第1章、夜の新たな学校(6)
明けましておめでとうございます。
これからも陰と陽の古文書をおねがいします。
『これが私立三位学園の生徒か…』
数十人の生徒が入ってきてバスの座席は一気に埋まる。
夜のとなりに生徒が来て、少しギュウギュウになった。
赤みがかった茶色のブレザーに、紺色のズボン、あるいはスカート、胸のところには赤・青・黄色が混ざった校章、男子も色は同じなのに女子の制服のほうが少し華やかに見える。向こうに着いたら夜はこれを着ることになる。
まだ夜のところには制服が届いていなかったので今この状況でわかったことがあった。それは、
『公立の制服って地味だな…』
まあとにかく、あと数分もすれば学校に着く。夜は何事にも溶け込む早さは自慢にはならないが得意だ。友達も前の学校で作れた、それに叔母だっているんだ。これで夜にも平穏な生活が…
『す、スカートに蜂が!?』
目の前の女子高生のスカートに蜂がいた。さっそくトラブル!
夙縁夜 「こんにちは。ネッシーが昨日風邪をひいてまだ治ってないので僕とカヨでお送りします。」
倖五花陽弧 「そ、そうですね…」
夙縁夜 「なんか今日ノリ悪いね。もしかして風邪うつった?」
倖五花陽弧 「だ、大丈夫ですよ! そんなことよりコメンタリー始めましょ!」
夙縁夜 「そうだね。えっと…、話せるのってどんなのかな…?」
倖五花陽弧 「今回は制服の話でいいんじゃない? うちの制服華やかだよね!」
夙縁夜 「そうだね、ほんとに良い色してるよね。凪雨とは大違い…」
倖五花陽弧 「凪雨はどんなのなの?」
夙縁夜 「学ラン。」
倖五花陽弧 「…え?」
夙縁夜 「センスのかけらもなかったな…」
倖五花陽弧 「そうなんだ…、大変だったね。」
夙縁夜 「うん、大変だった。第一ボタン止めたら苦しかった…」
倖五花陽弧 「そこなんですか…」
夙縁夜 「テンション低いよカヨ、本当に大丈夫? ちょっとおでこ見せて。」
倖五花陽弧 「え!? あ、ちょっと…」
夙縁夜 「…やっぱり高いね。保健室行くか?」
倖五花陽弧 「いっ、いいですよ! 本当に大丈夫だから…!」
夙縁夜 「そう? あんまり無理しないでね…」
倖五花陽弧 「や、やっぱり…、ナイトにはかないませんね…」
夙縁夜 「え、どういうこと…?」
倖五花陽弧 「実はね、しのぶさん風邪ひいてないの! うそなんです!!」
夙縁夜 「え、そうなの…?」
倖五花陽弧 「ふー、やっと言えた! やっぱり溜めこむのはよくないですね!」
夙縁夜 「そういえば、カヨはうそつくの苦手だったね…。っていうか、この前のおつかいは…」
倖五花陽弧 「詳しくは先週のコメンタリーを…、あれ?」
夙縁夜 「ええ!? ちょっと、カヨ大丈夫!?」
倖五花陽弧 「あれ、おかしいですね…。目の前がくらくら…」
夙縁夜 「もしかして風邪…?」
倖五花陽弧 「そういえば私、肩の荷がとれたら熱でやすいんでした…」
夙縁夜 「今日はこの辺にするか…。倒れて終わるなんて…」