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初報酬

「初クエスト」最終話です。

次話から町パートになります。

 朝日が入り込んで、目がさめる。 でも今朝はスッキリした気分がしない。

 ふと、昨日ギルドマスターから渡された依頼(クエスト)を思いだす。



依頼(クエスト)完了の手続きをしなきゃ……」


 独り言を呟きながら起きて冒険者ギルドに向かうと、冒険者ギルドに人だかりができている。



 冒険者ギルドの中になんとか入ると、大きく張り出された告知にデカデカとダンジョンに関して書かれていた。



“霊峰竜角山のダンジョンに挑むものに告ぐ!

7つ星の騎士団の報告により、本日以後、可能な限りクランを組んで挑むこと。 また決して無理もしないように”



 どうやら昨日のことが関係しているのだというのがわかる。

 アレスさんもフレイさんも登頂組で名を馳せた冒険者にもかかわらず、ダンジョンはデプス1で既に強敵だらけだった。 亡くなってしまった3人もきっとそれ相応に実力のある人だったに違いない。




「マイセン君」


 僕がそんなことを考えているとヴェルさんから声がかかる。



「おはようございます……」

「元気ないわね。 まぁ昨日の今日だから無理もないかな」


 ヴェルさんはもういつものヴェルさんに戻っていた。 平然としていることに不思議に思っていると、ヴェルさんが気がついてそっと教えてくれる。



「冒険者ギルドの職員をやっていると、10日に1度は昨日みたいなことがあるの……」


 慣れちゃうなんていけないことなんだけどねって、少し寂しそうな顔をしながら話してくれる。



「さて、それはさておいて、依頼(クエスト)は達成したって聞いているわよ」

「あ、はい」


 僕は背負袋(バックパック)に詰めた苔を取り出して、ついでにバグベアの所で入手した袋も出す。



「わぁ、すごい量。 これなら十分すぎるぐらいね。 それと、これは?」

「昨日、落ちて1人になってるときにバグベアに襲われて倒して手に入れたものです」

「バグベア!? マイセン君が1人で!?」



 ヴェルさんの驚いた声で、一瞬ギルド内が静まり返る。



「えーと、とりあえず中身を確認するわね」


 周りに笑顔で謝ったあと、ヴェルさんは手袋をはめて汚い袋を開く。



 僕自身まだ中は確認していなくて、初めて次々と取り出されていく中身を一緒に確認する。



「うぇ……これは間違いなくバグベアだわ」


 そういってヴェルさんがまだ残っていた体の一部を取り出してテーブルの下に置いていく。



「あ、安心して。 これは後でちゃんと神殿に持っていくから……」


 顔を少しヒクつかせながらヴェルさんが取り出していく。

 昨日アレスさんが結構捨ててたと思ったんだけどって覗いてみると……残してあったのは男の人の男根だった。

 思わず自分のを抑えて確認してしまうほどだった。



「す、すいません……」

「う、うん、いいのよ、あははははは〜はぁ……」


 ぜんぶ取り除けると、今度はカウンターの上に並べていく。



「モーニングスターにダガーが数点、それとあら、これは宝石ね。 それと指輪(リング)が1点、他にもあるわね……」



 取り出した中身は結構あって、ヴェルさんも驚いている。



「すごいね、これ。 マイセン君これどうする?」

「どうすると言われても、どうしたらいいんですか?」

「そうねぇ、ギルドも損するか得するかわからないけど、ギルドで引き取りも出来るし、マイセン君が自分で売りに行くのもありよ?」


 どっちがいいか迷ったけど、僕はギルドに任せることにした。



「はい、それじゃあ少し待っててね」




 しばらくすると、ヴェルさんに呼ばれてカウンターに行く。



「じゃあまず依頼(クエスト)の報酬が、銀貨1枚に、バグベアの荷物の金額が金貨10枚で引き取らせてもらったわ」

「き、き、金貨10枚ぃぃぃぃ!?」


 そんな大金今まで持ったことがない。 驚いて大声を出してしまった。


*銀貨1枚=1万円 金貨1枚=10万円相当




「おめでとう、このお金は大事に使うのよ?」

「はい! ありがとうございます!」



 僕は冒険者になって初めてのダンジョンでお金持ちになれた。




次話更新は本日の11時半〜12時半頃を予定しています。


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