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ディープフォレストインフォレスト

 

 

 レイルという少女に出会って少し経った、世界の全貌が見えてきた。


「この世界は、いまのところ放任主義で、上位世界からの一切の干渉を受けませんが

 それも次の一瞬間後には、無くなるかもしれない、砂上の楼閣のようなモノです、から

 もし上位世界から、この世界が無価値と断じられれば、瞬く間に干渉されて

 この世界の自助成長・努力は永遠に無くなるのです」


 豪快に巨大な館のような豪邸のような場所。

 その二階、テラスのように開かれた空間、森が眼前には鬱蒼と燦燦と広がる。

 俺はレイルと雑談交じりに、いろいろと聞いていた。


「へえ、そうなれば、この世界の存在はお払い箱か?」


「いいえ、利用価値が低くなるだけで、無価値にはなりえません。

 ただ上位世界の最先端の娯楽を、価値を、享受し受信する、そういう場所になるだけです」


「ふむ、それにはどういった価値があるんだ?」


「最先端の上位存在が、の、モチベーションになるというわけです。

 まあ、それ以外にもいろいろありますがね」


 俺は話を聞きながら、天を仰ぐ、日常と変わらない青々した日差しと太陽だ。


「そうだそうだ、俺に干渉してるけど、それはいいの?」


「貴方はもう、この世界の住人ではありませんから」


「はあ?」


「自覚がありませんでしたか。

 ならば、教えてあげましょう。

 貴方は黄金の種族に見込まれ、組み込まれた存在です。

 既に尋常ではありません。

 無限大性と無限性と無尽蔵性を内包する、黄金比率を極めてしまったのですよ」


「そ、そうか、まあ、どうでもいいかな」


「確かに、それはそれだけの事実ですからね、そういう認識でも特に問題ないかと」


「黄金の種族ってなに?」


「鉱物種族の一種です。

 他にも銀の種族、血に飢えた青銅の種族等々、幾らかいます」


「具体的に、どんな感じなのかな?」


「そうですね、客観的に見て。

 ただただ無限大という事象を追い求め続ける、そういうイメージで。

 神のような、世界の支配者を求めているわけでなく。

 いえ、無限大を操る神なら求めているかも。。。

 とかく、無限のリソースを求めている、そのような存在群」


「なんで、無限が必要なのかね?」


「無限が無ければ、絶対の幸福にはなれない、そう盲目的に信じているのでしょう」


「無限があれば、絶対の幸福になれるかな?」


「そもそも幸福が、酷く曖昧な概念ですが。

 満足を永久に維持する為には、確かに無限のリソースがないと不可能っぽいです」


「なるほどね、俺が、それ、ってわけかな?」


「そうみたいですよ」


「無限のリソース、そんな特異点が、この世界にあるかな?」


「ないでしょう。

 盲目的にソレを信じる、信じている存在がいるだけですから」


「どう思う?」


「どう思うとは?」


「好き?」


「さあ、私には分かりません。

 いいえ嘘です、絶対に諦められない夢、みたいなものを一定の高レベルで持っているのでしょう?

 ならば、私のような存在には、おそらく高確率で好感を得られるでしょうね」


 俺は森を見る、茂るに任せて青々と華のように咲き乱れる、深い深い趣を感じた。


「レイルって、どんな存在なのかな?」


「図書館都市の、派遣支部の司書を任せられている、そんな存在ですよ」


「ここにずっといるの?」


「ここにずっといるでしょうね」


「退屈してない?」


「退屈してたら、ここにはいないでしょうね」


「ふーん、今は楽しい?」


「まあわりと」


「具体的なパーセンテージで言うと?」


「そんなの分かりませんよ、絶対にね、貴方が当ててみてください」


「分からないよ、絶対にわかりっこない自信があるね、確信に満ち溢れている」


「でしょうね、それでもあえて答えてください」


「知りたいの?」


「ええ、貴方がわたしが今を楽しんでいるかどうか、どう予測しているか興味がありますから」


「だから、絶対に分からないんだってばよ」


「分からないなら分からないなりに、絶対の答えを出してください、表明してください。

 そういうことです、話としては簡単でしょう?」


「シンプルイズガベストだね。

 それじゃレイルが望む回答をするために、策を練るよ。

 レイルは、俺が楽しんでると予測していたほうが、心地良い?」


「なんですかそれは、回答次第では、なにかがどうにかなる、そう頑なに妄信しているんですか?」


「そうだよ、その通りだよ」


「詰まらないと、予測していたほうが、心地良くてよ。

 謙虚さが窺えるし、これからの頑張りに期待ができますので」


「レイルは今が0%くらいで、まったく楽しんでないようだね」


「ですね、そうですね」


「楽しまなくちゃ駄目じゃないか」


「楽しんでますよ、さっきのは全部嘘話ですからね」


「心がぴょんぴょんするくらい楽しんでるの? 嘘くさいなぁ」


「ぴょんぴょんしてますよ」


 その場で座りながら小刻みに跳ねるという器用な真似で表明してくれる。


「そうか、それなら良かった」


「良かったと思われて良かったです」


 正面をただ見つめる。


「どれくらい楽しんでるの?」


「無限大です。

 貴方はそういう、無限性を好みますからね。 

 こういっておけば、好感度が最大限あがるはずでしょうねぇ?」


「さっきレイル自身が言っていたのだけど、無限ってのは存在しないとか」


「私の中にのみ、ソレは存在するのです。

 盲目的に信じてください、そして好感度を無限に近く急上昇させてくださいね」


「うん信じれるようにする」


「最大限尽力して死力を尽くしてください、期待しています」


 レイルの目を見てみる。

 透き通るような純黒のような青、蒼。

 吸い込まれそうな色合い、深みに、なんだか先ほどの無限うんたらに、信憑性が付加された気がした。


「私の事が好きに成ってしまいましたね、罪な女ですね、私も」


「どうして、そう思ったの?」


「なんとなくです、貴方の胸がきゅんと、鳴る音がしましたもので」


「きゅんなんて、鳴るわけないじゃないか」


「鳴るんです、人が恋に落ちたときは、およそ物理現象など粗方超越されるモノなのです」


「俺は物理現象を超越した存在?」


「もうその時は過ぎましたがね」


「なんだ、期待して損した、ぬか喜びした」


 空を仰ぐ。


「私の事、好きなんですよね?」


「そりゃ好きでしょ、当然なこと聞かないでよ」


「どうしてですか? まるでそれが世界の常識のように語ってますが」


「溢れる自信どこいった、超絶美少女じゃないか」


「そうですね、超絶美少女だから、好かれて当然ですね。

 まさに、これが世界の、においての絶対のスタンダード、常識でした」


「うん常識なんだよ」


「私も、あなたの事が、同じくらい好きですよ?」


「まあ、俺も超絶美少年だからな、当然の常識でしょう、帰結でしょう」


「まあ、、、ですね」


「あっはっは」


「なんで笑ってるんですか?」


「面白いからだよ」


「私はまったく面白く在りません、ゼロパーセントです」


「そうか、残念だよ」


「もっと残念やがりやがれです、貴方には失望して幻滅して愛想が尽きましたよ」


「うん、それはそれで、いいんじゃないだろうかね」


 森を見る、深い深い、どこまでも壮大な深さを宿した森が広がっている、気がする。

  

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