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サキュバスか!

遅くなりました。

 たった1人取り残されて、今更ながらなぜあのニークアヴォを全く疑わなかったのか不思議に思う。

 助けてくれたから? 傷を治してくれたから? わからない……

 そもそもそんな疑問すら湧かなかった。



“あれは巧妙な誘導ね”


 キャロも姿を見せて顎に手をやって考えるようなポーズをしている。



「誘導?」

“そ。 つまりハサンと関係があると思わせる前に怪我を治療をして、そこへ商談と言いつつ私の例をあげて気を完全にそらしていたでしょ”


 そうだった……それでニークアヴォと会ってからハサンの事を完全に忘れていたんだ。



「どうしよう……僕は取り返しのつかないことをしてしまったんじゃないかな?」

“そう思うのならばなんとしても地上に戻って、メーデイアさんに報告するしかないんじゃないかな”


 そうキャロは言うけど、どんなに急いでも地上までは3日はかかる。 他の冒険者との遭遇を期待したいところだけど……



「そうか、それで町にゼノモーフを湧かせたんだ!」

“どういうこと?”


 つまり町にゼノモーフが現れる事で、麓への立ち入りはできなくされる。 そんな中僕がここに来るのはニークアヴォの想定されていたことで、ここでディアさんの要件を満たしここに放置する。

 そうなれば僕はここで野垂れ死して情報は漏れないで済む。



“それはおかしいんじゃない? だって、それなら私だったら要件を満たしたあと殺しておくわよ?”

「さ、さらっと怖いこと言うね」


 そうなると思いつくことは、ここから絶対に戻れないようにしてある可能性がある。



「それでもなんとしても戻るしかないか……」

“そうだね”


 防具も無い、食料も水もない。 となればのんびりしている場合じゃ無いだろう。



「そういえばキャロはなんで姿を見せなかったの?」

“信用できる相手じゃなかったし、ゴーストとはいえ私は女で裸なんだよ?”


 あ……そうだったね……



「なんだか見慣れてきぃぃぃぃぃ!」

“くわぁぁぁぁぁ! こうしてやるうぅぅぅぅぅ!”


 キャロが触れてきて何か吸い取られる感覚がする。






 そのまま意識がなくなったようで、次に目が覚めた時にキャロが平謝りしてきた。



「ぼ、僕が悪かったからいいよ……」


 とは言ったものの、身体中の生気が吸い取られた気分だ……あ。



「もしかしたら、そうやって僕から生気を吸い取っていたの?」


 ん? なんかキャロの顔が赤い気がする。



“えっとね、マイセンが寝ている時にやり方は同じだけども、触れてる場所は違うところ。 えへっ”


 そう言いながら視線が僕の股間を見ている。 まさかと思って聞くと、そのまさかの場所に触れて生気を吸い取っていたようだった……


 ……それでここ1年、朝の整理現象がまったくなく、朝起きると軽い脱力感があったのか!



 キャロが言うには生気=精気でもあるらしく、ただ触れて生気を吸うよりも僕の身体の負担も少なく、より多くの生気が吸いとれるんだとか……


 おのれはサキュバスかっ!


 と、心の中で叫んでおいたのは内緒。 あ、でも僕は気がついていなかったから、色情霊のほうが合ってるのかな?



「……さてと、どちらにせよ早いとこ地上に戻らないとね」

“うん!”


 僕がぶっ倒れるぐらい生気を吸い取ったキャロは、いつも以上に元気そうだ……




 古代の町中のここがどの辺りかわからないし、とりあえずは建物の外に出てみよう。


 出口を探してうろついて出口らしい場所を見つける。 その間に目につくようなものもあったけど、僕にそんな猶予もなく急ぎ足で建物の外にでる。



 そこには僕の想像を超えた風景が広がっていた……




次話更新は明日の予定です。

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