ディルムッドを探して冒険者ギルドへ
こんな時間に目が覚めてしまったので、ついでに更新しました。
カルラには孤児院を任せて僕が行くことにした。
戻ってから冒険者ギルドにも顔を出していないし、それに……
そんなわけでまずは冒険者ギルドに足を運ぶことにする。
「理由はわかったが、なぜ私も連れてきたのだ? しかも7つ星の騎士団の外套は身につけるなとはどういう事だ?」
「えっと、デート。 アラスカとゆっくり町を歩いたことなかったし、今後はそんな時間も取れなさそうだったから」
理由がわかると顔を真っ赤にさせてアラスカが照れだして頷いてきた。
「それじゃあ夫婦らしく腕組んで歩こうよ」
「う、ううう、うで、腕を組むのか!?」
「うん」
腕をちょっと出すと、おずおずといった感じで掴んでくる。
「こ、これでいいのか?」
「あとはもうちょっとくっつく感じで」
とまぁ僕が町で見かけたカップルのいいなって思ったくっつき方をして貰った。
町はゼノモーフによって荒らされた場所を急ピッチで修繕されていて忙しそうに見える。
冒険者ギルドについて中に入ると、ヴェルさんたちもギルド内の清掃なんかで忙しそうにしていた。
「あらマイセンく……」
「しょ、少年……」
「マ、マイセン君……」
腕を組んで入ってきた僕を見て3女神の掃除の手が止まる。
「3人共無事そうで良かったです」
「えっと……マイセン君。 隣で腕を組んでいる人は……」
「あ、外套を着ていないからわかりませんか? アラスカですよ」
「ちょっと待て! あたしの聞き間違いじゃなければ、今呼び捨てで呼んでいなかったか?」
「紹介します。 僕の妻になったアラスカです」
「妻!? 今マイセン君、妻って言いましたよね?」
どうやら驚かせちゃったみたいだ。
「まだ正式にお祝いはしてないですけど、近々行ければ神殿に行く予定です」
なんだか脱力してるような……
そんなところにギルドマスターのオーデンさんが姿を見せて、ヴェルさん、ウルドさん、スクルドさんがサボっていると勘違いして怒りだした。
「ギルマス、申し訳ありませんが今日はもう休ませてもらいます……」
「あたしも……」
「先輩たちズルいです! 私も休みますよ!」
「お前ら一体どうしたって……」
そこでやっとオーデンさんが僕たちに気がついて目を見開いてくる。
「マ、マイセン……お前、隣にいる人は……」
「はい、僕の妻になったアラスカです」
なんだか凄く信じられないものを見たような顔で見つめてくる。 そしてヴェルさんたちに向かって、今日は跡片付けはいいから店じまいの準備をするように指示を出してくる。
「まさかマイセンがアラスカ殿と結ばれるとはなぁ」
オーデンさんが言うには僕の知らないところで、僕は女性の間で絶大な人気だったらしい。
それは僕の特有の刀による戦い方とかパーティに入りたいからだとばかり思っていたけど、それは僕の勝手な勘違いだったらしくて、なんとかしてお近づきになろうとしていたらしかった。
という事はヴェルさんたちのあの態度は……もしかしたら僕に好意があったって事!?
「しかしまぁ相手がアラスカ殿となれば、誰も手出しはできんな! はっはっは!」
結局ヴェルさんたちとはろくに話もできないまま、冒険者ギルドを追い出されるように出て行く事になってしまう。
「なんだか私はまるで見世物にされているだけのような気がするんだが……」
「どちらかといえば、僕は自慢しているつもりなんだけどな? それよりディルムッドを探さないといけないね」
冒険者ギルドにいなければいる場所はただ1つ。 アラスカを連れて行くのは少しばかり抵抗がある歓楽街だろう……
アラスカに場所を言うとやっぱり少しばかり怪訝な顔を見せてくる。
「抵抗があるなら僕1人で行くけどどうする?」
口には出さなかったけど、僕の腕を掴む手に力が入ったから一緒に来るって事だろう。
でもこのあと、とんでもない事が起こるとは誰が予想できただろうか?
次話は本日また更新します。




