れに向かって移動する中、キャロに詳しく話を聞かせてもらうと、今は身体をキャロが乗っ取って操っているそうで、この間もアラスカは意識はあるけど、自由を奪われているんだそうだ。

 普段のアラスカであれば憑依なんて到底無理らしいけど、ここまで脱力していると抵抗できないらしい。



「もっとも感覚自体は私に伝わらないから、アラスカさんの身体でマイセンの事を触っても、私には触感は感じられないんだけどね」


 なんてなぜか少しだけ顔を赤らめて言ってくる。 つまりそれは憑依した状態であっても、僕が触れた感覚は感じないって事なんだろう。


 ……あ、そういう事か。




 そろそろ町外れに近づくと、1度立ち止まってアラスカと意識を変わる。



「それじゃあ、またね—————」


 そう言うと1度目を閉じて、もう1度目を開けた時にはアラスカに戻ったみたいだ。



「アラスカ?」

「あ、ああ、大丈夫……あ—————」


 急に顔を真っ赤にさせて後ろをむきだして、声にならない叫びのようなものをあげだす。 その手が股間辺りに触れているところから、なんとなく理由がわかって謝っておいた。



「急いでたのと拭うものがなかったからごめん」

「う、い、いや、わかってる。 意識はあったから……な。 しかしこれは……」


 キャロだった時は説明を聞いてて気にしなかったから気がつかなかったけど、僕のが逆流していてアラスカの股間辺りは大変な事になっていたようだ……


 って、僕のせいなんだけどね。


 実際に覗き見ても、パンツの上に履くパンツだかまでお漏らししたみたいなシミになっていて、腿をつたったあとも見える。



「うぅ……さすがにこれでは誰が見ても一目瞭然ではないか……」


 アラスカはそう嘆いているけど、僕はなんだかちょっぴり優越感というか自分のものにしたと思う征服感を感じられて嬉しい。

 アシンメトリーのスカートのせいで、余計に見えやすいのがここにきて露呈してしまい、必死に位置や角度を変えたりしたけど諦めたみたいだ。





 みんなが待つ町外れまで来た時にちょうど襲撃がはじまったようで、後方の町から悲鳴があがり出す。



「遅い! ギリギリじゃない」


 そしてアリエル様に怒られるんだけど、僕がニークアヴォといた家のベッドの下に通路だか空間がある場所を見つけた事を話すと、驚いた表情を見せてくる。


 だけどそれもアラスカの方を見て、すぐに睨むような顔に変わった。



「なるほどね、よく見つけたと言いたいところだけど、私のいる前でイチャつかないようにって言ったわよね?」

「言われましたけど、アリエル様のいるところじゃなかったですから」

「はぁ……まぁいいわ。 隠し通路だか空間を見つけた、って事は調べてはいないわけね?」

「はい……」


 大きくため息をついたあと、今回の襲撃が終わったあとの捜索するペアを口にする。


 まず僕はアリエル様とその家の隠された場所の捜索をする事になって、残った4人の顔を見つめたあと、こう言ってきた。



「あたしが見回った限りだと、町には危険がなさそうだから、各個人それぞれで調べてもらう事にするわ」


 なんだか引っかかる言い方をした気がするけど、アラスカとディルムッドはその意味がわかったようで頷いている。



「それはつまりペアを組まずに各個人の判断でという事ですかな?」


 そこでプリュンダラーが聞き返し、アリエル様が頷いて返していた。 だけどその目はアラスカの事をジッと見ているのに僕は気がついていた。




次話更新は明日の予定です。

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