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‐ナルディアの述懐

 

 

 生まれた時から、私は否定されていた。

 誰かに、真に肯定されたいと、そう願っていた。

 はずだ。

 心の底の底の、パンドラの箱の底のような、禁断の私にも、本当の本当には、あったのだ、そういう心が、まだ。

 だから、どうか、信じてください、わたしの心を、わたしは、きっと、そんな貴方にだけ、真心を返します。

 

「法が無くなれば、世界は崩壊、瓦解する。

 タクティカルエントロピーは加速度的に増大し、世界は無秩序に、無政府状態の世界に逆戻る」


 世界は、およそ救いようが無い泥沼で構成される、それが唯一真理だと、確信できれば心を保つのは容易い。

 美しくないこの世界を美しく、面白くない面白いという価値観以上に、美意識が大切だとわたしなんかは思うのだ。

 そして、その私の肝心の美意識だが、完全に歪んでいる、と言う、御伽噺の悲劇の姫気味のようなお話。


「あっはっは、こんなに綺麗で美しい世界」

 

 世界は歪みに歪んで、狂い咲く悪のラフレシアのような、

 毒々しくトグロ捲く、輪廻の輪の最果て、混沌の底を見通せるほど、キタイナイ汚い暗い闇い場所であるといい。

 それこそが良いんだと、気持ち良いのだと、私のこの身が、私だけが、この世界で唯一無二知っているのだ。

 わたしは世界を肯定したい、真には誰からも肯定されないだろう、この汚濁に塗れた世界を愛する、唯一の寵愛のいとしごなのだ。

  

「ドリームワールドには、混沌が溢れている」


 この領域は、世界で最も、仮に定めるなら混沌率の高い場所だ。

 モノ分からない貴方には、不幸が蔓延、堆積していると、そう言われてしまうでしょう。

 でも、だからこそいいのだ、とわたしは返しましょう、核心を持って断言して切り返す。

 この世は不幸であればあるほど、美しいのだと。

 誰もが地獄に落ち、途端の日々を生き、抗い苦痛にノタウチ、絶望の底で安らかに絶叫して死ぬ。

 それが100%確定している世界ほど、人々が狂乱の喜びに塗れて、生を確信できる唯一世界だと、分からないのだろう。


「そう、みんなみんな、私が味わう煉獄を、少しでも感じて」


 灼熱が世界を多い尽くして、加熱したエントロピーが、何時かありえない現象を生むと、わたしは思うのだ。

 地獄のような場所でしか、真なる英雄が生まれないのなら、わたしが期待する貴方は、そこからしか生まれないと思うから。

 真に絶望的な不幸の世界で、その申し子たる貴方が、わたしを本当の意味で許してくれるなら、

 わたしだって、つまるところ、世界を許しましょう、貴方が愛するように、愛しましょう。


「まあ、それだって、どれほどの意味があるのか、知れない」


 一度も触れたことが無い、秩序なんていう理解不能な対概念。

 ただ只管に私に抗して拒絶する、減滅なる敵という対象。

 だが、だからこそ、ソイツが私を愛するなんていう展開は、混沌の局地と言える。

 まあ、そんなことは、絶対にないのだろうけれども。


「でも、可能性は示された、わけよ」


 かの最終戦争であり決戦では、私と貴方は協力関係にならなければ、決定的にいけない。

 お互いに宿敵と手を結ばなければ、共倒れになるのは決定的。

 そのような致命的な矛盾の状態ならば、致命的な矛盾を孕んだ現象の可能性も、決して否定できないのだ。


「もし、仮にもし、貴方と私が結ばれるなら、それは新たな世界、美の胎動、

 現状の世界を存続させていれば、決してありえない、可能性が生まれるチャンス」

 

 此処では、この局面では、仮に万が一だったとしても、己の存続が掛かっている。

 それと同時に、現状では決して感じれない、根底から生まれ変われるような進化への、存続も掛かっているのだ。

 私は、どのようなアプローチをすればいいのか?

 まずは、そこから考えればいいのだろうか? 建設的なモノは、主義に反する。

 っ、ここは一つ、アレだ、とりあえず、、、彼の最愛の存在を壊すのが、果たして、いいのではないだろうか?

 とかく、混沌的だ。

 最愛の存在を無くせば、事態がどうあれ、私の序列は上がるのだ。

 現在、最下位だったとしても。

 それに、憎悪が募れば、募るほど、愛情に裏返ったときの、感情の総量値も上がる、その伏線として。

 わたしは思う、彼の妹と呼ばれる存在などを、まずはガチでぶっ殺してしまうのが、果たしていいのではないのだろうか、っと。


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