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二日ぶりの風呂

二日ぶりの風呂は卵の殻が剥けるように気持ちが良い。

この清々しさを味わう為に我慢したと言ってもいい。

足元の排水溝には切れた髪が溜まっているが、気にならないほどにスッキリする。

掃除を怠ると髪の蓋ができ、水の流れが遮られて足元に水が溜まっていく。

足の爪ほどなら大丈夫だが、甲を過ぎ、踝あたりまで水位が上がると少し焦る。

風呂の扉と浴室の高さが踝より少し上くらいだからだ。外に水が溢れてしまうが、一度くらい水を溢れさせても面白そうだと思う。幸い浴室のドアを開けるとトイレな為、床はタイル敷きだ。問題はない。

こまめに掃除すればいいのだが、やる気が起きずにいつも足で髪の蓋を壊して水路を空けてやる。

すると、潮が引くように水が渦を巻いて吸い込まれていく。水がいなくなるのを足で感じるのも気持ちが良い。くすぐったい、波打ち際に立っている気分になるのだ。


今年海に行く予定はない。というより断ってしまった。毎年ご丁寧に誘ってくる奴がいるのだ。水着は持っているし、ゴーグルも、水泳帽もある。だが、断った。

理由はめんどくさかっただけだが、私を誘うのは一人ぐらいしかいないので今年はもう誘われることもないだろう。出てきた腹を誰かに見られるのも気が滅入る。


小学生の頃、家の近くのスイミングクラブに通っていた。引っ越しの為に二か所のクラブにそれぞれ数年通い、何が理由だったか忘れたがどちらもターンを習う前に辞めてしまった。泳ぐことは好きだった。特にクロールが好みだった。嫌いだったのは平泳ぎだ。何度コーチに足首を引っ張られてフォームを直されたか分からない。

練習帰りはいつもアイスかプリッツを買って、送迎バスの中で同じ団地の子と食べていた。月々のお小遣いという物は貰っていなかったが、プールに行くその時だけギリギリアイス等が買える小遣いを渡してくれていた。一緒に帰ってくる同じ団地の子供たちの輪に入れるようにだろう。全員が何かしらお菓子を食べながら帰路についていたのを母は、クラブに通う前に母達の会議で知っていたらしい。








冴えない男はいかがでしたでしょうか?

お読みいただきありがとうございました。

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