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シャロとデパートで関係性を

 

 

「二流三流市民の巣窟ね、イライラするわ」


「うるさいよシャロ、少し黙ろうか」


「黙るのはアンタだぁ! わたしが何を言おうが何を思うが自由でしょうがあぁああ!!!」


「うるせえっていうにぃっ」


 慌てて口を押さえようとして、その手を捻られて拘束させられるイテエヨぉ。

 こんなクソ生意気な少女に武力が伴ってりゃ、もう手の出しようも押さえ込みのしようもない、万事休すだ。

 痛みが臨界越えてきたので、必死にタップして降参を申請する。


「わかればいいのよ」


「うえぇ、勘弁しろ、冗談でもやめろ」


「それにしても、クソ老害みたいな、社会のお荷物、引っ張られる側しか居ないわね、所詮支配される存在が」


「おまえもクソ毒電波飛ばすな、声を抑えろっつぅーに」


「終わってんのよ、少子高齢化でね。

 将来の財政圧迫あるいは崩壊、弱者が大量に切り捨てられて、所詮犠牲の上に成り立つ世界よ」


「ああ、そうだな」


 何か諦めて悟った心地に至った、此処は普通の何でもないデパートである、ちなみにな。


「だいたいね、人間なんて大抵は、歳を食えば劣化して、堕落した醜い弱者になるのよ。

 保守的で自己保身第一、私利私欲を貪り肥え太る豚以下のクソ生命体ってのが、全く自覚できてない。

 だから、こそ、豊かな社会がそのような弱者達を助けられる、強い状態を保つ必要があるのにね。

 まったく持ってお先真っ暗だわ、技術革命で世界が一線越える望みでも夢見て生きないと、世界の歪みで吐きそうだわよ」


「ちょっとまて、うん? 歳をとっても、頑張ってる奴らはいるんじゃねーの?」


「そんなの、精神が肉体を凌駕して老いに打ち勝ってるような、上位数パーセントよ。

 大抵の老人は、肉体が若い頃よりも遥かに非活性で、二流三流の十二分に幸福になれない側に堕ちて、社会を引っ張る足かせとなるしかなくなる。

 それが現実よ、身体が資本なのよ、基本的にね、その資本がなくなったのに、どうして社会の役に立って、足を引っ張らないでいられるの? かな?

 病弱で無能、そんな若者がいたら、どう思う? まあ、それが大抵の老人の真の姿よ、本当に醜いってのを年寄りだからってフィルターで自覚できてないのね。

 そして十分に幸福になれなきゃ、他人の為に生きれない、社会が支える力を失ってるんだから、末路は明瞭よ、ほんと終わってる詰んでるわ、世界が崩れていくわ」


「だな」


 俺は長文に対して適当にレスしたのだが、シャロは特に怒った風でもなかった。


「あんたも、まだまだ強がってる」


「はあぁ? どうした藪から棒に」


「本当は弱いくせに、甘えや頼ることをしない。

 もっと、もっと、わたしに見栄を張らずに、無様を晒してみれば?」


「毎度唐突に意味が分かりかねるパートに突入するな、何かの新しい芸なのか?」


「茶化すな、あんたはもっと一線越えて、一皮剥ける感じで、私に自身が弱いことを表明した方がいい。

 その方が、劣等感や羞恥心が駆り立てられていい。

 あんたが真の姿を見せてくれれば、存分に弄ってあげる、あんたの被虐心が満たされるのよ?」


「ああ、そうか、俺は根っからの強者だから、無理だな」


「どこまで強がるか、本当のあんたは弱いくせに。

 わたしが傍に居てあげてるから、今の心境を維持できてる、依存者の癖に」


「ふん、お前の、シャロの方こそ、もっともっと、よわっちい所を俺に見せろ、慰めてやっからよ」


「あんたにそんな事するくらいなら、わたしは潔く死を選ぶつもりだから」


「はあ、どこまでも、自分の弱さ隠すか、お前の方こそ、それを見せるべきだろ」


「、、、、ヘンタイ」


「心に響く声音で、外聞の悪い事を言うなよ」


「だいたいさ、弱さって何なのかしらね?

