第1章、夜の新たな学校(5)
読んでいただいてありがとうございます。
来年はネタの容量や仕事の都合上によりお休みします。
よいお年を!
5月1日、太陽がまぶしい。
夜は早起きが得意でなかった。いつもは7時半に起きて朝食や用意など済ませて学校に行っても8時半に間に合う。
それなのに、今日は6時に起きた。
『はぁ、眠い…』
しかし、こんな早起きも今日だけだ。次からは寮で暮らすんだからと自分に言い聞かせる。
『我慢我慢、早起きは今日だけだから…』
頑張って自分に言い聞かせているが、体が上手いこと動かない。電車の中で座るところを見つけたのに倒れそう…
それもこれもドラゴンのせいだ、ドラゴンめ今度あったら覚えてろと、夜は謎の闘志を燃やす。
8時頃、やっと電車から降りて、次はバスに乗った。
しばらくすると、『私立三位学園寮前』と名のついたバス停に止まった。
扉が開くと、何人かの乗客が入ってきた。
一極紫樹 「えーと、今回はナイトが見たくないというのと、この前のリベンジも含めて、私とカヨでお送りします。」
倖五花陽弧 「相変わらずナイトは朝が弱いですね。七時半って学校に間に合うのかな?」
一極紫樹 「家から学校まで徒歩で行けるって言ってたから遅刻に入らない時間には間に合うんだって。」
倖五花陽弧 「いいところに住んでたんだねナイトは。そう考えると転校は本当に最悪だったんだね。」
一極紫樹 「しかも寮から学校までちょっと距離あるからバス使うし…、あんまりいいことないかも…」
倖五花陽弧 「ああナイト危なっかしいですね、電車一本ですでにヘトヘトですね。」
一極紫樹 「これ、立ってるからまだいいけど座ってたら熟睡して目的地通りすぎそう…」
倖五花陽弧 「ありえそうですね…」
一極紫樹 「こんなので外で遊びに行けるのかな? 心配になってきた…」
倖五花陽弧 「今度ちょっと遠いところに連れて行かせたほうがいいかも知れないですね。」
一極紫樹 「そ、そうね! せっかくだし遊園地とかに行って…」
倖五花陽弧 「いや、ちょっと待ってくださいしのぶさん! 私たちが一緒に行くと駅着いたら起こす役になっちゃいますよ!」
一極紫樹 「あ、確かに…、じゃあどうすれば…」
倖五花陽弧 「一人で行かせるべきですね。何か良い方法ないですかね?」
一極紫樹 「一人で遠いところ行くなら…、自分がよほど欲しいものを買いに行くとか…?」
倖五花陽弧 「それいいですね! 題して、『夜くんのはじめての遠いおつかい』!」
一極紫樹 「なんで子どもっぽいイメージがあるんだろう…」
倖五花陽弧 「しのぶさん、実は駅前でこんな広告見つけたんですけど…」
一極紫樹 「こ、これは! ぱくぱくお菓子の家の新商品! どうしようすごく食べたい!」
倖五花陽弧 「そうですよね! ナイトにこれ頼んできてもらいましょうか!」
一極紫樹 「…でも自分で買いに行けって言われそう。」
倖五花陽弧 「そこは大丈夫! しのぶさんが風邪ひくフリすればいいんですよ!」
一極紫樹 「あ、なるほど。甘いもの食べたいから代わりに行ってきてって頼めそう…」
倖五花陽弧 「しかも女の子の部屋だからナイトを自然に入らせないようにできるね!」
一極紫樹 「じゃあ早速来週やっちゃおうか?」
倖五花陽弧 「やっちゃいましょう!!」
一極紫樹 「…っていうか、私たち悪いわね。」