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世界ジャーナリスト=観測者大会

   

 

 観測者のネットワークは、複雑玄妙に世界を覆い尽くし、巨大過ぎて果てが見えないほどの、力場という利器場を形成している。


 それを利用し、世界が自動的に自発的に想像し創造する、される神秘という名のロジック、論理的な認識世界による

 世界という万物が振興する信仰、およそこれも、果てが見えないほどのベールによって陰密に隠されるモノ、真理、

 それを解き明かす事を目指す、

 世界は世界というモノを、名状しがたいモノだが、果てしなく求め、

 世界という世界の究極集合、それは神の描くインテリジェンスデザインだ、究極の究極を極め、世界を完成させようとする

 観測者は、ジャーナリスト呼ばれる存在は、そのデザインにメスを入れ、突き崩さんとする、そのような方針なのだ。


「はあ、今回の大会は、規模が大きいな」


 俺は俺だ、俺でしかないって、自己紹介にもなっていないクズ。


「ねえ、ここの席って、空いているの?」


 列車が高速で風景を流す、そんな中で、立ち歩きの妙齢の貴婦人が通りかかる。


「てかレイアじゃん、リリーはどうした?」


「来てないわ」


「従者が、あの生粋の従者がいないって、どういう話だ?」


「知らないわ、もう、疲れたから、勝手に座るわね」


 良い身体した女が隣に、とたんと座るので、微妙に緊張した感じだ。


「おい、あれを見ろ」


 俺が刺すのは、巨大なビルの、その上で、「大会反対」の垂れ幕を下げる男、

 さらに俺はディスプレイで、ニュースでその男を移す画面も表す。


「嫌われているな、俺たちは」


「ええ、世界に嫌われているモノ、それが私たちなのよね」


 男は叫び散らし、最終的には、ビルの屋上から落ちて、肉片と化した、ただ、それだけ。


「はぁ、大会本拠地までは、まだまだ道のりがあるな」


「そうね、この道のりも、利器場を構成するための、布石って話よ」


 上空が開け放たれ、燦々と陽光が刺す豪華な船列車、俺たちは開放的な中で話していた。


「そうだ、リリーは何をしているんだ?」


「一応、大会警護に努めているって話よ」


「なるほど、戦力は投入されているのか、多少は安心だな」


 話に出たリリーは今、大会が行われる場所、重要な所を見ていた。


「このポイントを襲撃される、可能性は高い」


 彼女が立つのは、二人が乗る船だ。

 あの船はじきに、大会本拠地に行く。

 それでネットワークが繋がり、壮大な人間関係が連結され、大会が開催され終わるまでの流れが確定される。

 逆に言えば、あの二人が着くまでは、まだ安心できないのだ。


「うん?」


 彼女は特級存在だが、だが、ある一人には負ける存在だ、そう彼女が居た。


「黄金のジョーカー、まさか」


 見る場所、彼方の海岸沿いのビルディング、その女が黄金の銃を構えて、こちらをポイントしていた。

 撃たれた、

 認識するまで、己は認識できなかった、いつのまにか、これほどまで力量差が生まれていたのか、倒れながら、

 次の転生先から、ここまで急行できない事を悟りながら、彼女はどうとその場に倒れたのだった。


「ねえ、あの尖塔、登ってみない?」


「ああ、いいな、登ろうか」


 船はまで着かない、そして船には尖塔があり、そこまで登る事にした。


「見晴らしがいいわね」


「ああ、見晴らしがいいな」


 この選択が命取りだった。

 下方から撃たれたのだ。


「やられたわ、わたしは一旦しりぞくわ、死ぬから、貴方だけでも助かって」


 この尖塔、かなり狭いのだ、二人が立てば一杯くらいの。

 そして俺は撃たれないように、後ろに下がり、さらにそれでも頭が射線に入るだろうから、柵を飛び越えてぶら下がる。

 すると、足を撃たれるわけだ。

 ずたんずたん、容赦がない、足がけし飛ぶ。

 

 だが、大丈夫だ、俺は無限完全絶対回復と、無痛という属性を、能力を持つ。


「はあ、失血死したと、思ったんだろうよ」


 それから、騒ぎが収まるまで、尖塔でべったと伏せていた。


「ゴルデミックパンドラの結界世界か、こりゃひでえ」


 下方に降りれば、死体があった、それも拷問を尽くされ、腕だけとか、身体の一部だけになったような死体が沢山。


 大会本拠地は既に着いていた、船は結界世界に取り込まれているので、辺りが闇のように薄暗かった。


「さて、俺のできる事を、最善って奴を尽くしますか」


 結界を出れば、大会本拠地が、まるで何事もなかったかのように、普通に開催されていたのだった。


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