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‐真絶無の進攻と同盟と宿敵を思う

 

 

 絶無は、この世を絶対にゼロにする存在とも呼べない存在達だ。

 奴らは存在が存在しない、だが、存在しない世界で、存在は確実に息づいている。

 超越的な存在しか、その存在しないと仮定し定義される世界を、観測おろか感じることも出来ない。

 在ると無い、には、本来的違いがないと錯覚してしまいそうな現象群だ。

 しかし確実に絶無は存在する、この世界を無くす為には、およそ手段を一切選ばない姿勢で。


 そして、そんな奴らが望む、イデア、理想郷が、真の無の世界だ。

 果てなく何もない、どこまでも無限大に絶対的に永遠の、奇跡のように一切合財が無い、そんな世界。

 おそらく真無とは、その世界ゆらいの、力の現出だろうと、そう思われる。

 絶対に何もない世界、というコンセプトでテーマの陣営勢力など、普通の発想では考えれない話なのだがね。

 だが理不尽で矛盾を内包するのが、まま当たり前だろう、もしかしたらまだ未完成なのかもしれないしな。

 

 信じられるモノは現出する、この世界の理が生み出した存在群。

 その理すら否定して、完全消滅を目論む、言うなら真に悪と、呼びうるかもしれない。

 

「まあ、俺達ほどじゃないがな」


 先ほど、全てが終了した、あの激戦のあとクリスタル戦線を再構築し、帰ってカヤと仲直りエッチだ、完璧だろ。


「私達ほどじゃない?」


 ベッドで横で寝転がる愛しい妹に語りかける。


「ああ、この全世界を、全て救いつくす、秩序の理念に比べればな」


「はあ? 意味が分からないんですけど、馬鹿にも分かるように教えてよ」


「しゃーねぇな。

 つまり、今まで不幸な現象が腐るほどあったのに、それら全て構わず、

 俺達だけ超絶に幸せになるよーン、なんて、不幸に堕ちた奴らに取っちゃ、たまった話じゃないだろ。

 そういうこと」


「分からないけどね、不幸だったから、これからさき、絶対の幸福に至っちゃいけないって考え。

 だいたい、秩序的な世界って、幸福なの? そこが私は、はじめから疑問だったんだけど」


「さあ、確かに、分からないな、他ならない俺でも。

 でも、俺は秩序的なのを、心地良く思っている。

 その心地良い頂点を感じれたら、もう何もかも、どうでもよくなってるかもしれないな、絶頂って奴だ」


「うん、そうだね、さっきも、それを一杯感じれた」


「うい奴も、もっともっと、お前も秩序的に絶頂させてやる」


「やっやめてよお兄ちゃん、腰がつらいよぉ」


「お、お兄ちゃん発言でたな、何時もは兄さんって呼んでるくせに、気持ち良くなれるときだけ媚びるのか?」


「うぅ、苛めないでよ、大好きだからさ、お兄ちゃんぅ」


 駄々甘にイチャコラした後、てかイチャは分かるがコラッてなんだ、エッチしまくった。

  

「こんな、なんでもない平常と呼ばれる日々が、永久に続くと、勘違いしてたわけではあるまい?」


 非ビックバン、あるいは超規模非ユニバース現象。

 その日、この世は反転した。

 絶無の超規模進行に、それに加えて、新たなる新勢力、真無も加わった史上初の、世界の真なる消滅の危機だった。


「というわけで、マジでガチの、七大世界の方向性の、ああ絶無を抜いた、同盟軍が結成されますよっと」


「ちょ、軽すぎるだろ!」


 場所は、まあ案の定、矛盾を内包する勢力の中心地、例のフカひれ食べた場所だ、の塔で行われた。


「てか、アルド様、ここに居たんですか?!!」


 言うは、秩序の陣営勢力の、裏の、てか表? の盟主、リリーマリアだ。


「まあいいじゃん、俺はいなくても、どうにでもなるっしょ? てか名実共にはやく盟主になれよぉ!!!」

「逆切れしないでください! お願いしますから!」

 

 そんな風に遊んでいると、周りが冷たかった、当然だろう。


「ゴホン」


 卓上の、中心と呼べる場所に座す、この領域の盟主、図書館の主と呼称される存在がわざとらしく咳き込まざるを得ない。


「さて、ではさっそく、状況の説明からいこうか」


「いやいや、不用っしょ」


 俺は話の腰を折りたくて、折った、なぜか? それが面白そうだったからだ。

 基本的に、世界の危機でも、俺はなんでもないと思っている。

 ガチでマジで本気を出せば、負けるとは思えないしね。

 万が一負けても、この世界が消えてなくなるとは思えない。

 そして僅かでも在れば、俺は消えないし、俺が消えないなら、バックアップで全てを修復、再現できるのだから。

 もちろん、本当に世界がなくなるなら、上等、って強気になってみるテスト、いるかな?


「我々は、この事態にあって、最善を尽くす用意がある、諸君はどうかな?」


 スルー、されたのかな? まあ、いいのだけれども。

 てか最善って言っても、それぞれ切り札隠してるだろうけども、所詮は正面からぶつかるしかないのだ。

 姑息な戦術もストラテジーも、肝の本群対決に至るまでの余興に過ぎない。

 もち、その余興で、僅かでも戦力を削りたくないって話になってくると、俺のような物臭は煙たがれるわけだ。


「では、敵軍が、我々が戦場と想定したポイントへの、到達予測時間を提示します」


 円卓中央が電子的な処置の施された空間らしく、巨大な立体映像を示す。

 世界は中心に空洞があり、それを取り囲むように七つの勢力が位置する。

 真無と絶無の連合軍は、まあこれまで通り、中心やや外れた位置から湧き出るように表れる。


「そして、遅滞戦術を取りつつ、時間を稼ぎ、百兆年の移動時間で敵を削減しつつ、正面決戦への布石とします」


 なるほどね、正面決戦するまでは、俺は遊んでていいわけだっと理解した、副盟主もいるし万全ッしょ。

 ちなみに、図書館の主には、三人の銀髪秘書がいて、それぞれが交代に喋りながら、つらつら話す流れのようだ。

 俺は会議中、目新しい三人をずっと視淫していた、どうやたら手篭めにできるかシミュレーションしていたのだ。

 銀髪娘の中で、なんか少し御しやすそうな大人しい子がいたので、明日辺り、アタック掛けてみる事にする。


「ちょ、アルド様」


「え?」


「みなさんが、お前はいらない、出てけと、そう仰られていますが?」


 なるほどね、声に出してたか、意図的だけども。

 俺は「それじゃ、あと全部よろしく」とリリーマリアに言って、その場を後にした。


 そもそも価値観が違うのだろう。

 混沌も幻想も絶対も虚無も、矛盾も。

 秩序に比べれば、絶対値の強度で劣っているのだ。

 全体を包括するには、真心が足りない。

 俺は、絶無も真無も、許したいと思っているのだ。

 

「そして、そうだよ、お前だ」


 俺は思った、対概念の存在を。

 

「ナルディア、お前もそう思ってるんだろう? 唯一無二、許せない存在としての、俺をさ」


 遥かなる遠くを、隔絶した存在性を思いながら、俺はそう毒吐くように呟いた。

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