 その人間存在が強いか弱いかなんて、客観的にだいたいの値で分かるでしょうしね。

 弱者は弱者、強者は強者で、側面的に弱い強い面なんて、幾らでも多岐に抱えているでしょうに」


「い、いきなり小難しいな、よく分からない話だ」


「馬鹿。

 まあ、更に言えば、強さ弱さの、その判断基準も人それぞれ、唯一なるものは存在しない」


「俺は人間を、世界すら超越して、常に何もかも越えるを常とする、超絶的な絶対上位者として君臨している覇者だけどな」


「私ってさ、矛盾を抱えているのよ。

 世界は、何でもかんでも一個存在に責任を押し付ける、つまり自己責任を絶対にしないと成り立たない。

 つまり、存在の弱さ、劣悪さを、本人の罪として一括りに「自己責任」って事にしないと駄目なのね。

 そうしないと、絶対に人間は責任を社会や他者に押し付けて、自助努力をしようと心の底から思えない。

 人間は世界に弱者として切り捨てられるかもしれない、真なる救いが無いって事を確信して、はじめて頑張れると思うの」


「だな、俺も社会や他人、世界が無限に制約制限無く力を貸してくれるなら、頑張らないな」


「そう、それでも、私は何もかも自己責任として、弱者を見殺しにしたくない。

 そうしないと、世界が成り立たないっていう、致命的なパラドックスが厳然と存在していたとしても。

 なぜなら、私がそうだったから。

 例え世界を全て犠牲にしてでも、絶対に救われたいって、そう思ったから、そう思わずにはいられないのね。

 だから、私は世界が全部大っ嫌いよ、吐き気がするし殲滅して消滅させたいの。  

 自己責任で詰めてくる世界が嫌い、そんな私はもっと嫌いで。 

 それでも何とかしたいって思う、思うだけで何にも大きな事はできない自分が、世界も。

 つまり、何が言いたいかというと、私は世界で一番ダントツでぶっちぎる感じで、あんたが、大嫌いなのよ」


「おい、何でその結論に飛躍、いやワープ跳躍して次元を超えた」


「世界の歪み、あんたを殺せば、多分世界が変わる、なにかがどうにかなる気が、ずっと前からしているのだけど?」


「あんたは最悪の権化よ、あんたがいないと私は活き活きと生きれない、死ぬ。

 これがどれだけ最悪かって、貴方理解できる?」


「知らんがな、勝手に依存してくれるな、気持ち悪いんだよ」


「私が私であり続けるためには、貴方が絶対必須、他に一切何もいらないのにね。

 貴方の力が、わたしに求められているのよ?」


「誰かの力が必要で、借りなきゃいけないなら、他を当たってもいいだろうに、なんで俺なんだって感じだが」


「それじゃ駄目、私は選択したの、自分意志で、主体的に能動的に明確なる意図的に。

 私の生命において、唯一積極的に意欲的に選んだ道、これ以外では、到底生きていけないのです」


「はぁ、そういうのを世の中では依存って言うんだって」


「履き違えないで、依存じゃないわ。

 私は貴方の為に、為だけに、いまの私を絶対に遵守したいと、そう思っているの」


「どういうことだ、それはぁ」


「貴方が、より自身の個性を伸ばせるように、わたしは他ならない誰よりその芽の伸張、開花を見たいと思ってる。

 あんたがね、もっともっと活き活きと粋がってる所が、誰よりも見たいの、ムカつくんだけど、それがまた快感、みたいな。

 ちっ、だからあんたは世界の歪みだつーのよ、気色悪いし気持ち悪いし、反吐が出るんだけど。

 さて、それで、あんたは女の子に絶対に依存されてるシチューエションプレイによって、より頑張れる感じでしょう?」


「しるか、口上が長すぎる上に途中変な風になってたぞ」 


「知らないわよ、わたしの、私自身の全てを、重荷として背負いなさい。

 そうじゃないと、絶対に許さないんだから。

 あんたはまだまだ頑張りたいって、思ってるだけで、全然駄目駄目、あまちゃんの坊やなのよ。

 頑張らないといけない、どうしようもない、どうにもならない現実が厳然と存在している。

 その存在感をできる限り大きく感じて、初めて悟る事ができる。

 この世界が、私が不確かで、頑張らなければ全てが崩壊するし、新たに創出することも、できない、って事がね。

 貴方はわたしを真に受け入れてくれるんでしょう? だったら、そうして、そうじゃないと無理、不可能事なんだから。

 私の最大級の望みも期待も、全部受け入れて、貴方の一部といわず全てとして、同一の価値として、扱ってくれるんでしょう?

 そうやって、責任の重圧に対して悟り、絶望の向こう側の境地に、一緒に至るのよ? 夢のようじゃない?。

 一緒なら怖くないわ、何もかも、乗り越えていける、この今現出した気持ちに無上に共感してくれるわよね?

 うっふっふ、そんな顔しないで、私の人生という重荷を任されたのよ? 喜んで背負ってくれるんでしょう? 

 だって貴方は、わたしの事が何よりも、絶対に大好き、なんだからね」


「そう、思いたければ思え、自由意志だけは尊重してやるよ」


「貴方は、まだまだ至れてないわね。

 内部に私の人格を植え付けて、自由に操作してやりたいわよ。

 まあそんなことよりも、私が貴方の事が心の底から本当に好き、それが微量でも伝わる方が、遥かに重要なんですけど」


「もう十二分に伝わってるだろ、やりすぎはなお及ばざるが如しだ」


「駄目、だって私の感情が完全に伝わっていれば、もっとあんたは私を可愛がるはずだからね。

 こんなに愛してるんだから、それが伝わっていないのは地獄の苦しみよ、そうじゃない?

 そもそも、あんたは私の始めての恋心を略奪した、責任を取ってもらわないと、どう考えても万死に値するでしょ?

 そういう彼是を感動的に自覚できるようになって、初めてあんたは私に相応しい人になるの。

 それは大人の階段を登るのも同義なんだから、もっと頑張ってくれてもいいと思うわ、今よりモチベーション上げなさいよ」


 すき放題電波垂れた後、飽きたかのように好き勝手駆け出して、どこかに消えていった。


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