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魂の呼応

 キャロが着込んで持ち出したものはそのまま消える事がなくて、これで薄っすら透けて見えてさえいなければ一緒に暮らしていけそうなんだけどなぁ。



“ジッと見てどうしたの?”

「うん、ゴーストでもキャロがいてくれてよかったなぁって思ってた」


 死んでいったシリクさんたちを思い出して、もう会えないのではなくて会えるし話せるっていうのは、触れたりはできないけど目の前から消えてしまうよりもいい……

 ただ1つだけ気がかりがある。



「キャロは僕が死んだらどうなるの?」


 思った通り暗い表情でこの(キャロン)がある限り、存在し続ける事になるそうだ。



「その時はさ、次に(キャロン)を持つ人の手助けをしてあげて……もらえるかな……」

“うん……”


 なんだか重い空気になっちゃったな。



「あ!」


 キャロにアラスカのこと言うの忘れてたぁぁぁぁぁ!



“どうしたの?”


 隠し通せるものじゃないけど、これってやっぱり二股になるのかな? 地上に出れなければおしまいなんだしこれ以上場の空気が悪くなるかもしれない事は言うのをやめておこう……



「……なんでもないよ」






 道中では生き残りのゼノモーフもいるんじゃないかと思ったけど、蟻のように女王(クイーン)の命令に従ってくれていたおかげで、姿を見せる事はなく済んでいる……とはいっても今の僕の強敵はどちらかといえば気配を読めないアンデッドと、そして何よりも空腹だ。



 以前にも似たような事はあったけど、今回ばかりはさすがに以前のような奇跡は起こりえない。 アラスカは大統領府に向かったし、ディルムッドは冒険者ギルドに行ってゼノモーフの戦い方を教えているはずだ。

 それにどれだけ急いだところで今いるここはデプス8で初めての人なら8日はかかる。

 ディルムッドでもおそらく最低4日はかかるだろう……


 無謀と思える状況の中、襲いかかってくる魔物たちをたった1人で打ち倒していくしかない。




 さすがに疲労と空腹、何よりも水が欲しくなって限界が近づく。



「はぁ……はぁ……はぁ……今まだデプス6辺り……か……」

“マイセン、マイセン! 頑張ってよ”

「わかってる……ん、キャロ気持ち薄くなってきてない?」


 ずっと僕に付き添って霊体でいたキャロも、そろそろ霊体を保つのに限界がきているらしい。



「あとはなんとかするから、キャロは休んでていいよ」


 正直限界は近い。 だけどキャロにこれ以上無理をさせて最悪存在自体消えられたりしたら嫌だ。


 立ち上がってまだ大丈夫な振りを見せて、戻ってもらうっていう表現であってるのかはわからないけど、キャロには(キャロン)に戻ってもらう。




 もう少しだけ体に鞭を打って移動したところで、また何者かの気配が感じられた。


 1、2、3……マズイなぁ。 この辺りだと凄く運が良くてもオーガ、あるいわミノタウロス、最悪はエレメンタルなんかの魔法使ってくる魔物の可能性もある。 それ以前にもう戦うだけの体力もないというのに6体相手じゃ勝ち目はない……



 せめて一太刀ぐらいは……



 ——————諦めるのか?


 誰? まぁいいや、でももう限界なんだ。


 ——————せっかく生まれ変わってマスターに追いつけるかもしれない力を手に入れたというのにか?


 マスターって……まさか貴方はセッター!?


 ——————己を信じ戦うのだ! お前は私だ。 いずれマスターの横に立つ! その想いを忘れるんじゃない!


 マスターの横に立つ……サハラ様の横に……


 ——————人の身で神の如き高みに上れ!


 神の如き高みに……


 ———お前なら


 僕なら!



「僕(私)なら、辿り着いてみせる!!」




次話更新は明日です。


お正月で全然書き進められていません!

残り数話しか書き溜めがなくて結構ピンチだったり……



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