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お邪魔虫!

これでこの章はおしまいです。

 話が終わって部屋を出るとシスターテレサが大統領府から戻ってきていた。



「お帰りなさいシスターテレ……え?」

「なっ!? なぜお前がここにいる」

「アラスカ殿と同じ7つ星の騎士が孤児院の側にいたんでね、お話を伺ったところ明日の出立に当たって宿先が見つからないと困っていたんだよ、狭苦しいところで良ければとお連れしたのさ。 何か問題でもあったのかい?」


 なんとプリュンダラーさんがシスターテレサの後に続いて孤児院に入ってきていた。



「そういうわけですのでよろしくお願いします、アラスカ卿」


 アラスカに頭を下げる。



「シスターテレサ、私はアラスカ卿と部屋は同じで構いませんので」


 そしてとんでもないことを口走ってくる。

 慌ててシスターテレサを見ると、何か悟ったのかふむふむと頷きだす。



「7つ星の騎士殿、アラスカ殿の寝室はそちらにいるマイセンと2人で使っておるんで、気遣いしてやってもらえるかね?」

「それはどういうことですかな?」

「どうもこうも、そういう意味だよ」


 プリュンダラーさんがアラスカと僕を見比べてくる。 その時に僕を見る目はまるでなんでお前のような奴がとでも言っているように見えた。



「わかりました。 それでは……君と代わって貰えば問題は解決する」

「プリュンダラー! お前……」

「アラスカ、待って。 プリュンダラーさん、アラスカと僕は夫婦です。 夫婦が一緒の部屋なのは当たり前でしょう? それとも僕を追い出してでもアラスカと過ごすとでも言うのでしょうか?」


 僕がそう言って結婚指輪を見せると、アラスカもお揃いの結婚指輪を見せてくる。



「……そういう事であれば、私が引くべきですね。 失礼しました」


 案外あっけなく引いてくれた。

 結婚したというのもあるけど、兄弟たちが集まって見ていたのもあるからだろう。



「カルラ、頼みがある」

「はい、なんでしょうか、マダム アラスカ」

「今晩の子供達の入浴をカルラに任せたいのだが……」

「かしこまりました、マダム アラスカ。 マイセン様とご一緒に入られるのですね?」

「ああ、よろしく頼む」


 うわぁい、アラスカと2人きりの入浴だぁ、じゃなくて、アラスカの視線の先を見るとどうやらそういう意味合いで一緒に入るわけでは無さそうだ。


 そしてアラスカの言う事を素直に聞くカルラを不思議に思ってると、カルラが気がついたのか、マイセン様の奥方様であれば、マダム アラスカも私の主人ですって言ってきた。




 食事を済ませたカルラが早く寝つかせる為に先に兄弟たちと先にお風呂に入り、その後にプリュンダラーさんが入浴を済ませる。

 シスターテレサが続いて入って、最後が僕たちになった。



「2人が最後だからゆっくりするといいよ」


 ヒヒヒとでも言いそうな顔でシスターテレサが言ってきた。




 脱衣所につくとアラスカがため息をつく。



「なぜプリュンダラーはあんな事をしでかしたのだろうな」

「アラスカの事が好きだからじゃない?」

「だとしたら寝込みを襲うか普通」


 確かに……



「それはそうとして、なんで僕と一緒に?」

「ああ……申し訳ないと思ったが、こうすれば入ってきたりはしないだろうと思ったのだ」


 どうやらアラスカは先ほど寝室の場所の話ですぐに諦めたのを上手く利用したみたいだ。



「そういう事なんだ。 でも僕はアラスカと一緒に入れて嬉しいよ?」

「そ、そうか!」



 そんなわけで2人とも生まれたままの姿になってお風呂に入る。 これで2度目になるけど、前回の時と違って今回は僕も隠すところを隠さないし、アラスカの綺麗な裸も凝視しない程度にしっかり見させてもらう。



「マイセン……その、あそこが凄いことになってるのだが……」

「好きな人と一緒に裸で入ってるんだから仕方がないじゃん? それともアラスカは無反応な方が良かった?」

「意地が悪いな、君は」


 お湯に浸かりながらのんびりそんな会話をしてると、まさかの気配がこちらに近づいてくるのに気がつく。



「アラスカ」

「ああ……やはりか」


 どうやらプリュンダラーさんはお風呂に入ってくるつもりらしい。

 こんな事なら湯衣をアラスカに着てもらっておけばよかったって内心思ったけど、一体誰がこれを予想できただろう。


 ところがそのプリュンダラーさんの暴挙とも思える行動も、もう1つの気配が現れた事で変わる。


 孤児院のお風呂はたくさんの兄弟たちがいっぺんに入れるように広く作ってあるにもかかわらず、脱衣所の方からこっちまで声が届いてくる。



「申し訳ありませんが、ただいまマイセン様と奥方様がお使いになられていますので控えてください!」


 さすがカルラ。 カルラのおかげでプリュンダラーさんも諦めたようで、2人の気配が去っていく。



「カルラに感謝しないとね」

「そうだな……しかし、プリュンダラーがいると思うと、その……このあと、しにくいな」


 顔を赤らめながらそんな事を言い出してくる。



「まぁ……明日からのアリエル様の調査が終わるまで仕方がなさそうだね」

「ああ、そうだな」


 とは言ったものの、このまま何もしないでっていうのはさすがにね……


 なのでちょっとだけ、抱きしめたりキスする程度だったけどイチャついてからお風呂を出た。




次話の更新は明日の予定です。


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